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2017年07月31日

靴下を45年間とめ続ける「ソックタッチ」 その波瀾万丈な歴史とは?


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初代(左)と現在(右)のソックタッチ。黄色のパッケージはなくなり、ピンクと青だけに。

初代(左)と現在(右)のソックタッチ。黄色のパッケージはなくなり、ピンクと青だけに。

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 一昔前は「紺ソ」、そのまた前はルーズソックス。靴下がずり落ちないように、多くの女子中高生たちが使っていた「ソックタッチ」。なんとこの商品、45年前からあるんです。プチソックスと呼ばれる短い靴下が流行しているいまは、知らない人も多いかもしれません。ソックタッチをつくるメーカー「白元アース」(東京)の担当者に歴史を聞きました。第3次ソックタッチブームも、近いかも?(朝日新聞記者・船崎桜)


【動画】ソックタッチの使い方

誕生のきっかけは、創業者の孫の一言


 靴下の一番上を1センチほど折り返して地肌にのりのように塗って戻し、少し押さえておくとぴたっとくっつく優れもの。「忘れたときに、友達と貸し借りしてた」「お小遣いで買えず、液体のりを代わりに使って悲惨なことに…」。みなさん、懐かしい青春がよみがえりませんか。

 白元アースで約14年間、ソックタッチを担当しているマーケティング戦略部課長補佐の竹内陽子さんによると、ソックタッチが生まれたのは1972年。前身となる会社の創業者の男性が、当時中学生だったお孫さんから「靴下が落ちてこなければいいのに」と言われたことをきっかけに、考案したといいます。

初代ソックタッチ。当時はこのパッケージだけだったそうです。約200円。なんだかレトロですてきですね

初代ソックタッチ。当時はこのパッケージだけだったそうです。約200円。なんだかレトロですてきですね

出典: 白元アース提供

 ミニスカートが日本に上陸した70年代、若い女性たちが好んではいたのはハイソックスでした。当時は、ポロシャツにミニスカートにハイソックスという「ハマトラ(横浜トラディショナルの略)ファッション」が大ブーム。
 長い靴下が落ちてこないようにきっちりとめられるソックタッチはすぐに人気商品になり、年間1千万本も売れたこともあったそうです。

横浜・元町から大流行したハマトラ(ヨコハマ・ニュー・トラディショナル=伝統的なの意)スタイルの女性たち。ペタンコくつにハイソックス=横浜市、1979年

横浜・元町から大流行したハマトラ(ヨコハマ・ニュー・トラディショナル=伝統的なの意)スタイルの女性たち。ペタンコくつにハイソックス=横浜市、1979年

出典: 朝日新聞

一時は廃番、でもブームは再びやってきた

 80年代になると、ふくらはぎ丈の靴下を何回か折りたたんではく「三つ折りソックス」が流行り始め、第1次ブームは終わりを迎えます。ソックタッチは、廃番にまで追い込まれました。

 しかしその約10年後の1994年、ルーズソックスの大流行にあわせて、復活。第2次ブームがやってきます。

 

竹内さん

 ルーズソックスをはく子の親が第一ブーム世代で、ソックタッチの存在を思い出してくれて、会社に問い合わせがたくさんあったようです

90年代から大流行したルーズソックス=大阪市、2002年

90年代から大流行したルーズソックス=大阪市、2002年

出典: 朝日新聞

 倉庫に眠っていた在庫を売り出しましたが、あっという間になくなり、すぐに製造を再開。ピンク、青、黄3色のおなじみのパッケージに生まれ変わり、多いときには年間800万本が売れました。

3色のパッケージ。ピンクが圧倒的に人気だそうです。中身は同じ。薬局やコンビニで、約300円で売られました

3色のパッケージ。ピンクが圧倒的に人気だそうです。中身は同じ。薬局やコンビニで、約300円で売られました

出典: 白元アース提供

 その後は、2000年代に入るとハイソックスがよくはかれるようになりました。紺のハイソックス、略して「紺ソ」をとめるために、ソックタッチは使われ続けました。
 学生時代にソックタッチを使っていた女性が大人になってからも使い続けたり、会社員の男性で「座ったときにスーツと靴下の間に肌が見えるのがかっこわるい」と言って使う人もいたりするそうです。

2000年代からは、ハイソックスが再び人気に=奈良県天理市、2009年

2000年代からは、ハイソックスが再び人気に=奈良県天理市、2009年

出典: 朝日新聞

今は出番なし? しかし、時代はめぐる

 2017年の今、街中を歩く女子中高生の足元は、足首ほどの短い紺や黒の靴下が多くなっています。それを伸ばさずに「くしゅくしゅ」させてはくのがおしゃれ、という人もいるようです。

 そうなると、なかなかソックタッチの出番はなさそうですね・・・。昨年春には、3色のパッケージのうち黄色がなくなり、2色になりました。

短めの靴下をたるませてはいている女子高生をよく見かけます。ソックタッチは必要なさそう=松山市、2017年

短めの靴下をたるませてはいている女子高生をよく見かけます。ソックタッチは必要なさそう=松山市、2017年

出典: 朝日新聞

 

竹内さん

 たしかに、ブームのころと比べると売り上げ個数もケタが違います。
 でも、ファッショントレンドは移り変わります。粘り強く販売を続けていれば、第3次ブームがきてもおかしくないと思っています






現在発売されているソックタッチ

現在発売されているソックタッチ

出典: 白元アース提供

自慢の商品を手に、「第3次ブームを待ちます」と笑顔の竹内さん

自慢の商品を手に、「第3次ブームを待ちます」と笑顔の竹内さん

 竹内さん、余裕の笑顔です。
 ソックタッチは白元アースでしか製造しておらず、競合する商品も出てきていないため、「必需品」として親子2代、3代にわたって代々使われているのではないか、とのことでした。

 時代の流行に乗って、存在感をはなってきたソックタッチ。いつ第3次ブームが来るか、楽しみです。

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