1月23日(土)午後2時から、無料のオンラインイベント「父親の本音を取材して」が開かれます。「#父親のモヤモヤ」取材班が「仕事のと育児の両立をめぐる葛藤と課題」をテーマにお話します。
東京都港区立男女平等参画センター「リーブラ」主催。詳細・申し込みはコチラから。
減った通勤時間、家族のだんらんに
20年5月から月1回開いてきたオンラインオフ会。過去のオフ会にも参加したまさきさん(37)とマサムネさん(32)が、それぞれの1年を振り返りました。
5歳の第1子と3歳の第2子がいるまさきさんは、第2子が誕生した2018年に約1年4カ月の育休を取得。情報通信系の会社に勤め、2020年は「在宅勤務が基本になった」と言います。
まさきさんが紹介したのは、コロナ流行の前と後を比較した1日のスケジュール表でした。
変化があったのは、子どもを交えた家族で過ごす時間です。同じくフルタイムの妻も在宅勤務がメインになったため、それぞれ通勤にかかっていた時間で家事育児をこなすことができ、子どもと過ごす時間を増やすことができました。
「コロナが流行する前はお互い時間をずらして出社していました。奥さんは子どもが起きる前に家を出て、私が幼稚園と保育園に送ってから出社。夕方は奥さんが先に帰って子どものお迎えも。ワンオペにならないよう心がけていましたが、夫婦で話す時間があまりないこともありました」
「感染拡大後は在宅勤務をメインにすると会社にも宣言し、週4~5日は自宅で仕事をしています。電車通勤に1時間ぐらいかかっていたので、その時間を有効活用し、奥さんと子どもと一緒に過ごす時間にできています」

出産立ち会えず、外遊びも苦労
中学校教諭のマサムネさんは、第1子(2)の育休中に第2子を授かりましたが、出産時期がちょうどコロナの感染が拡大した昨年4月でした。
「出産のタイミングで緊急事態宣言が発令されて。妻の出産はもちろん、退院まで会うことができませんでした」
自粛制限下の生活では、「子どもの外遊び」に困ったと言います。「休日は出歩けない。平日に出歩こう、でも人混みはだめ。どこ行こうの繰り返しでした」。公共交通機関を避けるため、自家用車も所有しましたが、行く先々の公園などで遊具が撤去されたり、使用禁止になっていたりで、苦労したことを振り返りました。
移動に気を使ったという話は、まさきさんもうなずいていました。自家用車は持っていないまさきさんは「電車で移動するときは子どもに、『手すりは触らないで』と言っていました。カーシェアなどで車に乗ることもありましたが、その際は使う前に除菌シートで拭くなど、できる範囲の対策はしました」

妻と「気持ちのすり合わせ」
コロナ自体についても流行した当初、夫婦のとらえ方に差があったとマサムネさんは言います。
「私から見ると、妻は実態がよく分からないことによる恐れが先行している印象がありました。なので妻の気持ちも大事にしつつ、自分の考えも伝える『気持ちのすり合わせ』を何回もしましたね」
日頃から家事育児の方針などが違うときもそのままにせず、話し合いなどで気持ちを伝え合うというマサムネさん。「同じ空間で過ごすだけに、仲悪いと過ごしにくいじゃないですか」。コロナに関する認識のずれも今はだいぶ少なくなったそうです。
まさきさんは一斉休校を機に、小学校のICT化への関心が高まったと言います。教育方針については妻と意見が大きく分かれないよう、共通の本を読むなどしているというまさきさん。「来年に長男が小学校に入学するので、子どもが学習する環境をどう選ぶか考えていきたい」と話しました。
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父親のリアルな声、お寄せください

共働き世帯が増え、家事や育児を分かち合うようになり、「父親」もまた、モヤモヤすることがあります。それらを語り、変えようとすることは、誰にとっても生きやすい社会づくりにつながると思い、この企画は始まりました。あなたのモヤモヤ、聞かせてください。