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誹謗中傷はプライベートのせい?「慈悲深い」ライオンの4コマが話題
「それはさぞかし辛かったろう」からのまさかの展開

檻の中のライオンに「バーカ」 しかし事態は一変し……
「すみません さっきのは本心でなくて」「プライベートで辛いことがあったものでつい…」
それまで人間の言葉を黙って聞いていたライオンでしたが、人間たちが語る「理由」の意を汲み、まっすぐ見つめてこう言います。
「プライベートで… それはさぞかし辛かったろう 我が牙で楽になるがよい」
慈悲
— ネコロス (@youyakuya) September 15, 2022
(四コマ) pic.twitter.com/sDmLWqCvq6
「消化しきれなかった違和感」を漫画に
SNSを嗜む身として、もともと誹謗中傷については考えるテーマでした。
根本にあるのは、それぞれの中の正義だと思ってましたが、法の下に晒されたときに「プライベートで大変なことがあってつい……」という釈明が少なからずあることを知って、自分の中で消化しきれなかった違和感を漫画にしました。
「プライベートの問題があってやったんですごめんなさい→そんなの関係ないです」
これって正論と思いますが、逆に「そうなんだね。かわいそう。大変だったね」という反応があったらどうなるかな?という着想で生まれたのかこのオチです。
技法的には、いかにして「表情の読みにくい不気味さ」でライオンを描くか、意識しましたね。
過去には自身への攻撃の経験も…
やはり私みたいに風刺漫画も描いていると、なにがしか言われることがあります。作品に関して言われるのはまだよいのですが、私個人への人格攻撃も受けたことがあります。まぁ個人的には「読まなきゃいいのに、コメントまでご苦労なこって」と思いますが、暇なんでしょうねぇ。
プライベートな事情を理由にした弁明ですが、言われた側にすればそんなの預かり知らぬことですよね。仮に会社で酷いハラスメントを受けていたとしても、誰かにぶつけていいわけでもないですからね。よくよく自分を客観視してほしいなと思います。
これ、ちょっとむずかしいところもあって、もちろん誹謗中傷していいわけではないのですが、ライオンのように力をもっている人間はその言動に責任をもってほしいという思いもあります。つねに炎上するような発言をしていれば、それなり弾は飛んで来ますからね。逆に檻に入っていてほしいライオンもいるかもしれません。
ともあれ、人なのでいきすぎた発言をすることはあると思います。そんなときに諌めてくれるような繋がりがあればいいなと思いますね。
加害者の特定しやすく、改正法が施行
また、著名人をはじめとした被害者が、開示請求をおこなったことを積極的に発信するようになり、「訴えられるかもしれない」と思った人が過去の発言について謝罪するケースも見受けられます。こうしたなかで、作中にあるような理由が挙げられることが少なくないようです。
今回の漫画では、圧倒的な力を持つライオンによるコミカルなオチを迎えました。これが人間同士に置き換わったとき、もしもみなさんが被害者/加害者の立場になったとき、どう感じるでしょうか。ネコロスさんは取材の最後、読者に伝えたいこととして「今回の漫画で、誹謗中傷について考えるきっかけになれば幸いです!」と締めくくっています。