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「桜塚やっくん」偲んで桜植樹へ 親友が募金集め、事故死した山口に
2年前に高速道路上で事故に遭い、この世を去った桜塚やっくん。事故が起こった場所の近くに、集めた募金で1本の桜が植えられようとしています。
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2年前に高速道路上で事故に遭い、この世を去った桜塚やっくん。事故が起こった場所の近くに、集めた募金で1本の桜が植えられようとしています。
セーラー服姿で竹刀を手にした「スケバン恐子」というキャラクターで一世を風靡した桜塚やっくん(本名:斎藤恭央さん)。2年前に高速道路上で事故に遭い、37歳でこの世を去りました。事故が起こった山口県美祢市に、集めた募金で1本の桜が植えられようとしています。「命日や桜が咲く季節に、ファンや関係者が集える場所になれば」。そんな思いで親友たちが企画しました。
やっくんが事故に遭ったのは2013年10月。下り勾配のカーブが続く中国自動車道の事故多発地帯で自損事故を起こし、車を降りたところをはねられました。女装バンド「美女♂menZ」としての活動で、熊本に向かう途中のことでした。
「スケバン恐子」として日本テレビ系のバラエティー番組「エンタの神様」に出演して人気者に。紅白歌合戦にもゲスト出場しました。視聴率や観客の反応を常に気にかけ、ネタの紙芝居をスタッフが面白くないと言えば、徹夜で書き直す努力家だったそうです。
2010年に「エンタ」のレギュラー放送が終わると人気は下火に。それでも身近な人には、こう話していたそうです。「一発屋と言われるけれど、1千人に1人もあがれないステージで、チャンスをもらった自分は幸せです」
そんなやっくんと親交が深かったのが、バンド「Dear Loving」のボーカルMASA☆さんと、元「いいとも青年隊」で、歌手「Ash Berry」として活動している岸田健作さんです。MASA☆さんが「自分たちが思う追悼の方法」として桜の木を植えることを提案。「ファンの止まった時計を動かすため、1年に1回花を咲かせて息吹を感じることができる場所をつくれたらと思ったんです」
やっくんが亡くなった後、主演する予定だった舞台で代役を務めた岸田さんも賛同。「正直、僕は自分のことで精いっぱい。このプロジェクトはやっくんのためじゃなくて、自分のためなんです。やっくんを想う人たちのために何かすることで『自分は無力じゃない』って思えるから」
亡くなった地に植えることで、やっくんが桜として生き続けてくれる。桜の木という目に見えるものがあることで、ファンが集える場所ができる――。そんな思いからスタートしました。
これまで、チャリティLIVEやニコニコ生放送を企画して募金を呼びかけました。目標額は数十万円でしたが、あえて期限は設けず、手作りの募金箱を作って、できる範囲内で地道に続けました。1年近くが経って、ようやく資金のめどが立ちつつあります。
昨年8月には事故現場がある美祢市を訪問。市長に会って、桜を植える場所の提供を頼みました。快諾した村田弘司市長は「悲しい事故でしたが、市の花が桜である本市で彼の軌跡が続くことに深い縁を感じています。関係者やファンの思いを大事にさせていただき、できる限り協力したい」と話しています。
偶然にも美祢市の市花は桜。事故現場から5キロほど離れた場所にある、約150本の桜並木が美しい「美祢さくら公園」に、やっくんの桜も植樹されることが決まりました。
植樹を間近に控えた岸田さん。やっくんの決めゼリフを引用しながら、冗談めかして語ります。「やっくん、『ガッカリだよ!』って思ってないでしょうね」
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4月13日(月)に桜の木プロジェクトLIVEが開催されます。詳しくは岸田さんのブログで紹介されています。