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ネットの話題

警察官が「110番して」叫ぶ理由 警察の無線より早いって本当?

警察官が周囲の一般人に「110番して」と求める場合があることがSNSで話題になったが……。※画像はイメージ
警察官が周囲の一般人に「110番して」と求める場合があることがSNSで話題になったが……。※画像はイメージ 出典: Getty Images

目次

緊急時に現場にいた警察官が周囲の一般人に「110番して」と求める場合があることが、SNSで話題になっています。ネット上では「警察無線よりも110番の方が早く情報が伝わる」という言説も見受けられました。この情報は本当なのか、警察庁に話を聞きました。(朝日新聞デジタル企画報道部・武田啓亮、朽木誠一郎)
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警察無線より110番の方が早い?

緊急時に現場にいた警察官が周囲の一般人に「110番して」と求めたケースが、X(旧Twitter)で話題になりました。

こうした事態にSNSでは「なぜ」と驚く反応のほか、「警察官の腰に下げた無線機よりも、110番の方が情報が本部に早くつながるから」といった情報もありました。

これは本当なのでしょうか。

警察庁に取材してみると「SNSで話題になった大阪府警の事案については、現場の警察官が逃走する被疑者を取り押さえる中、無線機で応援を要請することができなかったため110番通報をお願いしたという報告を受けています。110番通報の方が警察本部に早くつながるから、という理由ではありません」と回答がありました。
 

警察無線の仕組み

では、私たちの安全を守ってくれる警察無線は、どんな仕組みなのでしょうか。警察庁によると、交番や駐在所で勤務する警察官が使う無線には「署活系」と「車載通信系」の2つがあるそうです。

「署活系というのは、警察署を中心に所属する警察官を結ぶ無線通信系で、警察署の通信室で統制を行うものです。主に市街地において活動する警察署の地
域警察官は、署活系無線機を携行しています」

警察官が腰にぶら下げている無線機がこれにあたります。

「もう一方の車載通信系というのは、各都道府県警の警察本部を中心に、警察署、パトカー、警察用航空機等を結ぶ無線で、警察本部の通信指令室が統制を行うものです」

110番通報は警察本部の通信指令室で受理された後、この車載通信系で、通報内容に沿った指令が警察署やパトカー等に対して届くそうです。

警察署の地域警察官はそれぞれの属する警察署管内で活動するため、署活系無線機で警察署の通信室とやり取りをしながら事案に対処するのが基本だそうです。

「ただ、隣接する警察署管内の事案を把握しておくことで、より迅速に緊急配備の態勢を構築することができるなどの利点もありますので、車載通信系の受令機も携行して本部からの指示を受けられるようになっています」
 

110番で気をつけること

110番をかける際、いくつか押さえておくべきポイントがあるそうです。

「まずは所在地、番地、近くの目印になるような物を確認して伝えてください。電柱番号や交通標識、信号機等の管理番号を活用して発信場所を特定している都道府県警察もあります」

この時、気をつけなければいけないのが 電話番号非通知での通報だそうです。

「非通知での通報は努めて避けてください。警察では、携帯電話等からの通報を受理した際、同時に通報者の位置情報等が警察に通知されるシステムを運用していますが、電話番号非通知では位置情報が通知されません」

ただし、この場合も、「危険が切迫していると認められ、通報内容から直ちに位置情報を知ることができないときに、警察において位置情報を取得することがある」そうです。

そして、電波が途切れて通話が切断されることもあるため、通話中はできる限り場所を移動しない方がよいとのこと。

また、「事件や事故等の発生場所が判然としない場合等は、警察から折り返しの電話をかけて場所を確認することがある」そうです。

通報を終えた後も、警察官の現場到着までは携帯電話の着信に注意した方がよさそうです。

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