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「多趣味だが 人に話せる 趣味はない」 ヲタ川柳、傾向と対策聞く
11回目となる「オタク川柳大賞」。今回は8529作品の応募があり、入賞20作品が発表されました。
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11回目となる「オタク川柳大賞」。今回は8529作品の応募があり、入賞20作品が発表されました。
インターネットのプロバイダー業者が毎年開催している「オタク川柳大賞」。11回目となる今回は8529作品の応募があり、入賞作品が先日発表されました。今年は例年以上にネット界のトレンドを意識した作品が多く、発表されてからもジワジワと話題が拡散しています。そもそも、なぜオタク川柳は始まったのか? 最近の傾向と対策は? 気になる点を主催者に聞きました。
まずは、投票で選ばれた上位3作品を、主催者側の解説つきで紹介します。
【解説】パソコンの電源を落として、嫁が見えなくなったあと、自分が映ったときの喪失感をうまく表現しています。
【解説】どうせ話しても、共感もされないし、仲間になるどころか、仲間はずれになりかねません。
【解説】コミケで消費するオタクの姿を、余計な描写なく表現することで、読み手にすべてを委ねています。
◇ ◇ ◇
今大会では、「爆買い」「五郎丸」「ドローン」「安心してください」といった流行語を含んだ作品が多く、中でも「おそ松さん」を絡めた作品が目立ったそうです。
オタク川柳を企画しているのは、インターネットのプロバイダー業を主力とする「インターリンク」です。
オタク川柳は2005年から始まり今回が11回目。候補を20作品に絞って、ユーザーからの投票で入賞作品を決める際には、「何を言っているのかよくわからない」という人のために、社長の横山正さんが解説をブログで公表するなど、オタク以外でも楽しめるように工夫しています。実は、さきほどの解説は横山さんによるものです。
投票の告知文には「『オタク川柳は邪道だ』との厳しくも至極真っ当なご指摘を頂戴致しますが、生温かいまなざしとおおらかなお気持ちで笑い飛ばして頂ければ幸いです」と書かれています。
そんなインターリンクの広報担当者に、例年との違いやこれからの展開について、話を聞きました。
――今年の特徴や例年と違う点を教えて下さい
「最も例年と異なるのは、ネ申賞受賞者がオタク川柳開催期間中にご結婚されるアクシデントではないでしょうか。大変喜ばしいことではありますが、動揺を隠しきれません。ひときわ目を引いた、『I like Sukumizu Buruma Kneesocks』(TAKASHI(仮)様:20代)は、オタク川柳史上初の英語のみで構成された川柳で、新しい風を感じさせてくれました。ただ、残念ながら19位であったことを踏まえると、世に送り出すには少々早過ぎたのかもしれません」
――オタク川柳はいつ始まったのでしょうか
「そもそもは、2005年に創業10周年企画の一環で『IT川柳』を開催しました。今ほどの反響はありませんが、好評だったので毎年1回開催するようになりまして、2007年より『オタク川柳』に名称変更しています。当社の本業であるインターネットサービスプロバイダー事業は、自宅にサーバーを構築してしまうプロのネットユーザーに支えられており、このような玄人の皆様は、オタク文化にも造詣(ぞうけい)の深い方が多いので、『IT』という枠組みを廃止して『オタク川柳』に変更しました」
――回を重ねるにつれて感じることは
「流行に敏感な川柳が増えています。また、ツイートでもご指摘頂いている通り、川柳とペンネームの併せ技による『完成度の高いオタク川柳』が目立ち始めました。情報サイトへの掲載や関連ツイートも年々増加傾向にあることから、徐々にオタクの皆様に認めて頂いているような気がします。2010年には、アーティストのスガシカオさんが自身のブログで、オタク川柳のファンとカミングアウトされた時は、大変驚きました」
――今年の入賞作発表以降、ツイッターで話題になっています
「上位3作品だけでなく、全20作品のオタクオリティが高いからこそ、楽しんで頂けていると思います。とても嬉しいです」
――今後の展開は
「インターリンクは現在、DQN(グーグルの子会社が開発した人工知能)を使うDQN(「常識がない」といった意味で使われるネットスラング)じゃない人に向けた『シリコンバレーインターンシップ』の参加者を募集中で、4月1日のエープリルフールには、8年連続でつくウソの準備中です。世界初となるドメインのテーマソング『ドット萌え』のリリースなど様々な当社企画の中で、オタク川柳は最もメジャーではありますが、更に突き抜けるために、第12回大会では、解説が無ければ何を言っているのかわからない、リア充様からは受け入れてもらえない川柳をお待ちしています」
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