連載
#107 #withyou ~きみとともに~
恋のキュンキュン描くふせでぃさん新境地 「独りじゃない」への思い
ふせでぃさんはインスタグラムを中心に恋愛の一コマを描いたイラストを発信するイラストレーターです。
昨年は「君の腕の中は世界一あたたかい場所」「今日が地獄になるかは君次第だけど救ってくれるのも君だから 」(いずれもKADOKAWA)の2冊のマンガを出版しています。
ふせでぃさんのインスタグラムのフォロワーは、8割以上が10~30代の女性で、イラストもその世代を意識して描くことが多いそうです。
そんなふせでぃさんは、関西カウンセリングセンターが3月に行っているSNS相談事業のポスターにイラストを提供しました。
イラストは4コマで構成され、「もう消えてしまいたい」と思っている女の子がSNS相談につながり「独りじゃないんだな」と笑顔になるストーリーです。
「今回、私の発信で、悩みを持つ中高生の目につけばという思いがありました」とふせでぃさんは語ります。
「これまでやったことのないジャンルだったので」と、挑戦する気持ちで臨んだといいます。
ただ、これまで恋愛を中心に描いてきたふせでぃさんにとっては、悩みながらの作業になったと打ち明けます。
「(相談する前に)思い込んでいる感じも出さないといけないけど、直接的な表現はできないし。でも軽すぎてもいけないし……」。関西カウンセリングセンターの担当者と相談しながらストーリーを決定しました。
ふせでぃさんに、悩みを抱える10代へのメッセージを聞くと、「いま悩んでいることが全てだと思わないでほしい」と答えが返ってきました。
「恋愛もそうなんですけど、恋愛で悩んでいる人に、『もっといい人いるじゃん』といっても、『その人じゃないとだめ』と返事が返ってくる。やめたら楽になるのになあと思うんですけどね」
「『若い』って希望です。嫌ならいくらでも逃げようはあるし、やめることだってできるんです。その道を探すためにも、相談先に頼ってほしい」
SNS相談窓口を開設したのは、関西カウンセリングセンターです。近畿2府4県の若者を中心に、3月いっぱい、SNS相談を受け付けています。
対応するのは、SNS相談の研修を受けたカウンセラー30人。毎日3人が対応にあたります。
「心理的援助を中心に、ニーズがあれば、直接会って話を聞くことも可能です」と、理事長の古今堂靖さん。NPO法人育て上げネットと協力し、「直接話をしたい」というニーズにも対応しています。
ふせでぃさんのイラストを起用した理由について、古今堂さんは、「若年層の自殺が問題になる中、若者につながるために、影響力のあるふせでぃさんにお願いをしました。この事業で、若者の命を守っていきたい」と話します。
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