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山火事注意の看板に現れる「謎のリス」 実は映画化も、隠れた人気者
可愛らしいリスが描かれた「山火事注意」の看板を見かけたことはありませんか。実はこのリス、40年前に作られた短編アニメ映画の主人公でした。
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可愛らしいリスが描かれた「山火事注意」の看板を見かけたことはありませんか。実はこのリス、40年前に作られた短編アニメ映画の主人公でした。
「山火事注意」の看板に描かれた愛らしい表情のリス。ハイキングなどで出かけた山の中でこんな看板に出会ったことはありませんか? よく考えたら、なぜリスなんでしょう…。このリス、40年の歴史を持つキャラクターで、豪華制作陣による幻のアニメ映画も生まれました。最近、デジタル化されたアニメは、YouTubeで見ることができます。
このリスが主人公のアニメ映画は「リスのまとい」です。林野庁が企画した「山火事防止映画」で、1974年に製作されました。「まとい」とは江戸時代の町火消が使った消火活動の目印。看板でリスが持っているのは、このまといでした。
演出担当は故・石黒昇さん。「宇宙戦艦ヤマト」や「ドラえもん」など有名作品の数々に関わったアニメーターです。林野庁の担当者は「声優も一流の方々が担当されたらしい」と話していますが、詳しい情報は分からないといいます。
映画のパンフレットによると、あらすじはこんな感じです。
山火事を起こした真犯人は誰か。リスは山の中をかけずり回って真相のカギを探します。そしてついに…
大活躍したリスですが、映画の中では「リス」以外の名前が出てきません。担当者も「名前がない」と話しています。
現場やネット上では「まといを持ったリス」「まといリス」「山火事注意リス」「営林署リス」などと呼ばれているようです。
山火事防止のキャラクターにリスが決まったのは、映画化より少し前の1972年。全職員に呼びかけた募集で決まりました。シカやフクロウという候補もあったようです。愛称については当初から募集されていませんでした。
「リスのまとい」は16ミリフィルムで作られました。製作からすでに40年が経ちました。リスのまとい以外にも何百とあるフィルム資料の劣化が懸念されたことから、林野庁は映像資料のデジタル化を進めています。
リスのまといのデジタル化は今年3月に完了。貸出用DVDも作られたほか、映像はYouTubeでも公開されました。こちらです。
映像を公開後、林野庁には「リスのステッカーを車に貼ってみたい」などの問い合わせがあったようです。担当者は「今後も山火事防止にますます貢献してほしい」と話しています。最近の看板では、まといを消防ホースに持ち替えたリス。山火事を防ぐ熱意は十分です。
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