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2018年08月08日

風俗・JKビジネス・精神薬依存……「また高校に戻りたい」少女の夢

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風俗やJKビジネスでお金を稼いできた女性がいま思っていることとは……(写真はイメージです)

風俗やJKビジネスでお金を稼いできた女性がいま思っていることとは……(写真はイメージです)

出典: https://pixta.jp/

 お金が欲しいし、キラキラしてるし楽しそうーー。そんなきっかけから夜の世界に入り、風俗やJKビジネスで働きながらホストにお金をつぎ込んだ女性がいる。年齢はまだ18歳。ダイエット目的から精神薬の処方薬依存にもなった。2017年から依存症回復施設の回復プログラムを受けている。もう一度高校に戻るため、集団生活をしながら自分の人生を見つめ直している。(朝日新聞科学医療部記者・後藤一也)

まじめに過ごすことが嫌に

<「自分の家庭以上に良い家族を見たことがないぐらいに恵まれていた」という女性が、不良仲間と遊ぶようになったのは中学の時。まわりと一緒にまじめに過ごすことが嫌になりました>

 小学生のころから、クラシックバレエやピアノ、塾……。習い事はたくさんさせてもらった。自分で言うのもなんだけど、自分の家庭以上に良い家族を見たことがないぐらいに恵まれていると思う。

 甘い父と厳しい母。弟とも普通に話す。家族は好きだけど、ずっと一緒にいるのは疲れる。「今日は学校どうだった?」。親から聞かれるのが嫌だった。週末婚みたいな関係がちょうどいいのかもしれない。

 でも、学校も自分の居場所とは思わなかった。小さい頃は海外に住んでいたから言葉遣いの違いがあまり受け入れられなかったのか、小学生のころはいじめられていたことがある。家のほうがよかった。

家にも学校にも居場所はありませんでした(写真はイメージです)

家にも学校にも居場所はありませんでした(写真はイメージです)

出典:https://pixta.jp/

 小学6年から、ギャルってかわいいと思い始め、化粧したり髪の毛をいじったりするようになった。親からは化粧、髪を染めること、ヒールはダメと言われてきたが、それに反発しているうちに何も言わなくなった。

 中学に入ると不良の仲間と遊ぶことが増えた。中2の終わりからだんだん学校に行かなくなった。好きなときに起きて友達と遊んで、でも習い事には行く。その頃から居場所はネットの中に代わった。24時間ラインの中に居座っていた。

 2万円――。高校生が普通にアルバイトをしても数日働かないと手に入らない金額。わずか1時間で稼げると聞くと女子高生にとっては目からうろこ。それが「JKビジネス」だ。

 親友がJKビジネスで売れていて、「もうかるやん!」と思って始めた。まわりも、良い化粧品や高い服が欲しくて、そんな気持ちでJKビジネスの世界に足を踏み入れて体を売る女子高生が多いことを知った。

「1時間で2万円稼げる」。甘い誘惑に引き込まれていきました(写真はイメージです)

「1時間で2万円稼げる」。甘い誘惑に引き込まれていきました(写真はイメージです)

出典:https://pixta.jp/

【JKビジネスの現状】
 女子高校生に接客サービスをさせる「JKビジネス」について、警察庁が初めて実態調査をした。2017年6月末時点で全国に114店あることを風営法に基づく立ち入りなどで確認した。
 警察庁によると、114店の約9割にあたる106店は東京都と大阪府に集中していた。マッサージや添い寝など「リフレ」と呼ばれる接触型が81店と全体の約7割を占めた。客がマジックミラー越しに制服姿を「見学」したり水着姿を「撮影」したりするなどの鑑賞型が11店、一緒に「散歩」する同伴型が2店あった。ネット上で営業する無店舗型が全体の約4割あった。

