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異色過ぎる「文具に囲まれて眠れる」ホテル 海外から注がれる熱視線
アニメ並みの人気ぶりでコラボ決定
三角定規の枕に、罫線柄のベッドカバー。そんな「文房具に囲まれて眠れる」ホテルがSNSで話題になりました。異色過ぎるホテルと文具の組み合わせ。作った理由を聞きました。
話題になっているのは、羽田空港第3ターミナルに直結するホテル「ヴィラフォンテーヌ グランド 羽田空港」内に作られたコンセプトルームです。
文具のコクヨが、初めてホテルとコラボ。今年4月から宿泊が開始すると、SNSでは「想像以上に文具に囲まれてる」「文房具好きとしてテンションあげずにはいられない」などとSNSで話題になりました。
コクヨに話を聞きました。
監修したのは、空港に直結する羽田エアポートガーデン内の、コクヨ直営店「KOKUYODOORS」です。
「お客様の広い好みに対応できるように」と、部屋は3タイプに分けました。
【STANDARD】タイプは「本物の商品に囲まれた感覚で没入感のある」部屋で、巨大なペンや定規などのイラストが、壁だけでなく天井にも描かれています。まるで自分が小さくなって、引き出しに入ってしまったかのよう。
【SIMPLE】タイプは「ビジネスパーソンやシンプルなテイストが好みな方でも楽しめる」ことを目指し、コクヨ文具の実物をケースに入れて壁に展示。
【FANCY】タイプはカラフルな文具のイラストが描かれ、「かわいい文具の世界観が楽しめる」と言います。
SNSで「ほしい!」と反響を呼んだ罫線柄のベッドカバーは、部屋タイプごとに〝方眼罫〟や〝ドット入り罫線〟と違いを楽しめるそうですが、非売品。
どの部屋も、備え付けのメモが「キャンパスノート」の紙でできていたり、コクヨの人気商品を持ち帰ることができる「ノベルティボックス」があるなど、こだわりが見えます。
しかし、〝ホテル〟と〝文具〟とは、異色とも思えるコラボです。なぜ実現したのでしょうか。
住友不動産ヴィラフォンテーヌによると、同ホテルは空港に直結しているという立地上、国外からも宿泊客が多く、「様々な日本の魅力コンテンツとコラボを検討した中で、日本のユニークな文化の一つとしての『文具』を楽しんでほしい」と、着目しました。
これまでにはアニメ「ラブライブ!虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会」やバーチャルシンガー「初音ミク」などとのコラボ実績もありました。
コクヨ側にとっても「宿泊体験を通じて、日本の文具の魅力を、店舗とは違う形で楽しみながら感じて頂ける」としてホテルとのコラボにチャレンジしたそうです。
アニメと同様、〝日本の魅力コンテンツ〟になっているという「文具」。
どうして海外客に人気なのでしょうか。
2024年1月に1周年を迎えた「KOKUYODOORS」には、開店以来、アジア圏を中心に、アメリカ・オーストラリア・ヨーロッパなど、世界30カ国以上、約4万人が訪れているそうです。(2024年3月末時点)
その反応を見ると、日本の文具は「細かい部分まで行き届いた、ホスピタリティの高さ」や、「海外ではなかなかないユニークな点」があると驚きを持って受け入れられているそうで、日本旅行のお土産として持ち帰る旅行客が多いそうです。
特に海外客からの人気が高い商品を三つ聞くと、まず上がったのは、鉛筆のような書き心地が味わえるシャープペンシルの「鉛筆シャープ」。「鉛筆を思わせる六角軸のシンプルなデザインが好評」とのこと。
また、刃がスライドすることで、カッターモードとハサミモードに切り替わる「2Way携帯ハサミ<ハコアケ>」。「カッターとハサミを持ち替えずにダンボール箱などの開梱作業ができる」という、アイデア商品です。
そして、針を使わず紙を綴じるステープラ―「ハリナックス」。「金属針を使わないため環境にやさしく、そのギミック自体が面白い」と、海外客に人気だそうです。
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