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「お返しにマシュマロ=嫌い」はウソ? ホワイトデー発祥の店が反論
ホワイトデー発祥の店とされている石村萬盛堂が出した新聞広告が、ネット上で話題になっています。
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ホワイトデー発祥の店とされている石村萬盛堂が出した新聞広告が、ネット上で話題になっています。
ホワイトデー発祥の店とされている石村萬盛堂(福岡市)が出した新聞広告が、ネット上で話題になっています。タイトルは「嫌だなあ。3月14日に『嫌い』なんて」。バレンタインデーのお返しとしてマシュマロを渡すと「あなたのことが嫌い」という意味だと解釈されていることについて反論する内容です。広告の狙いについて担当者に話を聞きました。
石村萬盛堂によると、ホワイトデーの起源は同社が昭和52年に始めた「マシュマロデー」だそうです。
現在の社長が、新しいお菓子づくりのヒントを求めて少女雑誌をめくっていて「男性からバレンタインデーのお返しがないのは不公平。ハンカチやキャンディー、せめてマシュマロでも……」という文章を目にしました。
明治時代からマシュマロ生地で黄身あんをくるんだお菓子「鶴乃子」を販売していた石村萬盛堂は、その製造機械を使ってマシュマロの中にチョコレートを包んだ商品を販売することに。
「バレンタインにもらったチョコレートを、僕のやさしさ(マシュマロ)で包んでお返しするよ」という意味を込めて3月14日を「マシュマロデー」と定めました。
数年後にはマシュマロの白(ホワイト)をもとに名称を「ホワイトデー」に変更。業界を越えてイベントが広がり、現在に至るそうです。
そんな石村萬盛堂が今月に入って「嫌だなあ。3月14日に『嫌い』なんて」というタイトルで新聞広告を出しました。
この広告が画像付きでツイートされると、リツイートは1日半で2万5千を超えました。ネット上では「本当は甘くて、やさしい意味だったのね」「誰が言い始めたんだろ」といった声が上がっています。
この広告に込めた意味について、石村萬盛堂の広報担当・石村慎悟さん(34)に話を聞きました。
――新聞広告を出した理由は
「ホワイトデーに合わせて新聞広告を出して4年目になります。きっかけは東日本大震災でした。当初は『ホワイトデーどころではない』と思っていましたが、大切な人の遺品から自分への贈り物を見つけた人や、被災地の友人から支援のお礼を送られた人の話などを聞き、『絆を認識する日になればいいな』という思いで始めました」
――今年のメッセージ内容は、どうやって決まったのですか
「実は私が日頃から思っていたことなんです。ネット上で『マシュマロ=嫌いの意味』として使われていることについて、始めた当初に込めた本当の思いを知っていただきたかったんです」
――反響は
「広告は紙媒体でしたが、ネット上の反響が大きいです。かといって、問い合わせがあるとか、マシュマロが急に売れたとか、そういったことはありません。私どもとしましては、ホワイトデーに込めた思いに関する認識が広がれば、それで十分です」
――今日はホワイトデーです
「お菓子は、食べてしまえば形は残りませんが、立派なコミュニケーションのツールです。身近な人のために『お返し』をするその気持ちで、何かが始まり、広がっていきます。遠くの見知らぬ人に振り回されるより、目の前の人と笑顔で過ごしていただきたいと思います」
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