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アップルミュージックでヒット曲が一変? ランキングも新時代突入

アップルが新しい音楽配信「アップルミュージック」を始めます。本格的なストリーミング時代、ヒット曲のランキングも変わり始めています。

定額の音楽配信サービス「アップルミュージック」を発表するアップル幹部=サンフランシスコ、宮地ゆう撮影
定額の音楽配信サービス「アップルミュージック」を発表するアップル幹部=サンフランシスコ、宮地ゆう撮影 出典: 朝日新聞

目次

 アップルがストリーミング形式の新しい音楽配信「アップルミュージック」を始めます。曲をダウンロードせず、聴きたい時にネット上へ聴きに行くこのスタイル。曲の人気をはかるランキングにも大きく影響を与えそうです。ストリーミング時代に対応し「YouTube」での人気を解析したり、ツイッター上の評判を測ったりするサービスが生まれています。

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アップル、ストリーミングに参戦

 「アップルミュージック」は、月額9.99ドル(約1230円)で、3千万曲以上が聴き放題になるというサービスです。ストリーミングサービスは、スウェーデン発の「スポティファイ」が有名です。日本でもサイバーエージェントやLINEが参入しています。それぞれ月額500~1千円程度で数百万から1千万曲が聴き放題になります。

新しい音楽配信サービスを発表するティム・クックCEO
新しい音楽配信サービスを発表するティム・クックCEO 出典: 朝日新聞
A ストリーミングはダウンロードと違って、曲は自分のスマホやパソコンに蓄積(ちくせき)されない。聴きたい時に聴きたい曲をインターネット上に聴きに行くイメージだ。アップルミュージックは月額9・99ドル(約1230円)で、3千万曲以上が聴き放題(ほうだい)になる。
 コ 聴き放題なんだ。
 A スウェーデン発の「スポティファイ」が有名だ。日本でもIT大手のサイバーエージェントや対話アプリのLINEが参入。月額500~1千円程度で数百万から1千万曲が聴き放題になるものが多い。
(いちからわかる!)新しい音楽配信サービス、アップルが始めるって?:朝日新聞デジタル

オリコン、50年間の歴史

 ヒット曲のランキングとして有名なのはオリコンです。CD売り上げランキングとして定着しています。50年間、変わらない指標で集計してきたのが特徴です。これによって、「○年連続トップ10入り」などのような、測り方ができます。

 一方で、AKB48など、握手券とセットでCDを売るアイドルが増えたことで、楽曲としての人気をどこまで測れるのか、疑問の声も出ています。また、「アップルミュージック」のようなストリーミングサービスは、CD売り上げランキングとしてカウントされません。

「ディズニーランドで1万円使うか、AKBのCDを10枚買ってイベントで1日楽しむのかはユーザーが選べばいい。AKB商法は決して間違っていない」と話すオリコンの小池恒社長=2015年1月16日、東京・六本木
「ディズニーランドで1万円使うか、AKBのCDを10枚買ってイベントで1日楽しむのかはユーザーが選べばいい。AKB商法は決して間違っていない」と話すオリコンの小池恒社長=2015年1月16日、東京・六本木 出典: 朝日新聞
『AKB商法とは何だったのか』の著者、さやわかさんは「AKBはシステムの急所を突き、オリコンをハッキングしている。オリコンはあくまで『CD売り上げランキング』なのに、あたかも『いい音楽ランキング』のように錯覚されている」と分析する。
 特典商法批判も踏まえ、オリコンは6月からライブチケットとセット販売されるCDを集計から除くなどチャート改革に乗り出した。過剰な競争をあおらないよう、随時ルールを見直す方針だ。ただ、いわゆるAKB商法は除外対象に含まれない。
 オリコンの小池恒社長は「ディズニーランドで1万円使うか、AKBのCDを10枚買ってイベントで1日楽しむのかはユーザーが選べばいい。AKB商法は決して間違っていない」と話す。
(変わるモノサシ:下)ヒット曲の基準、CD以外は:朝日新聞デジタル

ビルボードジャパン、YouTubeを合算

 近年、注目を集めているのが、ストリーミング形式の音楽配信です。物としてのCDは求めず、データとして保存をしなくてもいい。聴きたい時にネット上で聴きにいくというスタイルです。

 「ビルボードジャパンチャート」(http://www.billboard-japan.com/chart_insight/)は、6月から「YouTube」で再生されたストリーミングデータを合算したチャートを発表しています。もともと、「ビルボードジャパン」では、ラジオでの放送回数や、PCでCDが再生された回数などを組み合わせた複合チャートを発表していました。今回の「YouTube」のランキング合算について「知られていないヒット曲は常にあったが、それを見られるランキングがなかった」と説明します。

 複合チャートは「BBJチャートインサイト」として外販をしており、レーベルの担当者や、レコードショップの店員、コアな音楽ファンらにも提供しています。

YouTubeや推定売り上げ枚数など、様々な指標で比較できる「BBJチャートインサイト」
YouTubeや推定売り上げ枚数など、様々な指標で比較できる「BBJチャートインサイト」
関連リンク:CHART insight | Billboard JAPAN

ツイッターの熱量、発売前のランキングも

 「NMA Tokyo」が運営するネット上の口コミ解析ランキング「RUSH(http://rush.rancha.jp/index.html)」は、ツイッターのデータを解析したヒットチャートを発表しています。サイトでは、発売後と発売前の両方のランキングを見ることができます。

 同社は「これまでのランキングだと、上に来るのは、特定のジャンルに偏りがちだった。発売前から盛り上がっているファンの『熱量』や、アルバム販売数だけでは見えない盛り上がりを提供できれば、もっと魅力的なランキングが作れる」としています。

 新しい指標だけに、認知度を上げるのが当面の課題です。自社サイトにヒットチャート以外のコンテンツも充実させ、ランキングの知名度を高めていく方針です。

発売前のランキングも計測できる「RUSH」
発売前のランキングも計測できる「RUSH」
関連リンク:ネット上の口コミ解析ランキング「RUSH」

 今後も、様々なサービスが生まれそうな音楽業界。楽曲のジャンルや、プロモーションなどの組み合わせ次第で、ランキングも様変わりする時代に入っています。ネット上の情報を土台にした複合チャートの重要性は、これからますます高まっていきそうです。

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