連載
#13 「見た目問題」どう向き合う?
「アルビノになりたい」が炎上 ユーチューバーよききと当事者の思い
「アルビノになりたい!」。そんな憧れから、髪の毛を真っ白にして周りにアピールしたら不謹慎だと思いますか? 人気ユーチューバーのよききさん(22)が髪を白くする動画を配信し、賛否の声があがりました。どうしてこんな動画をつくったのでしょうか。多くの批判が寄せられ、どう思ったのでしょうか。アルビノ・エンターテイナーの粕谷(かすや)幸司さん(35)と語ってもらいました。
私が、よききさんの「アルビノになりたい」動画を見た時、「あ、これは炎上するな」というのが正直な感想でした。
特徴的な外見を持つ人がジロジロ見られ、いじめや就職差別にあう「見た目問題」を取材し続けています。8歳の長男は生まれつき右顔の神経が少ない当事者です。アルビノも当事者と位置づけられています。
よききさんも謝罪したように、アルビノの方々への配慮が足りなかったと思います。アルビノであることに生きづらさを感じている人の中には、肯定的な側面ばかり強調されることを不快に感じる人もいるでしょう。
「社会のマイナスの評価があるから、本人も苦しくて沈んじゃっているのでは」というよききさんの意見は、なるほどと思いました。変わるべきは見た目問題の当事者ではなく、彼ら・彼女らに向ける周りの視線だと、私も考えています。社会の視線が変われば、当事者の苦しみも和らぐかもしれません。
アルビノであることを前向きに受け止める粕谷さんの話からは、「アルビノ=苦労を体験した人々」と単純にとらえること自体が、偏見だと気づかされます。
よききさんには今回の経験を生かし、アルビノに対する社会の視線を変えるような、コンテンツに挑戦してもらいたいと思います。
*紹介したよききさんの動画への書き込みは、編集部の判断で誤字脱字を直したり、文章を短くしたり、表現を整えたりしています。
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