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2018年08月03日

「不登校になれたから、生き続けられた」新聞で経験伝える女性の思い

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書きたいことを話し合う不登校新聞の子ども若者編集会議

書きたいことを話し合う不登校新聞の子ども若者編集会議

出典: 朝日新聞

 不登校や引きこもりの現状を伝える「不登校新聞」が、5月に創刊20年を迎えました。編集には、10~40代の不登校経験者も「子ども若者編集部」として関わっています。かつてどんなことに悩み、いま発信者として何を感じているのでしょうか。編集部の一人に話を聞きました。(朝日新聞東京社会部記者・山下知子)


<不登校>
文部科学省によると、病気や経済的な理由をのぞき、何らかの要因で登校しない、したくてもできない状況にあり、年間30日以上欠席した児童生徒。2016年度は小学生が3万448人、中学生は10万3235人。いずれも4年連続で増加している。
小中学生の数はこの20年で2割超減少する一方、不登校の小中学生は16年度に全児童生徒の1.35%)と、1996年度の9万4千人(同0.75%)から4割以上も増えた。

叫びたいぐらい嫌でも、笑っていた

 「しんどい思いをしながら学校に通っている子、それから先生に読んでもらいたい」

 不登校新聞子ども若者編集部員の水口真衣さん(21)=埼玉県入間市=はそう話します。

 高校3年の秋、不登校になりました。「小学生の頃から、いわゆる『いじられキャラ』でした」と水口さん。したくもない物まねをさせられたり、行動をからかわれたり。先生に相談しても「仲良しの証拠」と取り合ってくれませんでした。

 「叫びたいぐらい嫌でも、笑ってその役を演じていた」と振り返ります。

子ども若者編集部員の水口真衣さん

子ども若者編集部員の水口真衣さん

 高3のある日、LINEで「こういうこと嫌だったんだよね」と、正直な気持ちを長文につづり、「友人」たちに送りました。

 しかし、返信は「じゃあ、もうつきあわない」。

 友人じゃなかった、学校に行ったら1人になるーー。怖くて家から出られなくなりました。1年近く引きこもりました。

悩む子が「私だけじゃない」と思えるように

 2年前の春、不登校新聞を取り上げたテレビ番組を見ました。同世代が、卒業式に出るか出ないかを議論している姿に「私と同じことで悩んでいる」。母に頼み、1カ月後には、子ども若者編集会議に出ました。

 それ以来、毎月の編集会議に参加しています。会議では、自分の中のモヤモヤや、気になることはなるべく話すようにしています。学校について悩む子たちが「私だけじゃない」と思える記事になると考えるからです。

5月に創刊20年を迎えた「不登校新聞」

5月に創刊20年を迎えた「不登校新聞」

出典: 朝日新聞

編集会議で広がる共感

 昨年の9月15日号では、「居場所から『離れなきゃ願望』」を取り上げました。つらかった時、水口さんの居場所は、ラジオ番組のネット掲示板。素の自分をさらけ出して何でも語れる一方、なぜか「離れなくては」と思う自分がいました。

 そんな思いを編集会議で口にすると、何人かがうなずきました。「みんな、歯を食いしばって耐えることが当たり前の環境で生きてきた。温かく安心できる環境に甘えていいのか、と思ってしまうのかもしれない」

不登校新聞の子ども若者編集会議。右から編集長の石井志昂さん、水口真衣さん=東京都北区

不登校新聞の子ども若者編集会議。右から編集長の石井志昂さん、水口真衣さん=東京都北区

出典: 朝日新聞

先生に奥深くまで知ってほしい

 今は、「不登校になれたから、生き続けられた」と思っています。

 「きつい思いは消えないけど、不登校を『経験』にして、学校について悩んでいる全ての子に『あなただけじゃない』と伝えたい。先生には、表面だけでなく、奥深くまでちゃんと私たちのことを知ってほしい。私たちの思いを伝えたいです」


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