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石山詣で源氏物語を着想 たらればさん号泣、枕草子のシーンも大河に

2008年の「源氏物語千年紀」にあわせて、紫式部たちの「石山詣」が再現されたようす。石山寺港から石山寺まで練り歩く光源氏や紫式部に扮した一行=2008年3月、大津市
2008年の「源氏物語千年紀」にあわせて、紫式部たちの「石山詣」が再現されたようす。石山寺港から石山寺まで練り歩く光源氏や紫式部に扮した一行=2008年3月、大津市 出典: 朝日新聞

目次

紫式部を主人公とした大河ドラマ「光る君へ」ですが、最近の放送回では、枕草子の作者・清少納言が定子さまに出仕するシーンがあり、清少納言ファンを喜ばせました。平安時代の文学や日記の魅力について、編集者のたらればさんと語り合います。(withnews編集部・水野梓)

これから先の大河ドラマ「光る君へ」内で「見たい」・これまでのドラマで「見てうれしかった」という「源氏物語」の名シーンのアンケート(https://forms.gle/F1Wxm3DfGHTz3K4A6)を実施しています。締め切りは4月21日です。

「寿命が延びた!」たらればさん歓喜

水野:ついに第15回「おごれる者たち」では、定子さま(高畑充希さん)のもとにききょう(ファーストサマーウイカさん)が出仕し、「そなたを清少納言とする」と名づけました。たらればさん、情緒は大丈夫でしたか…!

たらればさん:うわーーーーーーーん!!!!(号泣)

寿命が!! 延びましたーー!!!!!!!!!!
水野:(笑)

同じ回ではまひろ(吉高由里子さん)が、さわ(野村麻純さん)との「石山詣(いしやまもうで)」をしましたね。

平安時代、貴族による石山詣は人気で、女性文学者も数多く訪れ、作品に書きとめているそうです。「蜻蛉日記」にも、明け方に京都を発って逢坂の関を越え、打出浜から船に乗り、石山寺に着いたのは夕方だったと記されています。

紫式部が「源氏物語」を着想したのも、この石山詣のときとされているそうですね。

たらればさん:(ちょっと情緒を整えるために深呼吸を……)ええと、まず石山寺(現・滋賀県大津市)には、「紫式部がここに逗留中に、琵琶湖の湖面に映る月を眺めていて、『源氏物語』の着想を得て〝今宵は十五夜なりけり〟という『須磨』の書き出しを思いついた」という伝承があります。

実際に「源氏物語」がどこでどんな契機で書き起こされたは分かりませんが、まひろが「蜻蛉日記」の作者である道綱母・寧子(財前直見さん)と出会って語り合い、寧子が「わたしは日記を書くことで、己の悲しみを救いました」と言ったセリフ、よかったですね。

紫式部と藤原道綱母が対面で(しかも石山寺で)会ったことがある、という史料はない(と思います)が、道綱母と「蜻蛉日記」が「源氏物語」創作のきっかけのひとつになった、というエピソードはすごくいいなあと思います。
水野:まだドラマでは清少納言と定子さまとのやりとりが続きそうですね。

たらればさん:次回の第16回「華の影」も情緒がもたなさそうです…。「枕草子」の名シーン「香炉峰の雪」が出てくるようで…。

水野:たらればさんのつぶやきを楽しみにしつつ、見ていきます!

日記ににじむ政治家の性格

水野:さて、「蜻蛉日記」は広く貴族の女性たちに読まれていたということですが、スペースのリスナーさんからは藤原実資(ロバート秋山さん)の「小右記」も当時から多くの人に読まれていたんですか?という質問をいただきました。
【関連記事】大河ドラマ「光る君へ」に登場、蜻蛉日記・枕草子…古典の名作に歓声
https://withnews.jp/article/f0240414001qq000000000000000W02c10501qq000026792A
たらればさん:当時の男性の日記は「古記録」と呼ばれ、子孫に栄達をもたらすために書くことが第一義としてあったと言われています。

子孫に見せる前提なんですが、それを他の一族の者から「貸してください」と頼まれることもあり、政治的な取引の材料にもなって、そのまま返されなかったこともありました。借りパクですね(笑)。

