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サザエさんじゃんけんに「謎現象」、28年戦い続けるマニアの作戦は?
さ~て、来週のサザエさんは?

1439回目にして始めての「5回連続同じ手」
話題となっているのは、6月7日の放送回。1991年に「じゃんけん」のコーナーが始まって以来、1439回目にして初めて、サザエさんが5回連続同じ手、「パー」を出したのです。未だかつてない現象に、サザエさんに注目しているツイッターアカウントたちは騒然。確率を計算しその珍しさを可視化する人や、こうした情勢の中で「視聴者にチョキ(ピース)を出して欲しいのかな」と考察をするアカウントも。
英ブランドウォッチ社のソーシャルメディア分析システムによると、「サザエさん」「じゃんけん」をいずれも含むツイートは毎週日曜は200~500件程度ですが、この日は1,000件以上となり、驚きの輪が広がっていきました。

「そして、『いくら何でも次は違う手だろう』と思っていました」
ところが高木さんの予想を裏切り、出たのは5回目の「パー」。一体何が起こっているのでしょうか。放送するフジテレビに聞きました。
フジテレビ「サザエさん次第なのでわかりません」
フジテレビは「新型コロナウイルス感染拡大の影響を受け、アニメの制作を継続することが困難」として、5月17日から「サザエさん」の新作の放送を休止し、再放送を行うことを発表しました。
同社の広報担当者によると、オープニングとサザエさんとのじゃんけんについては、本放送時のものとは独立した新たなものを放送しているそう。このため、再放送とはいえ「じゃんけんの『手』は同じかも知れませんし、違うかも知れません」。

しかしこうした状況で、史上初の現象が起こっているのは気になります。新型コロナウイルスによる影響を尋ねたところ、次のような回答がありました。
「『手』についてはサザエさんが出しているものなので、どうしてかはわかりませんが、新作の制作が難しくなったこととは直接関係ないと思います」
ちなみに次回の「6回連続」の可能性については、「サザエさん次第なのでわかりません」とのことでした。じゃんけんが話題になっていることについて、「いつも楽しんで観てくださってありがとうございます」とコメントしています。
研究する高木さん「変化の把握を優先」
不思議な現象は、実はじゃんけん以外にも起こっています。オープニング映像の終盤、登場人物が果物や野菜から出てくるシーンで、タマがサザエさんたちより先に登場する「フライングタマ」の頻度も高まっています。
「タマのフライング」も研究対象である「サザエさんじゃんけん研究所」の高木さんは、これらの現象について「再放送という制約の中で、スタッフが何とかして視聴者を驚かせたり楽しませたりしようという工夫だととらえています」。


28年以上研究を続け、ここにきて新たな変化を目にした高木さん。5回連続「パー」が出たときどう感じたのでしょうか。
「この時点で前例のない事態になったため、『明らかに方針が変わったので、変化後の傾向を解明したい』と考えました」

高木さんによると、これまでも短期間で出す手のパターンや傾向に変化が起こることはあったそう。しかし、すぐに元に戻る場合と変化したまま戻らない場合があり、「しばらくの間は従来通りの予想を続けて勝率がどのように変化するかによって、傾向の変化が元に戻るか戻らないかを見極める予定です」。
「すなわち、勝つことよりも傾向の変化を把握する方を優先する方針に変わります」
これまで通りの傾向に則ると、次回でサザエさんが出す手は「グー」または「チョキ」と高木さんは予想。このため、「負けない手」として高木さんは「グー」を出す予定です。その結果がわかる、きょう14日のサザエさんは? 最後まで見逃せません。