連載
#28 特別じゃない日
大好きな芋ようかんを禁じられたおじいさん がっかりする姿に孫は…
「特別じゃない日」をテーマにした単行本が発売された漫画家・稲空穂さん。ツイッターで発表して注目を集めた漫画「ひとつだけよ」に込めた思いを聞きました。
スーパーマーケットで孫たちにお菓子をねだられ「ひとつだけよ」と言ってかごに入れるおばあさん。
ふとかごを見ると、孫たちがねだるには渋い「芋ようかん」が…。
血糖値が高く医者から甘いものを止められているおじいさんが、こっそりかごに入れたのですが、おばあさんに見つかって𠮟られてしまいます。
家に帰って、おじいさんは孫たちから「ひとつだけだよ」とお菓子を分けてもらったのでした。
子どもの頃、祖母の買い物について行っては「これいい?」とかごの中に好きなお菓子を入れていました。
そのたびに「こっちはいらんの?」と別のお菓子も入れてくれた祖母の笑顔は忘れられません。
そんな孫に甘い祖母ですが、祖父の健康に気を使いつつ、祖父の好きなアイスやビールを1日1回許してしまうあたり、祖父にも甘いんだなと思います。
◇
〈稲空穂=いな・そらほ〉 静岡県出身・在住の漫画家。会社員を経て2017年に「おとぎ話バトルロワイヤル」(KADOKAWA)でデビューし、「特別じゃない日」で日常をテーマにした作品に挑戦中。老夫婦や女子高校生、主婦、バイトの青年……それぞれの小さな幸せがつながっていく物語を描いていて、実業之日本社から第1集が書籍化され、7月に第2集「特別じゃない日 猫とご近所さん」が発売された。Twitterアカウントは@ina_nanana
withnewsでは原則隔週水曜日に、稲さんの漫画とともに作品に込めたメッセージについてのコラムを配信しています。
1/7枚