小右記にも抜けているところがあるんですが、貸し出して帰ってこなかったのだろうといわれています。

日記に何をどう書くかで、書き手の性格や政治的な立場が分かります。人となりがぼんやり見えてくるのも楽しかったりしますね。

水野:17歳の伊周を抜擢したことに、実資が「こんな身内びいきの人事は許さん!」などと書いているのでしょうか。

たらればさん:彼(実資)は藤原北家小野宮流といって、道兼や道長クラスの権力を手にしていてもおかしくない血筋です。

どこかが違って権力をとることはありえましたし、ドラマの放送時点では今後もゼロではない状況です。

彼の性格なんでしょうけど、正しいことは正しい、間違っていることは間違っていると書くことが、子孫にとってためになると思って日記に書いていた可能性が高いと思います。

水野:なるほど。
出典: Getty Images ※画像はイメージです
たらればさん:藤原行成(渡辺大知さん)も「権記(ごんき)」という日記を残しています。道長や帝にこんな頼まれごとをした…といった記述があり、今後ドラマでも、権記の記述も出てくると思います。

藤原道長(柄本佑さん)の記した「御堂関白記」にも、怒りっぽいとか感情的になるといった道長の性格が出ています。墨でばーっと消した跡があって、おっちょこちょいなんだなぁ、とか。すごく(文字数を)書くときは書くけれど、書かない時は書かないとか、そんなおもしろみがあります。

水野:むらっけがあるんですね。

たらればさん:彼らがつけている日記は、当時、陰陽師(安倍晴明<ユースケ・サンタマリアさん>など)の作った「暦」に書き込んでいるんですね。

今も似たタイプが書店などで売っていますよね。カレンダーが載っていて、そこに日記を書き込む形式の日記帳。

安倍晴明らがつくった暦は「具注歴(ぐちゅうれき)」といって、この日の吉凶や、月食、日食の予報などが記してあって、日記を書き込むスペースもあるんですね。1日分のスペースが決まっているわけです。

水野:そうなると、書かなかったのが一目瞭然ですね。

たられば:あとから2~3日ぶんまとめて書くこともあったようです。

水野:実資は毎日まじめに書いていそうです。

たられば:それぞれの性格が分かるのが記録の面白さですね。古記録を専門にしている倉本一宏先生がドラマの時代考証についているので、そういう面白さがドラマににじむんだろうなと思います。

源氏物語の名シーンアンケート実施中

水野:今回は、皆さんに「今後、光る君へで見たい源氏物語のシーンや、見られてよかったシーン」のアンケートをとりたいと思います。

この16選択肢は、たらればさんが源氏物語からピックアップしてくれました。

たらればさん:このために角田光代さん現代語訳の『源氏物語』をざっと読み返してアンケート項目を作りました。楽しかったけど6時間かかりました(苦笑)。

水野:16シーンはこちらです。
① 五月雨の日の夜、歳の近い仲間とともに「どんな女がいいか」を語り合い、「中くらいがいいぞ」という言葉に何かを感じとる光源氏、いわゆる「雨夜の品定め」シーン[帚木]

② 「貴公子とのひとときの戯れ」に恐れと恥じらいを感じ拒絶する人妻・空蝉が、深夜に寝所へ訪れる光源氏から間一髪、まだ温もりが感じられる夜着を残して逃げ去るシーン[空蝉]

③ 陰のある謎めいた美女との六条の廃院での逢瀬、仕込まれる二つの伏線(御息所の生霊&頭中将との娘<玉鬘>)をはらみつつ物語から早々に退場し源氏が泣き崩れるシーン[夕顔]

④ 光源氏が北山で流行り病の療養中のある春の日、立ち寄った山荘を覗くと「伏籠に置いた雀の子を逃がしてしまったの」と泣く、美しい少女を見初める運命の出会いのシーン[若紫]

⑤ 朱雀院の行幸にて、色づき舞い散る紅葉のなか光源氏と頭中将が二人そろって青海波を舞い踊り、あまりの美しさに聴衆が涙し「まるで極楽のようだ」と口にするシーン[紅葉賀]

