連載
#33 コミチ漫画コラボ
「イクメン」とは「育児するメンバー」だ!マンガで描く子育ての未来
「イクメン」という言葉が定着して久しいですが、これからの「子育てする男性」の姿とは? 漫画で考えていきます。
連載
#33 コミチ漫画コラボ
「イクメン」という言葉が定着して久しいですが、これからの「子育てする男性」の姿とは? 漫画で考えていきます。
設定は「イクメン」という言葉が使われなくなった世界。子育てに積極的に注力したい男性たちの願いによって、会社の制度や環境が整えられていった未来です。
育児にまつわる物語ですが、実はそんな社会で実現していたのは「誰にとっても働きやすい環境」でした。理由にかかわらず、働く時間や場所を柔軟に選べ、どんな人でも「特別扱い」されなくなっていくーー。当事者だけで語られがちなテーマを、みんなが自分事として考えられる作品に落とし込まれています。
生後まもない我が子に、育児の「オーダー」を発表される両親。授乳・おむつ替え・寝かしつけなどマルチタスクを期待される母親に対し、父親は……。
この場面、子育て中の男性記者を中心に共感を集めましたが、ここで終わらないのが作者のいぬパパさん。野球の設定を生かたラストの展開に、胸が熱くなりました。「イクメン」の意味合いがマンガのように変われば、抱えているモヤモヤが減るんだと思った作品でした。
「授乳」や「抱っこ」、分かりやすいタスクだけで育児は成り立っていない。「本当にそうだなー」と思いました。子育て期間ほど、「やることがない」人が家にいる、そばにいてくれる、話を聞いてくれる、それで生み出される心の余裕が、とてもとても大切でした。それだけで子どもの笑顔が増え、母の安心につながっています。
みんな「大事なメンバー」。最後の一コマに、大事なことを思い出させてもらって、涙が出ちゃいました。
はじめて目の前に姿を見せてくれたあの日。そこから、くるくると変化していく姿に言いようのない感動を覚え、そしてすり抜けていくように、あっという間に大きくなって……。早く成長してほしいような、このまま時間を止めてほしいような。
そんな子育ての感傷を思い起こさせてくれる作品。日々の忙しさと大変さにばかり目を向けるのではなく、あの日の感動を忘れずにいたい、と改めて考えさせられました。
1/31枚