話題
山口県の立ち位置をはっきりさせたい
縦長だったり横長だったりして、ナニ地方か立ち位置がぼやけがちな都道府県がある。山口県も、中国と九州の狭間で、行政区分や経済活動ごとにバラバラな区分をされて、とかくぼやけがち。そんな県の立ち位置を、いろんな角度から探ってみた。
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縦長だったり横長だったりして、ナニ地方か立ち位置がぼやけがちな都道府県がある。山口県も、中国と九州の狭間で、行政区分や経済活動ごとにバラバラな区分をされて、とかくぼやけがち。そんな県の立ち位置を、いろんな角度から探ってみた。
縦長だったり横長だったりして、ナニ地方か立ち位置がぼやけがちな都道府県がある。
山口県も、中国と九州の狭間で、行政区分や経済活動ごとにバラバラな区分をされて、とかくぼやけがち。そんな県の立ち位置を、いろんな角度から探ってみた。
【2014年6月26日:朝日新聞紙面から】
山口県と九州の一体性の象徴だったのが、経済団体の名称だ。九州経済連合会(九経連、本部・福岡市)は、2006年に現在の名称に変更するまで、「九州・山口経済連合会」と名乗っていた。
九経連によると、名称を変えたのは「『九州・山口』という名前だと、あたかも山口県が中国地方から除かれているような印象を与えるから」だった。
山口県に本社がある企業・法人で九経連の会員なのは18社。うち14社が、関門海峡に面し、九州との結びつきがとりわけ強い西端の下関市に集中している。
他方、中国経済連合会(中国経連、本部・広島市)の会員は78社。九経連と違い、山口県内にくまなく分布している。
財務局、経済産業局、厚生局、農政局といった中央省庁の出先機関では、山口県はおおむね、広島市や岡山市にある中国地方をエリアとする役所の管轄だが、例外もある。
気象庁の出先は、鳥取、島根、岡山、広島各県は大阪管区気象台が管轄。だが、山口県だけは福岡管区気象台のエリアだ。山口県全域をカバーする下関地方気象台によると、「山口県の気候が九州に似ていることや、気象台の所在地が九州に近い下関であること」が理由らしい。
消費者では、広島市と福岡市のどちらの求心力が強いのか。それを示す指標の一つが、山口県と両市を結ぶ高速バスの便数だ。
ビジネス客が主体の新幹線とは違い、スピードは劣るものの運賃が割安な高速バスの得意客はデパートなどに買い物に行く中高年の女性や若年層。「ダイヤ編成の際はデパートの営業時間を考慮する」(バス会社の担当者)という。
山口県内と広島市を結ぶ高速バスは3系統。土日祝日の上り便は計44便だ。他方、山口県内―福岡市間は計33便。広島のほうがやや多いが、山口県経営者協会の田中一郎専務理事は「これだけ縦横無尽に広島や福岡への高速バス路線網が張り巡らされていること自体が、中枢となる街がない山口県の都市構造を如実に示している」と話す。
番外編はプロ野球だ。広島東洋カープと福岡ソフトバンクホークスのファンクラブ会員は、山口県にはどれぐらいいるのだろうか。
カープのファンクラブは総計2万9千人の定員制。ホークスは制限なしのため、単純比較はできないが、カープが1175人(5月23日現在)、ホークスは3840人(5月19日現在)だ。
大洋ホエールズ(現横浜DeNAベイスターズ)が下関市を本拠にしていたのは1954年シーズンまで。山口県が広島と福岡の球団の間で、ファン獲得の草刈り場となっていることは間違いなさそうだ。
(大野博)