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野田聖子氏とはどんな政治家か 「私こそ保守」総裁選出馬を模索
自民党総裁選が8日に告示される。立候補の可能性を探っているのが、安倍首相と当選同期の野田聖子前総務会長だ。その意欲の背景を探った。
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自民党総裁選が8日に告示される。立候補の可能性を探っているのが、安倍首相と当選同期の野田聖子前総務会長だ。その意欲の背景を探った。
自民党総裁選が8日に告示される。立候補を表明している安倍晋三首相は全派閥から支持を取り付け、無投票当選を狙う。かたや立候補の可能性を探っているのが、安倍首相と当選同期の野田聖子前総務会長だ。その意欲の背景を過去の発言から探った。
野田氏は1日、石破茂地方創生相ら30人超の国会議員が姿を見せた自らの政治資金パーティーで、総裁選について「この先の3年、安倍首相に託すのかをみていく絶好の機会が訪れた。しかし、本来ならば自由闊達(かったつ)な議論をするはずの先輩方が、残念ながら手をあげるに至っていない。ありとあらゆる議論ができる場を提供することが必要だ」と、選挙戦の必要性を訴えた。その上で、論語の一節を引いて「義を見てせざるは勇なきなり(正義と知りながらそれをしないのは勇気がないのと同じ)」と語り、立候補に意欲を見せた。
安倍首相とは、ともに1993年衆院選で初当選した当選同期。野田氏は2005年の郵政選挙で、党公認候補の佐藤ゆかり氏と争い当選後に離党した。郵政改革法案成立後、復党に向けて苦心したのも安倍首相だった。
野田氏は06年9月のパーティーで、「総選挙で安倍さんは、佐藤さんの応援には入らなかった。選挙の後、安倍さんは私に言った。『僕は小泉さんにも武部さんにも命令されたけど、あなたのところには行かなかった。これが僕の真情です』と」と、安倍首相との秘話を明かし、距離の近さをアピールしている。
しかし、第2次安倍政権が集団的自衛権の行使容認を目指す姿勢を鮮明にすると、野田氏は公然と批判を始めた。
14年6月号の月刊誌「世界」(岩波書店)に掲載されたインタビューでは、「安全保障も少子化とリンクしてくる。本当に安全保障を考えるなら、50年もつものを考えなければならない」と述べ、日本の現実に即した議論が出来ていないと批判。「日本は急速に少子化が進んでいる。自衛隊は基本的に若い男性で構成されているが、安全保障政策でリスクを取ろうとしても、担い手がいなくなろうとしている」とも指摘した。さらに、「軍事的な役割を果たすことと引き換えに何がもたらされるのか、首相はもっと提示すべきだ」と注文を付けた。
14年4月16日付のニュースサイト「ザ・ハフィントン・ポスト」でも、集団的自衛権の行使容認について「日本は憲法が制定されてから今までずっと、行使を認めないで来た。国際社会の一員として、(認めないことが)必要だったからではないか。すべての自衛権の行使を認めることによるリスクも合わせて説明してほしい」などと投稿し、丁寧な議論の必要性を訴えていた。
保守色の強い安倍首相との対立も辞さないように見える野田氏だが、「私こそ保守」と自任する。
自らが非嫡出(ちゃくしゅつ)子だったことを公言し、事実婚のまま米国で卵子提供を受け、50歳で男児を産んだ。
「島聖子」として生まれた野田氏は、23歳で衆院議員だった祖父・野田卯一氏の養子となり、姓が変わった。再婚では婚姻届を出したが、夫が野田姓を名乗った。子どもを産んだとき、「野田家を存続させる自分の責任を果たした」と感じたという。息子には障害があり、夫婦で子育てをしながら議員活動に奔走する。
夫婦別姓や民法改正に反対する議員が口にする「家族を守る」ということに、人生を通じて向かい合ってきたという自負がある。
野田氏は過去にも一度、党総裁選の出馬へ決意を固めたことがある。
自民党が09年衆院選で政権から滑り落ちた後、「党を立て直そう」と出馬を決めた。だが、政治の師と仰ぐ古賀誠元幹事長に伝えると、「やめておきなさい」と止められた。
古賀氏は、「総裁をめざす最低条件は、小選挙区選出であることと、党三役の経験だ」と語ったという。
党三役である総務会長を経験し、その条件は整った。安倍首相に批判的な古賀氏が野田氏の支援に動いているとの見方もあり、その動向が注目される。
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