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「東大王」と歩んだ伊沢拓司さん テレビとYouTubeの違いは?

「地上波で輝き続けている、アイツ」

クイズ王・伊沢拓司さん
クイズ王・伊沢拓司さん

目次

YouTubeやテレビ、書籍、イベントとマルチに活躍するクイズ王・伊沢拓司さん(29)。その名を世に広めた一つにクイズ番組「東大王」(TBS系)があります。番組開始と同じ頃に編集長として立ち上げたWebメディア「QuizKnock」は、7周年を迎えさらにサービスを拡大しています。「東大王」と「QuizKnock」、変化してきたそれぞれの立ち位置とは。(インタビュー全3回の3回目)

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「東大王」と共に歩んできた

ーークイズ番組「東大王」(2017年にレギュラー化された、東大生を主役としたクイズ番組)の影響で「QuizKnock」を知った人も多かったのではないでしょうか?

伊沢拓司さん(以下、伊沢):間違いなくありますね。最初は特に。QuizKnockは小さな存在でしたが、「東大王」は全国放送の大きな存在。ヒットコンテンツになるのが早かったので、「『東大王』見てるよ。QuizKnock〝も〟見てるよ」という人が多かったと思います。

もちろん今もそういう人はいますが、QuizKnockのYouTubeから「東大王」を知った人も多くて、「テレビの伊沢を見るとQuizKnockのときと違いすぎて不安になる」と言われることもありますね(笑)。それぞれコンテンツとしての性質が違うので、違うアプローチをしています。

最近では、「アイ・アム・冒険少年」(TBS系のバラエティ番組)で知ってくれる方も結構いますし、「今夜はナゾトレ」(フジテレビ系のクイズ番組)でふくら(QuizKnockのメンバー・ふくらP)を見て知ったという人もいて、間口は広がっています。

少なくともQuizKnockを知ってもらうきっかけとしてテレビの存在は大きいですね。特にYouTubeをやる上では知名度は大事だと感じます。知っている人が1人でも出ていたら視聴者はだいぶ入って来やすいと思うので。コンテンツを選ぶ理由ってそういう些細なことだったりしますから。

営業する上でも知名度はすごく大事です。企業とのタイアップコンテンツが僕たちのビジネスモデルの大事な部分を占めていますが、知っている存在がいるだけで企画が通るという効果もあります。「東大王」と共にやってきたブランディングはすごく効果がありました。

だから、勝手に一緒に歩んできた感じがしていますね。僕も「東大王」自体にどっぷりつかっているので、実際一緒に歩んでもいるわけですけど。
 

「東大王」の存在は、昔と今で違う

ーー「東大王」の存在は変わってきていますか?

伊沢:昔の「東大王」は、伊沢を、ひいてはQuizKnockを引っ張ってくれた存在だと言えます。今は「地上波で輝き続けている、アイツ」というのがQuizKnockから見た視線かなと思います。

「東大王」は、今まで「いけ好かない敵役」だった東大生やクイズ王を「味方」にしました。

クイズ王に解答経路をしゃべらせることによってクイズを解き明かし、視聴者に「これなら自分にもできるんじゃないか」「できないにしても解答過程がおもしろい」とブレイクダウンさせたことに番組の価値がすごくあるわけです。その行為自体が、もう今やだいぶ浸透してきました。

「東大王」には僕が唯一初期から出ている人間ですけど、7年も続く番組になってありがたい一方、やっぱりマンネリ化もあるわけで、そこは僕自身もレベルアップしていいものを見せていく責任があります。

ブレイクダウンした先で、何を見せられるか。それはQuizKnockでの実戦にも必要な観点であり、東大王でプレーを見せるときにも頭の中にあるポイントです。バラエティとしてそもそもおもしろくしよう、みたいなチャレンジもしつつ、プレーでもっと魅せられるようになりたい。

QuizKnockとしては「東大王」にずっとお世話になっていますが、お互いにめざすところは別で、棲み分けがあり、僕自身のアプローチも異なります。

YouTubeとテレビの間に明確な差があるかと言われると、そもそも作り方も見ている人も違うから比較するのも違うかな、という部分もあり。

それぞれ、コンテンツを作っているたくさんのスタッフがいますから、それぞれがプライドをもって取り組めているのならそれがすばらしいことなのかなと思います。もちろん僕もその一員です。

どちらも末永く続いてほしい。続いているということはそれだけでもう大きな価値ですから、「東大王」は僕の個人ワークとして力を入れるし、QuizKnockと共に肩を並べて頑張っていこうぜ、と思っています。
 

「学び」の領域や「楽しい」の手段を広げる

ーー活動の幅を広げているQuizKnockですが、8年目のビジョンは?

伊沢:基本はコンセプトの「楽しいから始まる学び」を広げていくことです。「学び」の指す領域や、「楽しい」の手段を広げる。QuizKnockのコンテンツが届くところを増やす。

「学びの領域を広げる」というのは12月に始めたフォロワークラブ「QuizKnock schole(クイズノック スコレー)」が特にわかりやすい形かなと思います。「楽しい」の手段というのは動画、Webメディア、アプリ、イベント、その他諸々。それらをどんどん増やしていくことによって、結果的に「楽しいから始まる学び」が届く人を増やす、届く深さを増やす。いろんな学びを届けられる組織として、とまることなく邁進したいなと思います。
 
<伊沢拓司さん>
1994年生まれ。東京大学経済学部卒業。『高校生クイズ』で史上初の個人2連覇を達成。2016年に東大発の知識集団・QuizKnockを立ち上げ、現在YouTubeチャンネルは登録者数210万人を突破。2019年に株式会社QuizKnockを設立し、CEOに就任。『東大王』『冒険少年』などのテレビ番組にレギュラー出演するほか、全国の学校を無償で訪問するプロジェクト「QK GO」を行うなど、幅広く活動中。
 
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