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#137 #父親のモヤモヤ

家庭と仕事、両立で「ヘトヘト」 悩む父親へ、視野を広げて考える

父親は育児のネットワークを作りにくい?

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画像はイメージです 出典: Getty Images

目次

#父親のモヤモヤ
※クリックすると特集ページ(朝日新聞デジタル)に移ります。

 

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働きながら積極的に子育てをする父親たちには、どんな悩みがあるのでしょうか? 朝日新聞ポッドキャストには、多くのリスナーから「働くと子育て」について意見が届きました。男性育児のコミュニティ「パパ育コミュ」を運営するシカゴリラさん(38)と一緒に考えました。(聞き手:神田大介)

<シカゴリラさん:1984年生まれ。7歳、3歳、1歳の3児の父。金融系の会社員で、現在は育休中。2020年6月から男性育児に関するコミュニティ「パパ育コミュ」を運営している>

女性が感じてきた難しさもある

神田:「働くと子育て」について、朝日新聞ポッドキャストのリスナーさんからご意見を募集しました。

<40代の男性です。男性として育児・家事をしていて、共働きのつれあいと同じか、それ以上にやるということを目標にしてやってきました。結果としては、かなりの部分を行ってきたと思います。

ただ、だんだん悩むようになってきたことがあります。子どもが仲の良い子どもと週末に遊びたいなんていうことになったとしても、その親と関係が築けていないと、家に行ったり待ち合わせたりがなかなかできません。

自分が男性でなければもっとネットワークを作ることができていたのかなあと、モヤモヤを感じることも多いです>


シカゴリラさんは親のネットワークづくりに難しさを感じることはありますか?

シカゴリラさん:私もすごく感じています。参加している親の9割がママさんみたいな場に行くと、子どもつながりでママさんと少ししゃべれるようになるんですが、例えばそこからLINEグループに入ったり、みんなで遊びに行ったりとはつながりにくいですね。

先日娘の水泳の大会があって私が連れて行ったのですが、パパは私1人だけで、娘に「なんでうちだけパパなの」と言われてしまいました。

ただ、個人的に考えるのは、女性は会社で出世したいと思っても、男性コミュニティで大変な思いをしています。パパも家庭進出しようと思うと、女性コミュニティなので大変さはあるなと。過渡期なので仕方ない部分はありますが、パパもコツをつかめると上手にコミュニケーションを取れるようになるのではないでしょうか。

神田:いわゆる会社組織で女性が感じてきたコミュニケーションの難しさを、子育ての世界では男性が感じているということですね。いかに会社組織などで男性が優位になっていることがやりづらいか、実体験として感じられるのは重要かもしれませんね。
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画像はイメージです 出典: Getty Images

育休後に閉塞感

神田:30代男性の方からのご意見です。

<共働きで4歳の娘を育てている父親です。毎日(妻と)交代で子どもの世話をするので、一般的な残業時間をこなすだけでもヘトヘトになっています。

男性の参加というと育休が話題になりがちですが、実際の子育ては育休後の時間が長く、仕事との両立に悩むことも増えると思います。

今の社会では無理をして体力勝負をするか、いわゆるマミートラック(編集部注:出産を機にキャリアアップのルートから外れること)に乗るか、2択しかないように感じ、閉塞感を覚えています>


この閉塞感は、どうやって打破したらいいのでしょうか。

シカゴリラさん:本当に難しいですよね。選択肢をもう少し広く持つといいんじゃないかなと思います。キャリアを仕事だけのものと捉えず、人生という広いもので捉えたとき、もう少し違った見え方をするのではないかなと。

人間はどうしたら幸せになれるのかを常々思っています。本当にいろんな働き方がありますし、いろんな生き方があります。多様な時間が許容される社会になると、もう少しみんなが生きやすくなるのではないでしょうか。
 
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画像はイメージです 出典: Getty Images

【編集部から】あなたのモヤモヤ、お寄せください

多様な働き方、生き方が認められることで開ける世界がある。とはいえ、周りの意識を変えるのはなかなか難しいケースも多々あります。その場合は、自身の選択肢を広く考えるというのがシカゴリラさんの視点です。

そもそも、日本の「働きすぎ」を指摘する研究者もいます。家庭と仕事を両立しながらキャリアを築くことは、まだまだ誰もができることではありません。

<――仕事中心だった竹端さん(編集部注:兵庫県立大学環境人間学部准教授の竹端寛さん)が、お子さんがお生まれになって、家庭中心にシフトされるわけですが、その様子をご著書では「戦線離脱」と表現されています。

竹端:「24時間戦えますか」をやっていたら、子育てなんてできっこないわけですよ。夜泣きしたり、うんちやおしっこをしたり、ずっと赤ちゃんから目が離せません。出張はできるはずがないし、ましてや飲み会なんか行けるはずがないし。>

<昭和の働き方というのは、役に立つんだ、歯を食いしばって頑張れ、みたいな発想でやってきたわけですけれども、(バブル崩壊後の)「失われた30年」というのは、「24時間戦えますか」に代わる価値観を取り戻せなかった、そんな30年ちゃうかなと思うんです。>

※いずれも「妻に夫がアドバイス…ではなくて 〝昭和的〟な夫婦関係を見直すとき」兵庫県立大学環境人間学部准教授・竹端寛さんへのインタビューより
https://withnews.jp/article/f0221128000qq000000000000000W0cd10101qq000025291A

働きながら子育てをしたい、キャリアも追求したい……そんなさまざまな希望をかなえるために、社会が変わらなければならないこと、個人でできることは何があるのでしょうか。

記事の感想や体験談を募ります。いずれも連絡先を明記のうえ、メール(dkh@asahi.com)で、朝日新聞「父親のモヤモヤ」係へお寄せください。
 

※シカゴリラさんのお話は、朝日新聞ポッドキャストでもお聞きいただけます。

 

共働き世帯が増え、家事や育児を分かち合うようになり、「父親」もまた、モヤモヤすることがあります。それらを語り、変えようとすることは、誰にとっても生きやすい社会づくりにつながると思い、この企画は始まりました。あなたのモヤモヤ、聞かせてください。
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