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2017年05月14日

ガングロギャル、鷲田清一に会う「そのファッションが哲学だ!」

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ガングロギャル、ぇりもっこりさんと哲学者の鷲田清一さん

ガングロギャル、ぇりもっこりさんと哲学者の鷲田清一さん

出典: 朝日新聞

 強烈なファッションとメイク、そして、ギャル語を駆使するガングロギャル、ぇりもっこりさんが、哲学者の鷲田清一さんと対談。哲学からファッションまで縦横無尽に語り合った。「哲学って何?」「ギャルを引き継げる後輩がいない」。悩み多きガングロギャルに出した鷲田さんの答えは?

「哲学って何ですか?」「僕もわからない(笑)」

 

ぇりもっこり

「なんかー、哲学をやっているって言ってたじゃないですか。単純に、哲学、あんまりわからなくて、なんなんだろうなって」

 

鷲田

「僕もわからない(笑)」

 

ぇりもっこり

「哲学って言葉、初めて聞いたくらいなんですけど……」

 

鷲田

「哲学は、わからないということをポジティブに考えられる。わからんというのを胸はって言えることかな」

 

ぇりもっこり

「ポジティブ?」

 

鷲田

「迷って答えがでなくても元気が出る。『わからなくても、いいんや』って思える」

 

ぇりもっこり

「あー。わかりました(笑)」

「哲学は、わからないということをポジティブに考えられる(鷲田さん)

「哲学は、わからないということをポジティブに考えられる(鷲田さん)

出典: 朝日新聞

「他人の受けはあんまり気にしない」

 

鷲田

「今、自分で、なぜその格好をしてるかわかる?」

 

ぇりもっこり

「たぶん、ジャンルの中で一番かわいいとか、自分に一番似合うとか、ですね。他の人に『こっちの方がいいよ』とか言われても、他人の受けはあんまり気にしない。自分がやりたいことやる、みたいな」

 

鷲田

「哲学に近い」

 

ぇりもっこり

「それが哲学なんですかー」

 

鷲田

「普通、会議をして意見が一致したら『今日は、みんなで話してよかったね』ってなるじゃない。逆に、意見がバラバラで、わからなくなったら『今日の会議、なんやったの?』ってなる。答えが出ないとマイナスになる」

 

ぇりもっこり

「マイナスに」

 

鷲田

「哲学やっているとね、わかってたつもりでも、根拠がなかったと思うことがある。『これ、こんな問題があるよ』とか言って、問題が増えていくと、かえってたくましくなれる。しぶとくなれる。病気みたいなもんです。ギャルと一緒(笑)」

「他の人に『こっちの方がいいよ』とか言われても、他人の受けはあんまり気にしない。自分がやりたいことやる、みたいな」(ぇりもっこりさん)

「他の人に『こっちの方がいいよ』とか言われても、他人の受けはあんまり気にしない。自分がやりたいことやる、みたいな」(ぇりもっこりさん)

出典: 朝日新聞

「そのファッション、潔い!」

 

ぇりもっこり

「ギャルのファッション、どう思います?」

 

鷲田

「一番好きなのは潔い人」

 

ぇりもっこり

「潔いやつって、なんだろ?」

 

鷲田

「(ぇりもっこりさんのファッションをさして)それ、潔い!」

ぇりもっこりさんの長いネイルに興味津々の鷲田さん

ぇりもっこりさんの長いネイルに興味津々の鷲田さん

出典: 朝日新聞

「この子、中身からギャルじゃないなって」

 

ぇりもっこり

「今、24歳なんですけど、意外と婆ギャルなんで、二十歳すぎるとギャルはババアなんです。アラサーなんで、そろそろ卒業、世代交代したいなって思うんですけど」

 

鷲田

「うんうん」

 

ぇりもっこり

「自分はマンバ寄りと言うか、強めな方に入るんですけど。そういう強めな子が2人しかいなくて、やめるにやめられないというか。ギャルの意志とか、ギャルに対しての思いが中途半端なままだと、やめらんないなって」

 

鷲田

「ギャル道が伝わってない」

 

ぇりもっこり

「彼氏できたらやめるとか、男受け狙って、ピンクというよりはシルバーや茶色とか、そういうのってすごくなんか、ダサいなって。後輩がそうだと、なかなかやめるタイミングがつかめない」

 

鷲田

「よくわかる。近くで全く同じ状況に置かれているやつがおる。大学の応援団。初代から洗ってない学ラン着て。応援団にも、これだけは譲れないものがあって。それを少ない人数でやっていて、後継ぎがいない悲しみをいつも見ているから、もう涙出そうになる」

