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クマ被害、2割超は人が集まる場所かその周辺で発生 被害地図で調査
特に本州では「エサになるものがあれば12月も引き続き注意が必要です」
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特に本州では「エサになるものがあれば12月も引き続き注意が必要です」
クマによる死者数が過去最悪を記録し、人身被害も最悪ペースで増えている今年度。環境省によると、人の生活圏での被害の割合も例年より高かったそうです。
そこで「クマ被害マップ」のデータをもとに、人が集まっている場所やそのそばで、どのくらいの被害や目撃情報があったのか調べました。
調べたのは、自治体の公表情報などを基に朝日新聞がまとめた「クマ被害マップ」のデータです。
マップには、大まかな地点を含みはするものの、今年度にクマによる人身被害が起きた211地点のほか、クマが目撃されたり、フンや爪痕といった痕跡があったりした2万7738地点の位置が掲載されています。
さらに、人口密度が高い「人口集中地区」も確認できるようになっています。
この人口集中地区のなかで、どのくらいの人身被害があったのかを調べてみると、四つの地区内で8件の人身被害がおきていました。
最も多かったのは秋田県湯沢市で4件。秋田市で2件、盛岡市で1件、滋賀県長浜市で1件の被害がありました。
さらに、目撃情報なども含めると、人口集中地区のなかで計1070件の出没情報が報告されていました。
被害は人がたくさん集まっている場所のなかだけではなく、その周辺でも数多くおきていました。
人身被害がおきた場所と人口集中地区の距離を調べてみると、10キロ以内で起きた被害は95件。5キロ以内に条件を絞っても49件の被害報告があり、全ての人身被害のうちの2割ほどが、人がたくさん集まっている場所かその周辺でおきていた可能性があることが分かりました。
環境省によると、今年度のクマによる死亡事故数は11月20日時点で13件で過去最悪。人身被害の数も、過去最多だった2023年度とほぼ同じペースで増加しているそうです。
環境省野生生物課の担当者は「今年度は例年に比べ、人の生活圏での人身被害の割合が高いのが特徴だった。12月に入っても柿などのエサが残っていればクマが出没する可能性は残るので、特に本州では引き続き注意が必要です」と話しています。
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