小山コータローの妄想旅行記「チョメリア王国編」

海外旅行へ行くときの怖さというと、言葉がわからないとか、文化がわからないとか、マナーがわからないなど、とにかく「わからないこと」が怖いですよね。
そういう意味では今回の国は最も「わからない国」でした。
それはもう本当にわかりませんでした。フィギュアスケートの採点方法よりもわからなかったので、クレームを入れようかと思いましたが、どこに入れていいクレームなのか、結局わかりませんでした。
さて、そんな旅行先はどこかといいますと『チョメリア王国』です。今回は、職場の社内サーバーにハッキングして、部長の有給休暇を使って行ってきました。他人の有給休暇で行く海外旅行がこの世で一番アドレナリンが出ます。
まず、日本からチョメリア王国へは飛行機で8時間(※現地の単位で64チョメン)かかり、乗り継ぎが8回(14チョイ)あります。一時間(8チョメン)ごとに乗り継ぎをするので、映画を8本(8ポン)見ましたが何一つとしてオチまでたどり着きませんでした。

時間は有効活用しないといけません。まずは観光案内所に行って、チョメリア王国の観光スポットを聞くことにしました。カラフルでとても目立つ観光案内所の窓から、中をのぞくと和気あいあいとした雰囲気だったので、安心しました。


『チョメリア王国 観光 絶対』で検索したところ「チョメリア観光には絶対に行くな!」「チョメリア王国で観光するなんて絶対に無理説」などの信ぴょう性が高いブログがたくさん出てきました。急激なストレスで内臓がやられてしまいましたが、そんな中でも旅行を楽しむ気持ちが大切です。人生経験として糧にすればいいだけだと自分に嘘をつきながら、街を徘徊しました。
でも、なかなかいいじゃないですか。こうやって街をふらふらと歩くだけで「お、この看板は何かな?なんだろうな…」「おや、この花は日本にはないな…これは…花なのか?」「あそこのおじさんが売ってるものはなんだろう?…いや、おばさんか…?」
何一つとしてわかりませんでした。途中、親切なチョメリア人の方にいろいろと話しかけていただきましたが、本当にわかりませんでした。すごい元気づけてくれていたのですが、最終的に名称のわからないフルーツを日本円でいくらなのかわからない12万チョメチョメで買わされてしまいました。
【総括】
まったくもってわかりませんでした。何を目的に行くといい国なのか、代表的な料理はなんだったのか、何語だったのかもわかりませんでした。しかし、このチョメリア王国には古くから『ゾウから取れるパスタソースは無い』ということわざがあるそうです。心底わかりませんでした。
<こやま・こーたろー>
漫画家。「違和感」を作風とし、漫画家のSNS「コミチ」やTwitterで毎日4コマ漫画を発信中。前後関係を無視したセリフや、突拍子もない理不尽な展開が得意。Twitterアカウントは@MG_kotaro。