「マッサン」のモデル、竹鶴夫婦の愛 リタ、石投げられた時代も

朝ドラ「マッサン」の主人公エリーのモデル竹鶴政孝さんとリタさんはどんな夫婦だったのか。二人の出会いや、リタさんの日本での奮闘ぶりをご紹介します。

神崎ちひろ

結婚直後の竹鶴政孝・リタ夫妻(1920年ごろ)=ニッカウヰスキー提供

 二人の出会いはスコットランドだった。竹鶴政孝は広島県の造り酒屋の三男として生まれ、大阪高等工業学校(現在の大阪大工学部)の醸造科を出て大阪の摂津酒造に就職。ウイスキーの製法を学ぶため英国・スコットランドに派遣されていた。

 グラスゴー大学に籍を置いていた政孝は、柔道を教えるため、ある少年の家に招かれ、その姉リタ(本名ジェシー・ロベルタ・カウン)と出会った。その頃、彼女は第一次大戦で婚約者を亡くし、同大の経済学科に通っていた。政孝はリタに求婚。「あなたが望むなら、日本に帰るのを断念して、この国で職を探してもいい」という政孝に、リタはこたえた。「私たちは日本へ向かうべきです。日本で本当のウイスキーを造ること。私もその夢を手伝いたい」。

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