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2018年09月17日

「すがれるものなかった」学生時代を救った「爆音」と妄想イベント

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岡勇樹さん=本人提供

岡勇樹さん=本人提供

 10代前半でアメリカから日本に帰国。いじめられ、学校には友達と呼べる友達がいない。そんな少年時代を過ごしたNPO法人Ubdobe代表理事の岡勇樹さん(37)を救ったのは音楽でした。「陶酔しているものは、その人を救うことがある」。今、好きな音楽を仕事の一部にしている岡さんに「人生の開き方」を聞きました。

岡勇樹さん=本人提供

岡勇樹さん=本人提供

帰国後、孤立した学校生活

 岡さんは小学校5年生までをアメリカで過ごし、6年生からは日本で暮らしています。帰国後は「日本で暮らすのがつらい」と思っていました。その頃の岡さんは母親から「どんどんしゃべらなくなっている」と心配されていたといいます。
 学校は好きじゃないし、楽しいと思ったこともない。制服を切られたこともあるし、嫌なことをいろいろされた。でも詳しいことは思い出せない…。

 岡さんは「相当傷ついているんだと思います」。

 岡さんは当時を振り返り「中学の時はすがれるものがなにもなかった」と話します。

自身の経験について話す岡さん

自身の経験について話す岡さん

現実世界と音楽の世界

 そんな少年時代の岡さんを救っていたのはヘッドホンで流す大音量の音楽でした。ヒップホップ、ロック、パンク…アメリカにいた頃から好きだった音楽の世界に没頭することで、自分の世界を持つことができていたといいます。
 
「僕には現実世界と音楽の世界の二つの世界があり、音楽の世界に救われた」


 音楽好きに拍車がかかったのは高校1年の頃。米軍基地に住むアメリカ人の友⼈と、東京・町田駅のクラブに、出かけました。初めてのクラブ。岡さんはドキドキした気持ちで行ったことをいまでも覚えています。

 「クラブの中はまさに爆音。『なんじゃこりゃ』という感じで興奮した」

Ubdobeのイベント会場を訪れた脳性マヒの女の子と遊ぶ岡勇樹さん

Ubdobeのイベント会場を訪れた脳性マヒの女の子と遊ぶ岡勇樹さん

音楽の中なら「孤独じゃない」

 高校生になってからは、ヒップホップやハードコアにどっぷりはまる生活。「モッシュピット(ライブ会場で盛り上がった参加者同士が体をぶつけあったりする場所)の中が大好きだった」。好きなミュージシャンのCDは何度も何度も聞き返す。そして、CDのライナーノーツ(CDなどに付属している解説冊子)を熟読し、楽曲のルーツをたどっていく過程がとても楽しかったのだといいます。

 「音楽の世界の中では『孤独じゃない』と実感できていた」

 その知識を元に、架空のイベントを作り上げ、自分の好きなミュージシャンを招いたと仮定してタイムテーブルを作って楽しんでいたと言います。



出典:岡勇樹さんが9月1日に発信したツイート

「陶酔しているもので救われる」

 岡さんは「陶酔しているものは、その人を救うことがある」と話します。

 初めて現実にイベントを開いたのは19歳の頃。いままで頭の中でやっていたイベントを実現することができ、「なんでもできる!」と自由を感じたといいます。
 音楽イベントは現在も続けていて、現在は「SOCiAL FUNK!」という名前で年に1回開催しています。

2017年のSOCiAL FUNK!の様子=NPO法人Ubdobe提供

「好きを追求、いつか成就」

 いま、岡さんは、医療福祉とエンターテイメントが融合した事業を、自身が代表理事を務めるNPO法人Ubdobeで展開しています。
 音楽イベントである「SOCiAL FUNK!」も、2017年の開催会場では、会場の一角で手話を使って注文するバーがあったり、視覚障害や聴覚障害の体験をしながらイベントを楽しむコーナーを設けたりしました。

 「自分の好きを追求すると、成就するタイミングが来る」。そして、「社会と繫がるのは後からでいい。自分の好きなことで遊び続ければ勝手に繫がる」と岡さんは考えています。


 

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