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連載

#33 #令和の専業主婦

「昭和的考え令和では…」「働きたくても事情が」〝年収の壁〟考える

男女の賃金格差を広げる原因の一つとも指摘

hanack/stock.adobe.com
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目次

主にパートタイムで働く既婚女性が、収入をおさえるために就労時間を調整する「年収の壁」が問題となっています。いくつかの「壁」がある中でも、注目されているのが「第3号被保険者制度」が関連する「130万円の壁」です。

朝日新聞が「年収の壁」をテーマに、働く時間を調整する理由や、年収の壁/年金の第3号被保険者制度の今後などについて意見を募ったところ、「共働きが当たり前になってもアップデートされないのはおかしい」専業主婦だったという女性は「(家族から)見下されないためにも社会保険料など払うべき」といったコメントが寄せられました。基礎疾患のある子を持つ親からは「子ども最優先の生活。基礎疾患がある子どもの育児はそれだけでも精神的に厳しい」という声も寄せられました。

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「年収の壁」について、ご意見をお寄せください。(5月1日締め切り)
https://www.asahi.com/opinion/forum/220/

年収の壁の背景は

「年収の壁」の背景にあるのは、年収130万円以下なら会社員や公務員の配偶者の扶養に入ることで保険料を払わずに基礎年金を受給できる「第3号被保険者制度」で、これが適用されているのは女性がほとんどです。

この制度は、主に専業主婦が無年金になるのを防ぐためにつくられましたが、男女の性別役割分業を前提にした仕組みであり、男女の賃金格差を広げる原因の一つとも指摘されています。

「現在は必要だが、10年後は不要になる」

朝日新聞の調査では、「第3号被保険者制度」の必要性について選択式の質問を設けました。

〝年収130万円以下なら会社員や公務員の配偶者の扶養に入ることで保険料を払わずに基礎年金を受給できる年金の第3号被保険者制度は、日本に必要だと思いますか?
・現在も10年後も必要だと思う
・現在は必要だが10年後には不要になると思う
・現在も10年後も不要だと思う
・その他、わからない〟

「現在は必要だが、10年後は不要になると思う」と答えた人は、次のようにコメントを寄せてくれました。

     ◇

 令和の今もアップデートしないままなのはおかしい(20代女性)
大前提、働きたくても働けない人にとって、必要な制度だとは思うが、 昭和的な考えのもと作られた制度が、共働きが当たり前になった令和の今もアップデートしないままなのはおかしいと思う。

また、そもそもの時給が高かったり、何かしら事情がある方も働けるような、働き方に対して柔軟な考えを持つ企業が増えれば、働きたくても働けないという方が働けるようになり、年収の壁を超えられるのではないかと思う。

また、今、103万の壁を引き上げているが、所得税よりも社会保険のほうがよっぽど影響が大きいと思うので、国民の手取りを増やすために103万の壁の引き上げが本当にベストな策なのか、今一度見つめなおしてほしい。

会社都合の場合も(60代男性)
家族には「年収の壁」を意識して働いている人はいないが、家族の勤務先では、そんな話を聞く。
ただ、聞こえてくるのは、会社の都合。安くパートを使いたいから、と。

子育ても一段落したのでもっと働きたいと言っても、保険本人になるのが困る(会社負担が増える)と、制限されるらしい。 税金が増えて、手取りが減ると都合の良い言葉でだましてる。

「現在も10年後も不要だと思う」

第3号被保険者制度は「現在も10年後も不要だと思う」と回答した人は、次のような意見でした。
     ◇

見下されないために払うべき(70代女性)
私は年金生活者ですが、専業主婦でした。主人からも子供からも社会に出ていないと見下され、本当に生きているのがいやになるほどでした。

だからこそ、第3号の人も社会保険や税金はきっちり払うべきだと思います。もしかすると払っている金額が少ないからと見下されるかもしれませんが、理不尽な制度さえなければ女性だって思いっきり働けるはずです。

 福祉サービスを充実させる前提で、3号不要(40代女性)
人口が減少し、高齢化が進む中で少しでも労働力を得るためには年収の壁など意識せずに働ける環境を整えた方が良いと思う。

また福祉を充実させるためにも、労働可能な人は労働に従事してほしいという気持ちから、年金の第3号は不要だと感じた。
もちろん仕事に従事する為には家族で育児や介護を全て担うのではなく、福祉サービスを充実させて国で家事の支援をするような体制を整えてほしいと思う。

「現在も10年後も必要だと思う」

第3号被保険者制度は「現在も10年後も必要だと思う」と回答した人は、次のような意見でした。
     ◇
家族の協力あればフルタイムできるかも(40代女性)
私自身がパートで働き、年収の壁を意識しています。

本来ならフルタイムで働きたいのですが、障害のある子供いるのでパートとして短時間の勤務で働いています。

家族の協力があればフルタイムで働けるのかもしれませんが、難しいのでパートをしています。また、時給が上がるのは嬉しいのですが、年収を意識して働く日数や時間を調整したりするようにしています。

子どもに基礎疾患ある子の育児、それだけで厳しい(40代女性)
私は元々子どもがいても仕事を続けたいと思っていました。

しかし子どもに基礎疾患があるために再就職はあきらめ、短時間の派遣で働いています。

介護や育児で外部の手を借りることは不可能ではありませんが、そのような調整は骨が折れますし、何より自分で子どもの世話をしたいと思うので、子ども最優先の生活をしています。

時代が変わったために第3号被保険者制度の見直しが必要だということはわかります。しかし私のように、働きたくても事情があるためフルタイムで働けない者にとっては、働かないと基礎年金が受給できなくなるとなれば、追い詰められるように感じてしまいます。

基礎疾患がある子どもの育児はそれだけでも精神的に厳しいです。
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https://www.asahi.com/opinion/forum/220/
   ◇
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