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「イカ泳ぎ」って一体なに? 園児に伝える海や川での〝おやくそく〟

保護者が守りたい「ポジション」とは?

幼稚園児たちが、水辺の安全について学びました
幼稚園児たちが、水辺の安全について学びました

目次

海や川で遊ぶときの注意点を幼い頃から知ってもらおうと、水辺の安全に関わる団体などからなる「海のそなえプロジェクト」が、各地で安全教室を開いています。幼稚園に通う子どもたちを対象にした教室では、「イカ博士」が海や川での〝おやくそく〟を伝え、おぼれかけたときに有効な「イカ泳ぎ」を伝授しました。

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イカの帽子をかぶった「イカ博士」が登場

7月中旬、青いイカの帽子をかぶった「イカ博士」が、千代田区立麹町幼稚園(東京都)にやってきました。その姿に、集まった年長クラスの園児約20人と、保護者約10人が声を上げて笑います。

「海や川で楽しく安全に遊ぶためのお勉強をしましょう」。イカ博士が呼びかけると、園児たちは大きな声で「はーい!」と手を挙げました。

イカ博士はスクリーンにイラストを映しながら、水辺に行く前の準備について説明しました。

「まず海や川に行く前に大切な準備があります。明日海や川、プールに行くというとき、みんな楽しみで眠れないこともあるかもしれません。ご飯もあまり食べれないかも。でも、それはとても危ないです」

「行く前の日は、ちゃんと食べてよく寝る。これを覚えてくださいね。そうしないと、ぼーっとしちゃってとても危なくなります」

幼稚園に「イカ博士」がやってきました
幼稚園に「イカ博士」がやってきました

海や川で注意することは

続いて、海や川に到着したあとの注意点を伝えていきました。

「海や川で深いところに行ってしまったり、流されてしまったりしておぼれることがあります。ちゃんとライフジャケットを着ましょう。海やプールではライフジャケットを貸してくれるところがあるので、お父さんやお母さんにお願いしましょう」

「入るときは走っていくと転ぶことがあって危ないです。深さや冷たさを確認しながら、ゆっくり入ってください」

「脱げやすい靴やサンダルもとても危ないです。脱げちゃって流されると追いかけたくなりますね。でも、追いかけたらダメ。浮輪が流されたとしても、追いかけない。自分で追いかけずに、大人の人に伝えましょう」

園児たちは、イカ博士のほうを向いて真剣に話を聞きます。

イカ博士は、おぼれの危険だけではなく、岩場での注意点についても話しました。

「海や川には石や貝殻があるよね。だから、ちゃんと靴を履きましょう。そして手袋。特に岩場で貝殻や魚を捕まえるときは手袋をしていないと、けがをすることがあります。水に長く入っていると手や足のひふが弱くなってしまうので、靴と手袋が大事です」

「特に海は変わった生き物がいっぱいいます。クラゲとかさわらないでね」

「へんてこなもの」には触らないように注意しましょう
「へんてこなもの」には触らないように注意しましょう

覚えておきたい「ママパパポジション」

このほか、水分補給や休憩をするといった体調管理についても伝えました。

注意点を伝えていると、ひとりの園児から「プールには魚がいないから大丈夫なんじゃないのかな?」という質問が寄せられました。

イカ博士は、「プールも流れるところがあるし、浅くても足がすべっちゃうこともあるから注意が必要だよ」と丁寧に伝えます。園児は「流れるプール行ったことある!」と話していました。

そして最後にイカ博士は、こう伝えました。

「きみたちはまだ小さいので、お父さんお母さんから絶対に離れないようにね」

「お父さんお母さんも、子どもの近くにいてください。『ママパパポジション』というのがあります。海では、子どもよりも沖側の深いほうに立つ。川では、流れの下のほうにいてもらう。何かあったらすぐに手を握れるように『ママパパポジション』をお願いします。みんなも家に帰ったらおうちの人にお願いしてください」

海では子どもよりも沖に立つ「ママパパポジション
海では子どもよりも沖に立つ「ママパパポジション

「イカ泳ぎ」に「イカ体操」

水辺の安全に関する〝おやくそく〟を学んだあと、園児たちは「イカ泳ぎ」の方法を教えてもらいました。

「イカ泳ぎ」は、おなかを上にしてあごを引き、手足をゆっくりあおる泳ぎ方。おぼれかけたときに顔を上げて呼吸をしやすかったり、疲れにくかったりするとされています。

【関連記事】海の事故「浮いて待て」は危険かも…救助のプロが勧める〝イカ泳ぎ〟
https://withnews.jp/article/f0240714001qq000000000000000W02q10201qq000027103A
 
みんなで一緒に「イカ体操」
みんなで一緒に「イカ体操」

園児たちは「イカ泳ぎ」に加え、水に入る前の準備運動「イカ体操」にも挑戦しました。

園児を見守っていた保護者のひとりは、「連日、小さい子から大人まで川や海で事故に遭ったことが報道されていて、子どもがいる親としてひとごとではないと思っていました」と話します。

「もし子どもやわたし自身がそうなったらと思うと……きょう参加してお話が聞けてよかったです。うちの息子は本当にやんちゃで、川や海に連れて行くと水が腰の高さくらいのところまですぐに行ってしまいます。『ママパパポジション』を守って遊ばせたいと思います」

安全教室の講師を務めたイカ博士の正体は、公益社団法人・日本水難救済会(水救会)常務理事の江口圭三さんです。

水救会は、日本財団や日本ライフセービング協会などとともに推進する「海のそなえプロジェクト」の一環で、全国の幼稚園や保育園、学校で安全教室を開いています。

江口さんは、「海での事故は、7歳と14歳が多いというデータがあります。水難事故防止にオールジャパンで取り組んでいかなければいけません」と話しています。

水の事故の対策
※クリックすると特集ページに移動します
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