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5点の自分でも愛していこう 「ゲイと女の5点ラジオ」を始めた理由

「ネオおばさん」っていったい?

多くのリスナーに愛されている「ゲイと女の5点ラジオ」。ことし3月に発表された「第3回JAPAN PODCAST AWARDS」でベストパーソナリティ賞を受賞しました
多くのリスナーに愛されている「ゲイと女の5点ラジオ」。ことし3月に発表された「第3回JAPAN PODCAST AWARDS」でベストパーソナリティ賞を受賞しました 出典: 「ゲイと女の5点ラジオ」提供

目次

5点の自分でも愛していこう――。そう呼びかけるポッドキャスト番組「ゲイと女の5点ラジオ」を知っていますか? ことし発表された「第3回JAPAN PODCAST AWARDS」でベストパーソナリティ賞に輝きました。霊感商法やボディポジティブといった、ややもすると重くなりがちな〝社会派〟の話題も、軽快なトークで伝える「5点ラジオ」の魅力を紹介します。(withnews編集部・水野梓)

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<ゲイと女の5点ラジオ>  ゲイのしょうちゃん(ショー・ウー・チャン)さん(以下しょうちゃん)と、「女」のヴァジャさんがパーソナリティを務めるポッドキャスト番組。SpotifyやApplePodcastといった各種ポッドキャストサービスで視聴できる。月曜・木曜に更新。サイトや配信リンクはこちらhttps://linktr.ee/neoobasan5
 

「5点の私たちなのでご容赦ください」

「生きること、おつかれさまです」

「若くもないけどおばさんでもない。そんな『ネオおばさん』の私たちが自意識をこじらせながら偏見と妄想を話す番組です。5点の私たちなのでご容赦ください

「ご容赦ください」

そんな二人の呼びかけから始まるポッドキャスト「ゲイと女の5点ラジオ」。

ポッドキャストを始めようと思ったきっかけは、コロナの流行まっただ中の2年ほど前のことでした。

「ゲイと女の5点ラジオ」のアイコン
「ゲイと女の5点ラジオ」のアイコン 出典: ゲイと女の5点ラジオ提供

当時、しょうちゃんは都内のゲイバーで働いていて、ヴァジャさんはそのお店のお客さんでした。

しかし緊急事態宣言でバーは休みに。しょうちゃんは「ほんとに暇で暇で。ヴァジャさんと長電話してたんですよね」と振り返ります。

ヴァジャさんは「その時の自分たちの話が面白くって、『これこのまま配信したらいいんじゃない?』って盛り上がって。それからポッドキャスト配信が始まりました」と笑います。

「ネオおばさん」がゆるやかにつながる

そんな「なりゆき」から2021年春ごろから配信が始まった「ゲイと女の5点ラジオ」。タイトルの由来は「(100点満点中)5点の私でも愛していこう」という思いからだったそうです。

ヴァジャさんは「私もそうですが、結婚していない、子どもがいない30代以降の女性って、『妻』『母』といった肩書きがないんですよ。お姉さんにも、おばさんにもなんとなく抵抗がある……そんな人たちを『ネオおばさん』って名付けたんです」と話します。

しょうちゃんも「ゲイのわたしも『父』や『夫』という肩書きがないんですよね。そんなネオおばさんが集える場所ができたらいいなって思いました」と話します。
5点ラジオのファンたちは、ツイッターでハッシュタグ「#5点フレンズ」をつけてツイートしてつながり、ゆるやかなコミュニティが作られています。

しょうちゃんは「5点ラジオが皆さんをつなげられればいいなと思います。目指すはGAFAみたいなプラットフォームですかね」と笑います。
 

ポッドキャストにも夢がないと

これまで週2回の配信を欠かさず続けてきたふたり。仕事をしながら配信を続けるモチベーションは何だったのでしょうか。

ヴァジャさんは「『100回配信までにバーキンを買う』が目標だったんです」と話します。

しかし再生回数に応じて広告が再生され、広告収入が入ってくるYouTubeと違い、ポッドキャストは収益化が難しい面があります。

5点ラジオも初めて企業からプロモーションの依頼があったのは今年6月でした。

しょうちゃんは「再生回数が多いんだからお金が入ってるでしょ、って勘違いしている人は多いんですよね」と話します。

そのため、5点ラジオでは5月からオフィシャルサイト「ゲイと女の5点倶楽部(https://5tenradio.myshopify.com/)」をスタートさせました。
出典:ゲイと女の5点倶楽部のサイトより
有料ポッドキャスト番組を配信したり、グッズをつくったり、ファンが集うイベントを開催したりしています。

ヴァジャさんは「『お金お金』と言い過ぎ、ともいわれます。でも、YouTuberになりたい人が増えているのって、それで稼げるし夢があるからですよね。『ポッドキャストはまったく稼げませんよ』というのはダメだと思うんです」と指摘します。

社会派の側面ものぞく5点ラジオ

筆者が5点ラジオを知ったのは、ポッドキャスターさんとコラボする朝日新聞ポッドキャスト(朝ポキ)の企画「クロス」に、お二人が登場してくれたからです。

聞き始めると、世間のモヤモヤをバサバサとぶった切るヴァジャさん、優しい目線でアドバイスするしょうちゃん、そんなふたりの笑うタイミングでは思わず一緒に笑ってしまいます。

何より、リスナーを飽きさせない番組構成に脱帽しました。あっという間に5点ラジオの沼へ……。

「〝既読スルー〟の真実を考える」「通販番組の言い回し」「妄想結婚式」、どこでこの話芸を磨いたの? と驚かされっぱなしです。

聞きながらニヤニヤしてしまうので電車の中で聞くのは要注意の〝5点〟トークですが、実は随所に〝社会派〟の一面ものぞきます。

霊感商法にハマった経験があるヴァジャさんは、「しくじりヴァジャ先生」と名づけたタイトルの配信回で、自身の経験をもとに「だまされないで!」と啓発します。

摂食障害気味になってしまったリスナーさんからのお手紙に答えた回では、ヴァジャさんは「体重じゃなくて、肌のハリとか髪のツヤはどうかな?と見てみたらどうですか」と、視点をずらすアドバイス。

しょうちゃんは「『ボディポジティブ』の考え方が負担になるなら、自分の体型を愛せないということも受け入れる『ボディニュートラル』の方がいいんじゃないかな」と〝世間の呪いからラクになる方法〟をスッと差し込んできます。

体型にコンプレックスがあり、摂食障害に悩む人の話を聞いてきた筆者としても共感ばかりでした。

大切な情報を届けるハードルを、グッと下げている5点ラジオ。ややもすればニュースを堅苦しく届けてしまいがちな筆者も「これって記者も見習う姿勢では……」と学んでいます。

末永く続けてほしい

ふたりは「お金が入ると使っちゃうのでなかなか達成できなさそうですが、バーキンを買えるまではやります」と笑います。

5点フレンズの筆者としては、たとえマンションが買えたとしても末永~~~く続けてほしいと願っています。

そんなお二人が、9月23日に朝日新聞ポッドキャストが開く無料イベント「PODCAST MEETING 2022」に参加してくれます。
応募多数の場合は抽選、申し込みの締め切りは9日4日です。

「ゲイと女の5点ラジオ」のほかにも、理系ポッドキャスト「いんよう!」のよう先生や、「佐々木亮の宇宙ばなし」の佐々木さん、ポッドキャストプロデューサーKONさんの参加も決定しています。

申し込みはこちらから。
https://que.digital.asahi.com/question/11008792

ぜひご来場お待ちしています。

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