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「こちら…弊社の著作物でして」 有名な〝あの気球〟の真実に衝撃
誰もが目にしたことがある〝あの気球〟の画像について、愛知県にある眼科の医療機器メーカーがXに投稿した真実が話題になっています。〝あの気球〟には偶然、写り込んでいたものがありました。話を聞きました。
投稿された丸い画像は、草原の中を地平線まで伸びる一本道と、その先に浮かんだ赤い気球。そう、眼科などの検査でよく目にしている〝あの気球〟です。
投稿はこう続きます。
《こちらの画像…弊社の著作物でして…もし何かにご使用になりたい場合はご連絡下さいませ…但し色々ガードが固いため申し訳ありませんがお断りすることが多くなる恐れがございます》
この投稿には、「この投稿で初めてくっきり柄が見えた!」「ゆっくり見られてうれしい」などの驚きの声が上がりました。また、画像を拡大して見た人が「対向車がいるの初めて知った」と発見を寄せると、「言われなきゃ一生気づかなかった」と話題になり、10万いいねがつきました。
#いいにくいことをいう日
— G-SQUARE【公式】🫘 (@GSQUARE_gaming) November 29, 2024
今年も言わせて下さい…こちらの画像…弊社の著作物でして…もし何かにご使用になりたい場合はご連絡下さいませ…但し色々ガードが固いため申し訳ありませんがお断りすることが多くなる恐れがございます。 pic.twitter.com/b8JA7PFrqJ
11月29日の「#いいにくいことをいう日」にちなんで投稿されたこちら。ニデックの広報担当者に話を聞きました。
〝あの気球〟はちゃんと正式名称があるそうで、「気球チャート」というそうです。
気球チャートが搭載されているのは「オートレフケラトメータ」という装置で、気球の絵をぼやけたり、はっきりさせたりしている間に目の屈折度などを自動で測定しているそうです。
ほかにも3種類の装置で気球チャートを使っているとのこと。
話題になった投稿には「検査の時に気球がはっきり見えない」と心配する声も上がりましたが、担当者は「気球がはっきり見えるかどうかは実は関係がなく、絵をはっきりさせたりぼやけさせたりすることで、目をリラックスさせて測定しているのです」といいます。
そもそも、なぜ気球なのでしょうか。この気球チャートが使われるようになったのは1990年で、30年以上の歴史があるそうです。
でもそれ以前の約10年間にわたり使われていたのは、緑色の背景にアスタリスク(*)マークというシンプルな画像でした。
ところが、「なかなか目がリラックスしなかった」のだそう。正しい測定には目のリラックスが重要なので、さまざまな絵を試してみたそうです。
その結果、選ばれたのが、現在の〝気球チャート〟でした。
あの一本道は実在している道で、「アメリカのアリゾナ州にあるモニュメントバレーの一本道」の写真なのだそう。
赤い気球はイラストで、「遠くに気球があることで視点が定まる」と言います。雄大な景色にぽかんと浮かんでいる気球を見ることで、目も「リラックス」できるそうです。
今回の投稿では、気球チャートの反対車線に車が走っていると気づいて指摘した人もいました。この車も測定になにか関係があるのでしょうか?
担当者は「あ、それはたまたま風景写真に写っていた車です」とのこと。
アメリカの風景写真を採用したのには、米国留学経験があるニデックの創業者の「眼科の医療機器市場で最大のアメリカでいつかナンバーワンになりたい」という思いが込められているそうです。
この気球チャートが「著作物」だと知らせた今回の投稿。実はこれまでにたびたび、無断で利用されているのが見つかっていたそうです。
マグカップなどのデザインから目関係のサプリメント、さらには海外のロックバンドのアイコンになっていたこともあるそう。
ニデックの装置は世界約100カ国に輸出されており、世界中でこの〝気球チャート〟が見られているとのことで、「商業目的での利用はNGですが、みなさんが使いたいと思って下さることはただただうれしいな、と思います」。
広く親近感が持たれている気球チャート。投稿にはさまざまな反応がありましたが、「こどもが装置をちゃんとのぞき込むように『よく見ると気球から人が手を振っているよ』と言っている」という人もいました。
確認すると、担当者は「気球に人は乗っていないという認識でしたが……。ちょっと拡大して見ていきますね……。カゴは見えますが……あ、ぼやけた!」と、細部までは確認できませんでした。
気球チャートを見ると「目に風を直接かける怖い検査機器」と認識している人もいました。実際は、気球チャートが出ている間は風は出ないそうで、「安心してリラックスしながら見てください」とのこと。
「気球チャートを見ていると、どうしてもまばたきしてしまう」という相談も寄せられました。気球を見つめている間に測定用の光が当てられているそうで「ちょっと我慢してほしい」そうですが、コツはあるのでしょうか。
広報の担当者がベテラン社員に聞いたところ、「何かに集中するとまばたきを控えることができるといわれていますので、リラックスしながら気球に集中する(しっかり見る)ことでしょうかね」とアドバイスがあったそうです。
これからも、リラックスしながらしっかり気球を見て、目の健康を守っていきたいですね。
※12日、情報を更新しました
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