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25分の1「国会議事堂」でも首相交代 発足の翌日「仕事早すぎ」
 
                    「東武ワールドスクウェアの国会議事堂も、本日から首相が高市さんになりました」。高市内閣が発足した翌日の10月22日、栃木県にある「東武ワールドスクウェア」のSNSへの投稿が注目を集めました。25分の1サイズで精巧に再現したテーマパークの国会議事堂でも速やかな「首相交代」が行われていました。
世界各地の建造物を25分の1サイズで再現したテーマパーク「東武ワールドスクウェア」(栃木県日光市)。園内の国会議事堂に高市早苗首相に似た人形を設置したことを報告した投稿は140万回以上表示されました。「仕事が早い」「新しい総理が決まった翌日には出来上がっているなんて」といった声が寄せられています。
 
                投稿したのは、園の人形担当者が運営している「人形の人@東武ワールドスクウェア」のX(旧ツイッター)アカウントです。園の広報担当者を通じて話を聞きました。
反響の大きさに「お礼のコメントも追いつかないくらい反応をいただき、正直とても驚いています。同時に世間の高市首相への関心がいかに大きいかを実感しました」
人形は、樹脂で作られた別の人形をベースにポリパテ(ポリエステル樹脂が主成分のパテ)で成型加工しました。通常、制作には1週間ほどかかるそうですが……。
高市政権の発足までは複雑な経過がありました。
高市氏は10月上旬、自民党総裁選で勝利しましたが、その後に公明党が連立政権から離脱。首相指名選挙で高市氏が選出されるかは一時不透明な情勢になりました。そんな状況にもかかわらず、なぜ政権発足翌日に人形を設置することができたのでしょうか。
人形は、もともとあった別の人形を首相似の人形に作り替えたそうです。「首相候補の方の写真収集とベースとなる人形の選定をしておいたうえで、高市首相似の人形を早めに製作し、毎日ニュースなどで状況を確認しながら、他の方が首相になった場合でも早急に製作できるよう準備していました」。一時、野党統一候補として名前が浮上したあの政治家似の人形も作りかけていたそうです。
 
                人形の命である顔には徹底してこだわりました。「お顔の形は面長にして、人中(鼻から唇まで)の長さ、上唇のとがり具合、髪形に特徴を出しました」。塗装では髪より少し茶色の眉・特徴を捉えて描いた目に腐心したそうです。
最終的に人形が仕上がったのは、展示開始の当日でした。「首相指名選挙で選出された時の洋服で設置したかったため、(政権発足の)翌日に、出社から開園までの1時間で服の塗装をし、ライトがあたったように襟の下に影を入れるなど細部までこだわって仕上げ、設置に間に合わせました」
東武ワールドスクウェアは、「世界の遺跡と建築文化を守ろう」をテーマに、サグラダ・ファミリアやスフィンクス、姫路城や東京駅など世界22の国と地域102点の建造物を25分の1のスケールで精巧に再現しています。
 
                また、建造物の周囲には身長7㎝の小さな住人が14万人住んでいて、一人一人がそれぞれの「人間ドラマ」を演じているそうです。
「パーク内で一番最初に展示してあるのが日本の政治の中心である国会議事堂です。国会議事堂前には小泉元首相以降の歴代首相似の人形が並んでいるので、現実にはあり得ない行列に注目するとともに『この特徴の人形は○○元首相!』と見つけていただくとお楽しみいただけると思います」
 
                また、隠れた見どころも教えてくれました。
「首相を取り囲む記者団が設置されていますが、ICレコーダーを持った人形は国会議事堂だけにしか配置されていません。グイグイ行こうとして警備員に抑え込まれている記者もいるので、首相の周囲のシチュエーションも併せてお楽しみいただきたいです」
 
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