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「サザエさん」のオープニングで謎現象 あのシーンで「タマ」が…
50年の歴史あるアニメで突然……一体なにが?
休日の終わりを知らせる国民的アニメ「サザエさん」(フジテレビ)のオープニングで、ある不思議な現象が起こっているのをご存じですか。その主役はサザエさんやカツオ、ワカメではなく、サザエさん一家の愛猫「タマ」です。突然始まったある「サプライズ」が、ツイッターでも話題となっています。
私がこの事象を知ったのは、「サザエさん」の次回予告の後にある「じゃんけん」を27年間研究している、高木啓之さんを取材したときでした。「いつもと違う、ということが一瞬でわかりました」という高木さん。
「しかも、いつ起こるのかわかりません」
「サザエさん」のオープニングといえば、1974年1月から続く「旅」のアニメーション。サザエさんが日本各地へ旅に出て、それぞれの県の見どころを紹介しています。最初の旅先は石川県だったそうで、現在の「静岡県編」は昨年10月から始まり、冬バージョンが今年1月から放送されています。
しかし、そんなオープニング映像の終盤で、その現象は起こっています。サザエさんやカツオなどが野菜や果物(2019年3月時点ではりんご)の中から登場する、おなじみのあのシーンです。
通常、その右側の野菜や果物(同みかん)からは、サザエさんらが登場した後に、タマが登場して小さく踊っています。
ところが、「たまに」サザエさんらより先に、タマがみかんからひょっこり体を出し、サザエさんらが登場するりんごをのぞき込んでいることがあるのです。その後は再びみかんの中に姿を隠し、通常通りのオープニングの流れに戻ります。
2019年1月頃からツイッターでも、「初めて見た」「これっていつもなの?」「気になってほとんど内容が入ってこなかった」などと話題に。2月にも再度確認され、この現象はタマの「フライング」として認知されつつあります。
ただ、翌週の放送では通常通りのオープニングになっているため、「自分は本当に見たのだろうか……」と記憶を疑い始めるツイッターユーザーもいました。
「サザエさんじゃんけん」を研究する高木さんは毎週放送を見続けているため、この「サプライズ」にもすぐに気づいたそうです。それ以来、専門である「サザエさんが出した手」に加え、タマがフライングした日の記録も続けています。
【速報】タマ、フライング(3週間ぶり3回目)
— ΗΚΝ@サザエさんじゃんけん研究所 (@jq1hkn) 2019年3月17日
高木さんの調査によると、最初の「フライング」は2019年1月13日、その後2月24日、3月17日とこれまで3回の放送で起こっているそうです。
一体、タマに何が起こっているのでしょうか。1969年から「サザエさん」を放送しているフジテレビに取材を申し込むと、広報宣伝室の担当者から回答が得られました。
担当者によると、タマが「フライング」するようになったのは、やはり「2019年1月」からだそうです。でも、気になるのはその理由です。どうしてタマは「フライング」しているのでしょうか。
答えは、「タマに聞いてみないとわかりません」。
どうやらフライングして登場するのは、タマの「気まぐれ」……? 「どんなときにフライングをするのでしょうか」という質問には「時々タマが慌ててしまうようです」と教えてくれました。
確かに、気ままで行動を予測できないのが猫の愛らしさでもあります。オープニングのほんの一瞬のできごとにも、たくさんの人間たちが心を奪われてしまう所以を感じます。
そういえば、「サザエさんじゃんけん」を研究する高木さんは、この「フライング」も研究対象になるのでしょうか。再び、高木さんに聞いてみました。
「今後の予定につきましては、ある程度データがたまった段階で『フライングした日の間隔の分布』を集計することによって、『今日は前回から何週間目なのでフライングする確率は何パーセント』という程度の予想は、可能になると思います。もちろん、それ以外の何らかの法則に気付く可能性もあります」
めちゃくちゃやる気です……! しかも、まずはタマのフライングが「予想可能かどうか」を判定するために、「データ蓄積期間につきましては、約10カ月を見込んでいます」。
高木さんは今まさに腕まくりを始めたところ。タマ、気まぐれでやめないといいな……。
ちなみに、「サザエさん」のオープニングやエンディングでの不確定要素として、これまで「エンディングで登場する、家の煙突から出る煙の形が変わる」という噂があったそうです。しかし27年間「サザエさん」を見続けている高木さんによると、煙の形は「輪っかのみ」だといいます。
「毎週見ている人にとっては当然でも、そうでない人は簡単に検証できないので、いつまでたってもデマが出回り続けている状況です」(高木さん)
高木さんの言葉の節々から、27年の重みが感じられます。いつの日か、タマの「フライング」の妙も紐解いてくれる日が来ると信じています。
1969年に放送が始まった「サザエさん」は今年、50周年を迎えます。こういった節目が関係しているかについて、フジテレビの担当者は「どちらとも言えません」とのこと。でも、今後の「サプライズ」の予定を聞くと、少し意味深な答えが……。
「現時点でお答えできることはございません。
(サザエさんらしい明るく楽しいサプライズが見つかれば実践するかもしれません)」
もしかしたら、今後も何か楽しい仕掛けが生まれるかもしれません。最後に、タマの「フライング」などを含め、「サザエさん」を楽しみにしている視聴者の方へメッセージをいただきました。
「50周年という節目の年ではありますが、『明るく楽しい家族の日常をアニメとしての楽しい表現で描く』という思いは、今もこれからも変わらないと思います。日曜日の夕方、ちょっぴりだけ明るい気持ちになっていただければ幸いです。そして『来週もまた観てくださいね~。』」
さて、今日は日曜日。タマは果たして「フライング」するのでしょうか……。
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