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こんな子ども服「アルトタスカル」 常識を覆す「ぜんぶおもて」な服

「正解はありません。いろいろな切り口があっていいのでは」

前後裏表どちらから着てもいい「ぜんぶおもて」のタグは両面にあります
前後裏表どちらから着てもいい「ぜんぶおもて」のタグは両面にあります 出典: チルドレン通信提供

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こんな子ども服があると助かるーー。そんな親の声を形にしたブランド「アルトタスカル」。前後裏表どちらから着てもいい服や、めくれずおなかが出ない肌着などを製造販売しています。これまでの常識を覆すような服はどのような思いで生まれたのか。製造元の思いを聞きました。

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ブランドの背景に「課題感」

「アルトタスカル」は、アパレル企業のチルドレン通信(大阪府箕面市)がインターネット通販で展開する子ども服ブランドで、2021年にスタートしました。

前後裏表どちらから着てもいいTシャツやズボン「ぜんぶおもて」、めくれずおなかが出ない長めの肌着「おなかでぬ」、夜道で光に反射するジャケット「ひかるふく」などアイデア豊かな商品がそろいます。

前後裏表どちらから着てもいい「ぜんぶおもて」のサルエルパンツ
前後裏表どちらから着てもいい「ぜんぶおもて」のサルエルパンツ 出典:チルドレン通信提供

また、2500g未満で生まれた低出生体重児向けの「ちいさなふく」や、医療的ケアが必要な子どもへ向けた「おしゃれバリアフリー」も開発し、SNSを中心に口コミが広がってきました。

2500g未満で生まれた低出生体重児向けの「ちいさなふく」
2500g未満で生まれた低出生体重児向けの「ちいさなふく」 出典:チルドレン通信提供

代表取締役の参鍋開人さんは、「デザインで勝負するのではなく、親御さんやお子さんの困りごとや悩みを解決する機能を前面に出してブランド『アルトタスカル』を立ち上げ、差別化を狙いました」と話します。

「売り上げは伸びていましたが、『チルドレン通信』という会社名や扱っている商品の認知度は高くありませんでした。ネット通販を拡大させていくためには、お店としてファンを獲得しなければという課題感がありました」

ブランド名へのこだわり

方向性が決まった後、「アルトタスカル」のブランド名が固まるまでは数カ月かかりました。

「候補に『フタンヘラス』という名前もありましたが、『フタン』はネガティブな印象も伝わるので、より前向きに、でも意味合いが伝わるように考え直して『アルトタスカル』になりました」

イントネーションは「ヘクトパスカル」と同じです。

「アルトタスカル」のロゴ
「アルトタスカル」のロゴ 出典:チルドレン通信提供

ブランドにかかわるのは子育て中のメンバーがほとんど。育児の悩みを解決する商品があまり世の中にないと感じていて、問題意識も高まったそうです。

チーム内で出た案をもとにSNSでアンケートを採り、子育て世代のニーズも調査しました。

販売している商品のなかで、特に反響が大きいのは「ひかるふく」と「ぜんぶおもて」だといいます。

「ひかるふく」は、車のライトを反射する素材で夜道でも安全性が高く、大人用もほしいという声を聞くそうです。

ライトに反射する「ひかるふく」
ライトに反射する「ひかるふく」 出典:チルドレン通信提供

「ぜんぶおもて」は前後や裏表がなく、どこから着てもいいので洗濯後に裏表を気にしなくて大丈夫。子どもが前後ろを間違えて着替え直す必要もありません。

もともと「どっちもおもて」という裏表がない服で展開していましたが、「前後ろもない服がほしい」というリクエストを受け、「ぜんぶおもて」が生まれました。

意見はくるが「正解はない」

一方で、斬新な子ども服へは「大人は前後ろがある服ばかりだから、子どもが覚えられるようにしたほうがいい」「この服に慣れるとよくないのでは?」といった意見も届くといいます。

参鍋さんは、「それもおっしゃる通りですが、実際、朝時間がないときに子どもが前後ろを間違ってストレスに思う親御さんもいます。正解はありません。いろいろな切り口があっていいのではないかと思います」。

また、「すべてのお子さんに喜んでもらう服を作って届けるのが私たちの役割」という参鍋さん。

〝ニッチなニーズ〟に応えていくためにも、引き続きブランドを成長させていきたいと話しています。

「一人でも多くの方にブランドを知っていただき、『あると助かる』と喜んでもらえるようにしていきたいです」

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