出典: 2017年9月28日東京本社夕刊より

ウン千万、ホストにつぎ込んだ

<女性にとってお小遣い感覚で始めた「JKビジネス」でしたが、体を売ることがだんだんと普通になっていきました。「2年でウン千万円」。使い道はホストでした>

 女子高生というだけでおじさんから人気はある。名目上はただ客と外で遊ぶだけだが、実際は援助交際だった。体を売ることが普通になってきた。ただ、年上に見られて女子高生っぽさがなかったのか、そこまでおじさんに人気が出なかった。

 風俗でも働いた。稼いだ金はホストにつぎ込んだ。2年ほどで「ウン千万円」は使った。夜の東京でお金を使うことにどこか優越感があった。

 アルコール、薬物……。夜の町は危険なものだらけだった。JKビジネスはトラブルもある。客に金を盗まれたとしても、女子高生なので警察にも事情を言えない。人生が崩れかかったとしても誰からも守られない。

 ちょっと良い化粧品や高い服が欲しいぐらいだったら、ちゃんとアルバイトをして良い仕事をしたほうがいい、今ならそう思う。

夜の街でお金を使うことに優越感を感じていました(写真はイメージです)

夜の街でお金を使うことに優越感を感じていました(写真はイメージです)

出典:https://pixta.jp/

薬に依存、回復施設で生活

<女性は今、依存症回復施設で生活しています。処方された薬を大量に飲む。違法薬物ではないことが拍車をかけたといいます>

 依存症回復施設で生活するようになったきっかけは高校生のころ、ダイエット目的で向精神薬の服用だった。個人輸入やすぐに薬を出してくれる医者を探して手に入れた。

 最初はその目的だったが、短時間のうちに大量に飲むとフワフワした心地よい気分になることを知った。

 「なりたい自分になれる」

 薬が止められなくなった。違法薬物ではないため、悪いことをしている気はまったくなかった。

 部屋に錠剤が転がっていたり、処方薬依存によって記憶があいまいになったりしたことを親が見かねたのか、昨年の春に依存症回復施設とつながった。

 さすがに施設での集団生活はしんどかった。風俗で働き、ホストと騒ぎ、処方薬で気持ちよくなり、でもさみしいから常に誰かと電話をしているという、これまでの生活との差は大きかった。

 施設に入って2週間で1500円だけを握りしめて退寮したが、戻る場所は家ではなく施設だった。

ダイエット目的で向精神薬を服用していましたが、依存へとつながっていきました(写真はイメージです)

ダイエット目的で向精神薬を服用していましたが、依存へとつながっていきました(写真はイメージです)

出典:https://pixta.jp/

【依存症とは】
 厚生労働省のホームページによると、依存症には二つのタイプがあるといいます。「物質への依存」と「プロセスへの依存」です。
 厚生労働省は「どちらにも共通していることは、繰り返す、より強い刺激を求める、やめようとしてもやめられない、いつも頭から離れないなどの特徴がだんだんと出てくることです」と説明しています。

出典:厚生労働省「依存症についてもっと知りたい方へ」

「人と違う、かっこいいと思っていた」

<風俗、ホスト、処方薬依存を経験した女性。「人と違うことをするのがかっこいいと思っていた」と振り返ります>

 回復プログラムを始めて、1年以上が経過した。依存症で苦しんできた仲間と共同生活を送っている。

 「人と違うことをするのがかっこいいと思っていたし、悪い方向に進むのは簡単なことだった。ホストと酒飲んで『ウェーイ』ってやるのも、不良仲間とはしゃぐのも、お酒飲んでることも楽しかった」

 「後悔はしていない。後悔してクヨクヨしている自分がダサい。鬼ナゲー1年間だったけど、学校に戻って美容総合サロンを経営したい」

 「今日の一日をベストな一日にする新しい楽しみ方を見つけた気がする。公園でドッジボールとか、おすすめかな」

     ◇

 記事で紹介した女性が入所している依存症回復支援施設ワンネスグループでは薬物・アルコール・ギャンブルなどの依存症に対応し、女性専用施設もある。相談はグループのホームページまで。

女性は、また高校に通うことを願っています(写真はイメージです)

女性は、また高校に通うことを願っています(写真はイメージです)

出典:https://pixta.jp/

 

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