連載
#4 #アラサークライシス
「生き方定まらない」20代の出版社員、悩みそのまま選書フェアに
「今後の人生どうしようか悩んでるあなたと読みたい」コンセプトに、全国書店で

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#4 #アラサークライシス
「今後の人生どうしようか悩んでるあなたと読みたい」コンセプトに、全国書店で
「27歳なのにまだ生き方が定まらない私が今後の人生どうしようか悩んでるあなたと読みたいとびきりの1冊を選びました」――。若手の出版社員がそんな選書フェアを企画し、SNSでも投稿しています。結婚や出産、転職などライフステージが大きく変わる時期で悩む人びとへ、「一緒に乗り越えていきましょう」と呼びかけます。
フェアを立ち上げたのは、柏書房(東京都文京区)で営業を担当する見野さくらさん(27)でした。
30代が見えてくるようになると、「みんなは着実に人生の駒を進めているようにみえるのに、私だけ取り残されてる」ような漠然とした焦りを感じることが増えたといいます。「もしかしたら、これ自分だけじゃないのでは」と思い立ち、フェアのテーマを決めました。
実は、見野さんが「自分」をネタにしたフェアを企画するのは、今回が4度目。入社したばかりの頃には「24歳新入社員の私がガチで選んだ同世代に絶対読んでほしい柏の本フェア」。そこから「3年目の壁」「後輩に抜かれつつある私」と続き、今回の「27歳なのにまだ生き方が定まらない私」に至りました。
同僚が転職したり、家庭を持ったり。ニュースに目をやれば現役世代の負担増や育児の大変さを伝えるものが入ってきます。
そんな日々を送っていた見野さんも、最近ハッとする出来事があったそうです。「年末に帰省したら、母から『お金は出すから』って卵子凍結の話を持ちかけられました。そんな重大なことを考えるような、人生のフェーズに入ったのかなと」
20代後半から30代にかけて訪れる、漠然とした不安や焦りは「クオーターライフクライシス」とも呼ばれています。多くの同世代が見野さんのように悩んでいます。
これまでもフェアの選書ではラインナップを少しずつ変えてきましたが、特に今回は「自分の時間を大切に見つめ直す本は?」「これから少し先までを見通した『生き方』についてメッセージを語りかけてくれる本は?」といった観点でピックアップしたそうです。
「これまでは『今その時』しか見えていなかったけど、今回は30代になった頃の自分や、周囲の人々の姿も頭に浮かんできました」と振り返ります。
機会があれば、次はこの「モヤモヤ」期を乗り越えた人たちにも焦点を当てたいと見野さんは話します。
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