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流れてくるのはそうめんじゃない…「地元では定番」のイベントとは
これをはしでつかみます――。6月上旬に山形県で行われたあるイベントの様子がSNSで話題になっています。半分に割られた竹の上を流れる水と、はしと器を手にした人々。流れてくるのはそうめんかと思いきや……。SNS上では「初めて見た」と驚く反応が多くありましたが、担当者によると「地元では定番のイベント」なのだそうです。(朝日新聞デジタル企画報道部・武田啓亮)
話題になったのは、6月6日にJA全農山形の公式アカウントがXに投稿した動画付きのポストです。
二つに割られた竹で作った水路の前で、何かを待っている人々。
そうめんが流れてくるのかと思いきや、コロコロと高速で通り過ぎていったのは真っ赤な球体でした。
これが「流しさくらんぼ」ですよ皆様!!
— JA全農山形【小さなYAMAGATAマルシェ】 (@yamagat37830595) June 6, 2024
初見の方には衝撃的ではないですか!??!早いし!!
さくらんぼを!!
流してるんですよ!!水に!!
これを箸で取ります🥢
🍒🍒🍒🍒🍒🍒💦💦💦💦 https://t.co/0Tq64JyO6Q pic.twitter.com/3pS6oX5p8k
これを見たユーザーからは「結構なスピードで流れてますね」「お箸でつかむの難易度高い」などの反応が寄せられていました。
全農山形の広報担当者に話を聞くと、この流しさくらんぼは山形県主催、全農山形協賛で行われた「さくらんぼイブニング」というイベントの中の企画だったそうです。
「来年、2025年は県でさくらんぼや西洋梨などの果樹栽培が始まって150年になるので、そのプレイベントとして開かれました」
数字の6がさくらんぼに見えることから、6月6日はさくらんぼの日とされているそうです。
「今年は令和6年で6が3つ並ぶ日ということで、プレイベントを開催することになりました」
会場では、大人は箸で、未就学児童は穴の空いたスプーンでさくらんぼをすくっていました。
この流しさくらんぼでは、約10キロの佐藤錦が使われたそうです。
「さくらんぼの流れるスピードがかなり速かったので、ちょっと面白い画だなと感じて動画を投稿したら、反響が大きくて驚いています」
「箸で取るのは難しそう」という反応に対しては「さくらんぼが綺麗にならんでいる化粧箱も生産者の方によっては箸を使って詰めているんですよ」と写真付きで返信し、さりげなく特産品の魅力をアピールすることも忘れません。
担当者は「地元では定番の行事なので、県外の人から見ると珍しいのだなと、改めて実感しました」と話しました。
なんと、イベントのための特別な企画かと思いきや、地元では見慣れた光景らしいです。
流しさくらんぼは「地元では定番」とのことですが、いつから「定番」になったのでしょうか。
山形県農林水産部農政企画課の担当者に聞くと「はっきりとはしませんが、県内では少なくとも10年以上前から、人が集まる催しでの定番の企画になっています」とのこと。
県の公式サイトに載っているさくらんぼイブニングのお知らせを見ると「子供たちに大人気の『流しさくらんぼ』もあります」という文言が。
確かに、県民なら知っている前提のような書き方です。
県の担当者も、JA全農山形の投稿が話題になったのは把握していたようです。
「流しさくらんぼを初めて見たという反応も多く、県外の方にもアピールする機会にできたのはありがたいことです」と話しています。
山形県は夏と冬、昼と夜の寒暖差が大きい気候が特徴で、果物の栽培に適していることから「フルーツ王国」とも呼ばれています。
担当者は「さくらんぼだけでなく、すいか、桃、ぶどうなども特産です。ぜひ山形のフルーツを食べてみてください」と話しています
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