不思議な形とゆっくり泳ぐ姿で、水族館でもついつい目で追ってしまうマンボウ。過去の人たちが記した「古文献」にも、その姿を見ることができます。ネットで「最弱」とネタにされるマンボウですが、江戸時代の人にとっても「奇妙な」存在だったようです。日本に生きている生物は、一体いつからそこで暮らしているのか? マンボウの「古文献」から、人間とマンボウの関わりを紐解いていきます。
日本近海のマンボウたち
ヤリマンボウは舵びれにある突出部が特徴
出典: 澤井悦郎さん提供
「オキマンザイ」「キナッポー」…これマンボウなんです
マンボウ研究者の澤井悦郎さん
マンボウの「謎」ここにも
水面で横たわるマンボウ
出典: PIXTA
日本最古の「マンボウ」の絵
「備陽記(びようき)」(財団法人正宗文庫所蔵)の1ページ(左)とマンボウの絵を拡大した写真(右)。この絵がある「備陽記」は個人所蔵で、閲覧するためには岡山に行く必要がある。
「ヤリマンボウ」の描かれ方は…?
2018年末、福岡の川に現れたヤリマンボウ。わかりづらいが舵びれの中央部が少しとがっている。
古文献で「マンボウ」として描かれている絵。(左)神田玄泉1741a『日東魚譜』巻五(写本作成年不詳)、(右)阿部照任・松井重康1758e『採薬使記(序文不詳)』巻中(写本作成年不詳)
出典: 国立国会図書館デジタルコレクション
「まめなくさ」(西尾市岩瀬文庫所蔵)に描かれているヤリマンボウ。確かに舵びれに突出部があります。
「いなかった」ことにしないために
マンボウイベント開きます!
「最弱伝説」にされたマンボウと「最強生物」と呼ばれたクマムシ
~インターネットで「ネタ」にされてきた生き物たち~
「マンボウは上を向いてねむるのか」(ポプラ社)刊行記念
■日時:2019年12月6日(金)20時~22時
■場所:本屋B&B 東京都世田谷区北沢2-5-2 ビッグベンB1F
■チケット:本屋B&Bのサイトでお申し込みください
前売 1,500円 + ドリンク500円(税別)
当日店頭2,000円 + ドリンク500円(税別)
■出演
澤井悦郎(マンボウ研究者)
鈴木忠(クマムシ研究者)
野口みな子(司会、朝日新聞「withnews」編集部)
「ジャンプした着水の衝撃で死ぬ」「ほぼ直進でしか泳げず死ぬ」……ネット上で「最弱伝説」ができあがり、有名になった「マンボウ」。……でも、これらはウソ!
一方、マイナス273℃の超低温にも、プラス100℃の高温にも、ヒトの致死量の1000倍以上の放射線にも耐えることができるとして、ネットで「最強生物」と呼ばれた「クマムシ」。……でも、最強って本当?
インターネットによって持ち上げられ、「ネタ」にされてきたこの生き物たちの、「本当の姿」を見てみませんか?
ゲストは、「最弱伝説」が残るマンボウとは対照的に、「最強生物」と呼ばれているクマムシを研究してきた慶應義塾大学の鈴木忠准教授です。
マンボウやクマムシを取材してきたニュースサイト「withnews」による、「ただしくて、おもしろい」生き物の世界を伝えるトークイベントです。明日誰かに話したくなる、生き物の情報をご紹介していきます。どうぞお気軽にご参加ください。
お申し込みは【こちら】からどうぞ。

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