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二人分のおむつ買ったら罵声が…コロナウイルス、双子のいる親の悩み

「私だけじゃないんだと感じる助けになれば」

室内で遊ぶ双子たち=工藤啓さん提供
室内で遊ぶ双子たち=工藤啓さん提供

目次

外出自粛が続く中、「公園に行こう!」とせがむ子どもと「感染リスク」との間で板挟みになっている子育て中の家庭も多くあると思います。その苦労が2倍(以上)になる、双子を抱える家庭の状況を、多胎家庭などを支援しているNPO法人「つなげる」(中原美智子代表理事)が調査しました。見えてきたのは「子育て家庭が抱える課題が、多胎になるとより一層顕著になる」ということでした。

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家庭内保育続き「居場所なくなりより苦しく」

NPO法人「つなげる」は、3月31日から4月8日までの約1週間、双子のいる家庭に対してインターネット上で困りごとを聞きました。
「普段でもストレスを抱えやすい双子家庭がこの状況下ではどうしているんだろう」(中原代表理事)と、状況を知るためのアンケートとして緊急的に行ったもの。
総回答数は292にのぼり、回答者の多くは小学校低学年以下の双子の子どもを持つ家庭でした。

質問は、8項目用意しました。
・普段の子育ての状況と、現在の子育ての状況を、「家でみている」「保育園・学童へ行っている」などからそれぞれ選ぶ
・困りごとの内容を「子どもの預け先や居場所」「日中の過ごさせ方」「感染の心配」など10項目から「複数回答可」として選択してもらう

などです。

中原さんが注目したのは、今回の影響を受けて家庭内保育を始めた家庭よりも、これまでと同様、家庭での保育が続いている人の回答が136件(46%)を占めたことでした。
「『(保育の)状況が変わらないから大丈夫』なのではなく、児童館が閉まったりお散歩に行きづらくなったことで居場所がなくなり、より苦しくなっているということではないでしょうか」と指摘します。

NPO法人「つなげる」の中原美智子さん=本人提供
NPO法人「つなげる」の中原美智子さん=本人提供

面倒見ないといけないのは双子だけじゃない

また、中原さんは「前例のないことなので、まず課題をみつけるところから」と、「困っていること」を聞いた自由記述を重視。自由記述に集まった声は以下のようなものがありました。(以下抜粋)

オムツが買えず、やっと見つけたお店で双子分を購入。帰宅途中に他人から「あんたみたいなのがいるから必要な人の手元に届かなくなる」と罵声をあびせられ不愉快だった。
(現在双子の育休中の方)普段は保育園に行っている3歳長女がコロナウイルスの影響で、3月はじめから家庭保育になりました。腰も据わらない双子との3人を連れて出かけることは難しく家に引きこもっています。(体力を)発散できない長女と双子との3人育児が長期化しイライラがたまっています。
近所のスーパーが品薄になっていることが多く、2人を前後で自転車に乗せて遠くの大型スーパーまで買い出しに行くのが大変です。
国や自治体からの補助や支援がどうなるのか、生活がかかっているので気が気ではありません。
支援センターが閉鎖し、大人との会話も減りました。孤独感でつらいです。
(預け先は)保育園ですが、日頃在宅で仕事している人は自宅保育をと言われます。
このような声が集まったことを受け、NPO法人「つなげる」では、今後、双子家庭に対して必要物資を届けたり、オンラインツールを使ってコミュニティーを構築するなどして外とつながるためのサポートをする予定です。
詳しくは「アンケート結果報告とご協力のお願い」(NPO法人つなげるのHP)まで。
双子家庭の支援活動の様子=中原美智子さん提供
双子家庭の支援活動の様子=中原美智子さん提供

双子家庭過ごしやすくなれば他の子育て家庭も

また、短期間にこれだけの回答が集まったことについて代表理事の中原さんは「『(困りごとを)誰かに聞いてほしい』と思っている保護者が、孤立感を深めていくことがある。言語化を促すこともできたのかもしれない」と話します。
自由記述に書かれた声は、経済的な不安や、感染不安などについても多く、子育て家庭に共通しているものも多くありました。
「双子家庭は身軽さがないという点でより厳しい状況になっている。そんな双子家庭が過ごしやすくなると、他の子育て家庭にとっても生活しやすくなるのではないでしょうか」と中原さんは話しています。

アンケート結果の詳細については「アンケート結果報告とご協力のお願い」(NPO法人つなげるのHP)でも見ることができます。中原さんは「私だけじゃないんだと感じる助けになれば」と話しています。

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