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お金と仕事

親の介護「事前に話し合い」と言うけれど…〝不仲〟な場合の解決策は

「いまどき、不仲の親子はなんら珍しくありません」

介護のこと、事前に親子で話し合いとは聞きますが……。写真はイメージです=Getty Images
介護のこと、事前に親子で話し合いとは聞きますが……。写真はイメージです=Getty Images

目次

働きながら親の介護をしている人のうち、「介護が仕事に影響した」と回答した人が半数超にも及んだことが調査でわかりました。「LIFULL介護」編集長の小菅秀樹さんは「介護については、親子で早めに話し合いをすることが結果的に負担を軽くする」と語ります。そうは言っても、親子が不仲な場合はどうしたらいいのでしょうか。

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ワーキングケアラー、1割が介護理由に退職

高齢者施設や介護施設の検索サイト「LIFULL介護」などを運営する「LIFULL senior」は昨年12月19日~21日、働きながら親の介護をしている「ワーキングケアラー」3068人に、介護と仕事の両立について調査しました。

仕事への影響を問う項目では、一時的に休業したり勤務時間を短くしたりして「介護が仕事に影響した」と回答した人は約54.9%に上りました。「退職し介護に専念した」と回答した人は9.4%にのぼりました。

さらに、ワーキングケアラーが介護に使う時間にまつわる質問では、45%が「週4日以上」介護に携わり、1日平均の介護時間を1時間区切りで尋ねると、最も多かったのは「3時間」の20%。5時間~「8時間以上」を選んだ人は合計して約3割でした。

この現状について、施設への入居サポートなどをしてきた小菅さんは、「8時間労働の上に毎日3時間を介護に費やすというのは、まったく余裕がない状態です」と懸念を示します。

事前に「介護リテラシー」を

介護時に負担になったことを尋ねる項目では、「3大介助」と言われる「食事・排泄・入浴」を挙げる人が最も多く38.1%で、「介護される人の体調不良など突発的な対応」(30.6%)「病院など外出の付き添い」(28.2%)と続きました。

「病院がすいている時間帯に仕事を休む、休日も自分の時間が持てず気持ちに余裕がないとなると、離職待ったなしではないか」と小菅さん。

そうならないため、小菅さんが企業側に求めるのが「柔軟な働き方」。「介護のために休むと言いにくい現状がある」と指摘した上で、休みを取得しやすい環境作りやリモートワークの推進などを訴えます。

他方、ワーキングケアラー自身が、介護保険サービスや制度を知っておくなど「介護リテラシー」を事前につけておくことも重要だといいます。

「介護が始まるまで、何もわからない人が大半。その前に、可能な範囲で理解して臨めば負担が軽くなる」といいます。

高齢者施設の種類も様々で、サービス内容も異なります。事前にリテラシーを高めていくことが重要だといいます。写真はイメージです=Getty Images
高齢者施設の種類も様々で、サービス内容も異なります。事前にリテラシーを高めていくことが重要だといいます。写真はイメージです=Getty Images

事前に親子でコミュニケーションを

事前の準備として重要だというのが、「介護施設を探しておく」ということだそうです。

ワーキングケアラーが「介護が始まる前に準備しておけばよかったこと」の質問には、最も多い28.5%が「相談先を知っておく」で、2番目に多かったのが「介護施設を探しておく」の27.1%でした。

小菅さんは、「切羽詰まった状況で介護施設探しが始まると『予算内で空きがあればどこでもいい』という思考になりやすく、入居後に後悔することがあります」

施設とのマッチングが失敗すると、親の状態が悪化したり、再度の施設探しをして転居が必要になったり、結果として負担が大きくなります。

その一助として、「介護や施設入居について事前に親子のコミュニケーションをとってほしい」と小菅さん。

「最初から『方針を決める』とがんばらなくてもいい。水を向けてみると、親が意外と考えていることがわかるかもしれないし、考えていないなら、その後すべきことがわかってきます」

「僕自身、関係良くなかった」

ただ、記者が気になったのは、そもそも不仲な親子の場合、介護の話はおろか、日常会話すらままならないこともあるのではないかということ。

小菅さんは「いまどき、不仲の親子はなんら珍しくありません」とした上で、専門職など「第三者の介入」をポイントに挙げます。

「僕自身も他界した父とは関係があまりよくありませんでした」と語る小菅さん。父親の体調不良を機に、実家近くの地域包括支援センターに直接連絡をしたといいます。

センターの担当者に、自宅と実家には距離があり、すぐ駆けつけることができないことや、直接介護ではなく「後方支援」的に介護をしたいことなどを打ち明けました。

すると、小菅さんから相談があったことは父親に伏せて、月に一度、地域包括支援センターの職員が父の自宅を訪ね、そのときの様子を電話で知らせてくれたのだそう。

その後、実家に立ち寄った際に何げなく介護の話を切り出すことができたといいます。

小菅秀樹さん=LIFULL提供
小菅秀樹さん=LIFULL提供

すべて丸投げはやめて

小菅さんは「やっぱり家族だけだと感情的になってしまうこともありますよね」と慮ります。
「第三者に介入してもらい、『介護サービスを受けることも視野に入れた方が良い』とか、『家族に連絡がいく場合もある』といったことを織り交ぜてファシリテーションしてもらうのも一つの手立てです」
「親子だけでなく、家族きょうだいの不仲や、意見が割れて介護方針が決まらないということもよくあり、そこを調整するのが専門職の役割の一つでもあります」と話します。

一方、相談を受ける立場だったときを振り返り、「不仲だからといって、すべてを丸投げしないでほしい」とも指摘します。

事故や入院、緊急時の意思決定など、家族とすぐに連絡がとれなかったら施設側は困ってしまいます。「介護では、要所要所で家族の役割が発生します。そのときはしっかりと協力してほしい。そうすることで、本人も安心して過ごすことができます」

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