 

ぇりもっこり

「ホントに『ギャルはこうじゃないとダメだよ』とか伝えるんですけど。親が厳しいとか、地元で他にいないとか、彼氏に嫌って言われるからって、結局やらなくて。なんか、それぐらいだったら最初からやらなきゃいいし、この子、中身からギャルじゃないなって」

 

鷲田

「この世の通念みたいなものに、みんなに合わせてたら、自分の軸って絶えず揺らいでしまう。全然、動かないという人が、すごいんだけど。世の中自体がズレていった時に、離れ小島のような状況になってしまう。切ないですね」


すっかり打ち解ける2人

すっかり打ち解ける2人

出典: 朝日新聞

「最高ンゴ!」「それは、使わない!」

 

ぇりもっこり

「ギャル語で、個人的にめっちゃ使っている言葉があって。体調不良なんで『体調ヤンキー』ってめっちゃ使います」

 

鷲田

「体調ヤンキー!?」

 

ぇりもっこり

「ヤンキーです。不良だから」

 

鷲田

「謎解きが出来る言葉じゃないですか。ギャルの感覚でしかわからない言葉ってありますか?」

 

ぇりもっこり

「語尾に『ンゴ』つけますね」

 

鷲田

「英語っぽい(笑)」

 

ぇりもっこり

「『やったー』っていうじゃないですか。そういう時は『やったンゴ』みたいな(笑)」

 

鷲田

「やったンゴー(笑)」

 

ぇりもっこり

「『ンゴ』めっちゃ使いますね。『買ったンゴ!』とか。『築地来たンゴ』『魚食べるンゴ』みたいな」

 

鷲田

「方言みたいな感じ?」

 

ぇりもっこり

「普通に怒っている時とかも使いますね。『まじあいつ、うざいンゴ』みたいな」

 

鷲田

「『うざいンゴ』『しんどいンゴ』」

 

ぇりもっこり

「そんな感じ(笑)そんな感じ(笑)。後は『最&高』とか」

 

鷲田

「最高?」

 

ぇりもっこり

「そうです」

 

鷲田

「最高ンゴ!」

 

ぇりもっこり

「それは、使わない!。なんでも『ンゴ』つけたらいいってもんじゃないですよ(笑)」

ギャル語を覚えた鷲田さん

ギャル語を覚えた鷲田さん

出典: 朝日新聞

「『まだやってるのかよ』とか『古い』とか、そういう言葉が一番嫌い」

 

鷲田

「渋谷に集団でいたら、絡まれることってあるの?」

 

ぇりもっこり

「めっちゃ絡まれます。でも、それ以上にガングロをやりたい。絡まれてやめるくらいだったら、やってない。『今の時代になんでいるんだよ』とか言われることもあるけど」

 

鷲田

「『まだやってるのかよ』とか『古い』とか、そういう言葉が一番嫌い。それを言っている人が一番時代に流されていて、一番、時代を気にしているんじゃないかな」

 

ぇりもっこり

「今の時代、ギャルやっている子は、むっちゃ意志が強いと思う」

 

鷲田

「時代を気にしたり、年齢で人を測ったりとか、なにも自分の自慢じゃない。『古いね』って言うのも、自分がその時代の後に生まれただけの話だから、自分の手柄じゃないし、そんなこと言う人はずるい」

 

ぇりもっこり

「色んな中傷をされますけど、逆に、今の時代だからこそやってるんで。別にそれは言われてもいいかな、みたいな感じです」

 

鷲田

「ところで、家に帰ったらどんな格好してるの?」

 

ぇりもっこり

「ティガーってわかります?」

 

鷲田

「わからん、タイガー?」

 

ぇりもっこり

「プーさんの友達のぴょんぴょん跳ねるやつのセットアップです。上下セットの」

 

鷲田

「楽なやつね(笑)」

 

ぇりもっこり

「楽なやつです(笑)」

     ◇

鷲田清一(わしだ・きよかず) 京都市生まれ。哲学者。2017年4月に3年目を迎えた朝日新聞の1面のコラム「折々のことば」の筆者を担当。大阪大教授・総長などを経て、京都市立芸術大学学長や、せんだいメディアテーク館長を務める。「素手のふるまい」(朝日新聞出版)など著書多数。


     ◇

ぇりもっこり 「強め"黒肌"」のガングロギャルでつくるユニット「Black Diamond(ブラックダイヤモンド)」のリーダー。最近、ガングロカフェの看板娘から店長に昇格した。サンリオのぐでたまが大好きで、シュシュやチョーカーを手作りしている。

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