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連載

#1 プレ親の質問箱

#さっき妊娠わかった 妊娠中にうっかり湿布を…妊婦はNGな種類も

読者の方から「妊娠中の湿布の使用」について取材リクエストを頂きました。※画像はイメージ
読者の方から「妊娠中の湿布の使用」について取材リクエストを頂きました。※画像はイメージ 出典: Getty Images

目次

取材リクエスト内容

足を挫いてしまい、湿布を貼ってから、箱に「妊婦はNG」と書いてあることに気がつきました。すぐに剥がしたのですが、心配です。妊婦はなぜNGなのか、知りたいです。 プレママ

記者がお答えします!

「妊娠中の湿布の使用」について取材リクエストを頂きました。妊婦さんは使っていい薬・使ってはいけない薬とどう向き合えばいいのでしょうか。今回は湿布薬(鎮痛用)について回答します。(朝日新聞デジタル機動報道部・朽木誠一郎)
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【連載】プレ親の質問箱 #さっき妊娠わかった

初めて経験する妊娠・出産。わからないことばかりでネットを検索すると、そこにはやたらと恐怖心を煽ったり、ホントかウソかわからなかったりする情報が––そんな“プレ親”のみなさんから頂いた取材リクエストに、専門家や専門機関を取材して回答します。

専門医「種類に注意が必要」

妊娠中にはさまざまな注意点がありますが、市販薬の使い方は意外な盲点です。以前は必要があれば気にせず使っていた薬が、実は妊婦さんにはNGであるということはよく起こります。

その一つが「湿布薬(鎮痛用)」です。 産婦人科専門医の太田寛さんを取材しました。

太田さんは「鎮痛用の湿布薬は種類により注意が必要」とします。 湿布薬に限らず、いわゆる「痛み止め(鎮痛剤)」には大きく分けて「非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)​​」とそれ以外があります。

そして、NSAIDsの薬は、妊娠中、特に後期(妊娠28週以降)に大量に使用すると、赤ちゃんに悪い影響を与える可能性があることがわかっています。

「これは、胎児動脈管収縮という現象が起こり、本来であれば出産後に閉じるはずの赤ちゃんの動脈が、出産前に閉じてしまうことによります。重い例では胎児の心不全、死亡、生まれた後の肺高血圧症など​​のリスクがあります。湿布に含まれる程度の少量で問題になることは少ないとは思いますが、ぜひ覚えておいてください」

NSAIDsに該当する成分は、ロキソプロフェン、ケトプロフェン、インドメタシン、フェルビナク、ジクロフェナクなど。さまざまな名前で市販薬として販売されているので、箱などに記載されている成分名をチェックしましょう。

貼ってしまったらすぐ剥がす

「こうした知識がないまま湿布薬を使ってしまうケースもしばしばある」と太田さん。もしNSAIDsの湿布薬を貼ってしまっていたら、どうすればいいのでしょうか。

「実際には湿布薬を『一度うっかり貼ってしまった』くらいで重い症状が赤ちゃんに起きることは考えにくいです。気づいたら剥がし、以降は使用しないようにしてもらえれば大丈夫でしょう」

一方、妊婦が使用しても比較的安全とされているのが、飲み薬であればアセトアミノフェンという成分、湿布薬であればサリチル酸メチルという成分です。こちらも同様に成分名をチェックしてみてください。

「ただし、これらもいくらでも使用していいというわけではありません。また、体の痛みが何か別の病気の症状である可能性もあります。つらい症状が続く場合、自己判断での使用は一時的に留め、早めにかかりつけの医療機関に相談するようにお願いします」

妊婦さんが市販薬を使用するときは、これまで常用していたものでも一度、箱などに記載されている注意の文言を見直してみるのがよさそうです。

※本文中の記載を修正しました。(1月7日16:15)

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