MENU CLOSE

話題

産後の〝恨み〟は恐ろしい…ワンオペ育児、夫へのリアクションは激減

朝日新聞ポッドキャストに、30代の女性からおたよりが届きました

古くから「産後の恨みは一生」とも言われてきましたが…
古くから「産後の恨みは一生」とも言われてきましたが… 出典: Getty Images ※画像はイメージです

育児や家事の負担が妻に集中し、夫への愛情が冷める「産後クライシス」という言葉があります。古くから「産後の恨みは一生」とも言われてきました。みなさんにも経験はありますか?

【PR】幅広い「見えない」に対応 日常生活の不便を減らすために

朝日新聞ポッドキャスト「親モヤ」

【関連記事】
「産後クライシス」から10年 夫婦の形は変わり、新たな孤独感も

https://www.asahi.com/articles/ASS3Y3GB7S3FUTFL00Y.html

「夫婦を続けられない」妻の本音に仰天した夫 運命変えた週1回の…
https://www.asahi.com/articles/ASS3Y3GR6S36UTFL00T.html

10年で約15倍、取得率上昇の男性育休は問う「何歳までが育児か」
https://www.asahi.com/articles/ASTB730SZTB7UTFL00YM.html

産後の「恨み」は恐ろしい

2024年度、企業で働く男性の育児休業の取得率が40.5%になりました。この10年で約15倍になったそうです。

とはいえ、まだまだ育児は女性に偏りがち。30代の女性からはこんなお便りが寄せられました。

第2子の誕生を機に、夫が3カ月ほどの育休を取得しました。育休終了後に自然と感謝の気持ちが出て、手紙で夫にも伝えました。

ですが、それまでは第1子の産後の恨みが残っており、素直に頼ったり感謝したりということができませんでした。

  ◇  ◇  ◇

約3年前のことです。

夫も育休を取得するということで話をしていましたが、結局はかなわず。それを知らされたのは里帰りから帰る数日前でした。

両親との関係は良好でしたが、10年以上ブランクがあっての同居で気は遣います。両親は共に就業中で、里帰り中も日中はワンオペでした。気が張っていたのだと思います。

育児に当事者意識があると信じていた夫と、やっと同じ立場でスタートを切り、協力して育児ができる。日中のワンオペも少しの間負担が減り、もっと育児を楽しめる。

そう期待していたのを裏切られた絶望感を、ずっと癒やすことができず、夫を許せないがために頼ることもできなくなって、自分も苦しめていました。

夫を許し、ともに家事育児を回す。もしくは、こちらが主導権を握って自分のよいように整える。そんな切り替えができれば自分も家族も楽になるとわかっていました。

しかし、なぜしんどい思いをした自分が頑張らなくてはいけないのかと、被害者意識のようなものがずっと消えず、意地になってしまい、夫の発言へのリアクションは4割減のような状況が続いていました。

  ◇  ◇  ◇

第2子誕生後の手紙で、感謝と共に恨みも少し開示して、傷も少し癒えた感覚がありました。

もっと早く開示して自分を癒やすべきだったと思いつつ、私にはまろやかに伝えるための時間が必要であったようにも感じます。

手紙への返答として、夫から「感謝してもらってかえって申し訳ない」とLINEがあり、「当然だろ」と思ってしまうぐらいに恨みが残留しているのは正直なところで、産後の恨みは恐ろしいです。

産後の恨み、クライシスについて他の方の経験やお考えを伺えれば幸いです。

番組ではリスナーさんのおたよりをもとに、朝日新聞の記者3人が語り合いました。

気づかぬうちに、相手への不満がたまっていることもあります。もしかしたらもう、相手に「期待しない」「諦めている」と思われていることも……。

※2025年9月25日に収録しました

【朝ポキ・おたよりフォーム】
みなさんのご感想・ご意見など、お待ちしています!
https://bit.ly/asapoki_otayori

産後の〝感謝〟も一生

「夫はもっと育児してくれると思っていたのに」

今年出産した筆者の友人の言葉を思い出しました。夫と協力して育児をする予定だったのに、ふたを開けてみたら仕事が忙しくなり、帰ってくるのは赤ちゃんが寝たあと。

ミルクはもちろん、お風呂も、寝かしつけも、すべて友人が担っているようでした。深夜赤ちゃんが泣いたときも、夫を起こさないように気を遣いながら友人があやしているそうです。

思わず「ちゃんと大変さや不満伝えられてる!?」と言ってしまいましたが、友人は「初めは伝えてたけど、もう諦めた」。疲れた表情とともに、静かな決意が見えました。

  ◇  ◇  ◇

ポッドキャストで話した男性記者の1人は、2カ月の育休経験者です。「もともと『産後の恨みは一生』という話を聞いていたので、ここは120%でやろうと思っていた」と話していました。

「産後の恨みは一生だとしても、産後の感謝も一生だと思うんですよね。だから、この時期だけはできれば育休を取って、それが難しくても何かしら参画する姿勢を作っていかなくてはいけないと思います」

育休取得率は年々高くなっているとはいえ、企業によってはかなわないこともあります。ただ、休みは取れなくても、できることはあるはずです。

家事育児の負担がどちらかに偏りすぎないように、恨みではなく感謝が残るように、お互い伝えることは伝えながら過ごしていけるといいなぁと考えていました。

朝日新聞ポッドキャスト「親のモヤモヤ」では、子育てや親をテーマに語っています
朝日新聞ポッドキャスト「親のモヤモヤ」では、子育てや親をテーマに語っています 出典:朝日新聞ポッドキャスト

関連記事

PICKUP PR

PR記事

新着記事

CLOSE

Q 取材リクエストする

取材にご協力頂ける場合はメールアドレスをご記入ください
編集部からご連絡させていただくことがございます