⑥ 朧月夜が替え歌を詠みつつ陽気に登場、光源氏と一晩「道ならぬ恋」に浸ったあと「また逢いたいのでお名前を」と聞かれて「探してくださいませんの」と挑発するシーン[花宴]

⑦ 葵の上出産で嫉妬にかられた六条御息所が生霊となって光源氏を恨む歌を詠む&御息所には生霊の記憶がなかったが髪や体から芥子の香りが立ち昇り自覚するシーン[葵]

⑧ 光源氏が京へ帰ることになって明石の上と涙の別れ、琴を渡して「この琴の調律が狂わぬうちにまた逢おう」と再会を誓う(再会時に調律がぴたり合っていて伏線回収)シーン[明石]

⑨ 熱心に『住吉物語』の写本に勤しむ玉鬘に対して光源氏が「虚言(そらごと)」と評しつつも「日本紀だけでは語れない事柄を(物語は)描ける」と物語論を語るシーン[蛍]

⑩ 言いよる兵部卿宮に対して薄暗い御簾の内に光源氏が蛍を放ち、またたく光に玉鬘の美しい姿が浮かび上がって「泣かぬ蛍が身を焦がす」と詠むシーン[蛍]

⑪ 幼い頃から心を通わせ互いを想い続けていた夕霧と雲居雁が、藤の花が咲き誇る内大臣邸にてついに互いの両親からの許しを勝ち取り結婚するシーン[藤裏葉]

⑫ 中庭で殿方たちが蹴鞠に興じる最中、猫が逃げ出し御簾が跳ね上がって女三宮の姿があらわに。その姿を見た貴公子・柏木が運命を狂わす恋に堕ちるシーン[若菜]

⑬ 二条院で盛大な法会を開き交流のあった人々へ別れを告げ、春の日の美しさに感嘆し、秋の日の寂しさに自らの運命を重ねる紫の上の達観と祈りと死のシーン[御法]

⑭ (この巻もとよりなし)[雲隠]

⑮ 有明の月が澄みわたる空に輝く夜、情熱的に口説く匂宮に連れられて二人で小舟に乗る浮舟。宇治川を渡り、橘の小島の千年立つ「常磐木」を見て歌を詠み交わすシーン[浮舟]

⑯ 横川の僧都のもとに身を寄せる浮舟へ文を送る薫、いっぽう浮舟は使者と会うことも文を受け取りることも拒否。この先が気になるところでふっつりと終わるラストシーン[夢浮橋]
水野:アンケートの締め切りは4月21日です。ぜひふるってご回答ください。結果については5月5日のスペースで報告します。

たらればさん:アンケート結果が少ないと寂しいのでね。ぜひ回答お願いします。もちろん、16シーンにはないものを「その他」でピックアップしていただいてもかまいません。

水野:「その他」のシーン、たしかにみなさんの推しシーンが気になりますね。

たらればさん:すっごいニッチなシーンがピックアップされたりするのを楽しみにしています。その人にとってはきっと、かけがえのないシーンなんだろうなあ…とか思いたい。
<アンケートご協力のお願い>
大河ドラマ「光る君へ」には、これまで(~第14回)も、これからも、「源氏物語」のオマージュだと思われるシーンがいくつか登場してきました。

そこで、これから先のドラマ内で「見たい」、またはこれまでのドラマで「見てうれしかった」という「源氏物語」の名シーンを教えてください。

「このシーンをなんとか柄本さんや町田啓太さんで」、「このキャラの振る舞いをぜひ吉高さんや黒木華さんで」という熱い思いを、ぜひお待ちしております。
https://forms.gle/F1Wxm3DfGHTz3K4A6

締め切りは4月21日です。結果は次回のスペース(5月5日21時~開催予定)で、編集者・たらればさん(@tarareba722)とともに発表します。
◆これまでのたらればさんの「光る君へ」スペース採録記事は、こちら(https://withnews.jp/articles/keyword/10926)から。
次回のたらればさんとのスペースは、5月5日21時~に開催します。

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