連載
#2 火事に遭ったら?
増えている火災とは? コード劣化・コンセントのほこりも要チェック
9日から秋の火災予防運動

きょう9日から15日までは、秋の火災予防運動の期間です。空気が乾燥し、火災にも気をつけたい季節がやってきます。東京消防庁に、注意するべきポイントを聞きました。火の気のないところから出火する「電気製品による火災」も要注意なのだそうです。
昨年の火災15分に1件
消防庁の消防統計(火災統計)によると、2021年に国内で起きた火災は3万5222件でした。1日あたり96件、15分に1件の火災が起きたという計算になります。
最も多かったのが建物火災で1万9549件(うち住宅火災が1万936件)、次いで車両火災3512件、林野火災1227件と続きます(その他火災は1万871件)。
普段からなかなか自分事としては考えにくい火災ですが、火事に遭った人の多くが「まさか自分が」と思うそうです。
2021年には火災で1417人が亡くなりましたが、そのうち住宅火災で亡くなったのは1058人でした。
建物火災の原因では、「こんろ」が2617 件で13.4%、「たばこ」が1721件で8.8%、「電気機器」が1413 件で7.2%、「配線器具」が1187 件で6.1%、「放火」が1072件で5.5%でした。
すべての火災の月別の件数をみると、2月が最も多く11.8%、4月の11.1%、1月の10.4%と続きます。
コンセントを定期的に掃除
東京消防庁によると、ことし上半期で、火災による死者は59人。前年同期と比べて14人増えているといいます。
火災の原因は、たばこ318件、放火(疑い含む)300件、ガステーブル等172件、電気ストーブ59件、コンセント47件となっています。
寝たばこをしない、こんろの周りに燃えやすいものを置かない、外出・就寝時にストーブをつけっぱなしにしない……といった基本的な火災予防策はもちろん、気をつけたいのが電気製品による火災です。

東京消防庁によると、電気製品が原因となっている「電気火災」の割合が、ここ数年で増えています。過去5年間に死者が出た「電気コード火災等」では、出火原因の多くは「コード」だったそうです。
火災に至った理由では、「電線が短絡(ショート)する」「金属の接触部が過熱する」「トラッキング(コンセントの隙間についたほこりなどがスパークして出火すること)」の順に多く発生しているといいます。
家電や家具に踏まれて折れ曲がった状態で使用したり、長年の使用で経年劣化したりで、短絡や半断線が発生して火災が起きてしまうケースがあるのだそうです。

東京消防庁の担当者は、下記の点に注意してほしいと呼びかけます。
・プラグ、コンセントは定期的に掃除する
・コードの家具などの下敷き、折れ曲がりに注意する
・コードを引っ張ってプラグを抜かない
・電源タップは決められた容量内で使用する
・コードを束ねて使用しない
東京消防庁では、住宅用火災警報器の設置や、適切に作動するかといった点検、センサーのお手入れなども呼びかけています。
消火器の場所、使い方も知っておく
地域の防災イベントなどに参加し、消火器の場所や使い方を知っておくこと、住宅用の小型の消火器を備えておくことも有効といいます。
耳が不自由といった理由で電話での119番通報が難しい人は、「緊急ネット通報」の手段もあります。事前に登録(https://www.tfd.metro.tokyo.lg.jp/lfe/topics/mail_sys/)しておく必要があります。