お金と仕事
自撮り動画で就活、じわり拡大 タップダンス、会社前で替え歌…
就職活動は動画で自己PR、という企業が増えています。エントリーシートを大量に出し、リクルートスーツで企業を訪問するという、これまでの就活の姿が変わるかもしれません。
お金と仕事
就職活動は動画で自己PR、という企業が増えています。エントリーシートを大量に出し、リクルートスーツで企業を訪問するという、これまでの就活の姿が変わるかもしれません。
就職活動は動画で自己PR――。学生側は動画を投稿し、企業が関心を持てば面接へ。動画を新卒社員採用に取り入れる企業が増えています。エントリーシートを大量に出し、リクルートスーツで企業を訪問するという、これまでの就活の姿が変わるかもしれません。
就職希望者からのメールに添付されたファイルを開くと、30秒の動画がスタートしました。
ある女子学生は、オーボエを吹きながらタップダンスを踊ります。またある男子学生は、ドラムセットなどが置いてある自室をぐるぐる周って紹介しながら、自己PR。ほかにも、本社前で入社意欲を替え歌にして歌ったり、アルバイト先のカフェの前でエプロン姿で営業について語ったり。神社で、新ビジネスをテロップ付きで熱弁する学生もいます。
音楽や出版、タレントのマネジメントまで幅広くエンターテインメント事業を手がけるソニーミュージックグループは5年前から、新卒採用に学生自作の動画を用い始めています。
「最近は、大学やセミナーでしっかり添削された文面のエントリーシートも多く、それでは素顔が見えにくい。といって、地方の人も呼んで全員面接というわけにもいかない。そこで考えたのが動画です」と採用担当者。
毎年、採用テーマに沿って面接官が質問している映像を、会社側がネットにアップします。学生はその問いに自分らしさを表現しながら、回答の動画を撮影して提出。通過すれば、適性検査、面接へと進んで入社に至ります。
昨年末に開設された動画就活サイト「レクミー」では、企業側が「一番チャレンジした経験を教えてください」など、テーマを出します。
学生側は、スマートフォンなどでテーマに沿った約1分の動画を自分で撮影し、志望企業に送ります。企業が会ってみたいとなれば面接に。学生側がどの企業にも見られるように自己PR動画を投稿し、企業側が人材を探す「スカウト方式」もあります。
実際に、英語劇への取り組みを語りながら自分の分身キャラクターが登場するパラパラ漫画を挟んだ動画を投稿した女子学生は、「型にはまった就活に疑問を感じていた。素のままの自分を企業に知ってもらいたかった」と話します。
レクミーを利用して学生を採用したウェブサービス提供会社は、「短くても良い動画を投稿できる子は要領がよく、新しいものに取り組むチャレンジ精神がある」と評価しています。