ネットの話題
本物すぎて気づかれなかった!? 色鉛筆で描く「ぬいぐるみ」に驚き
「拡大しても色鉛筆には見えない!」
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「拡大しても色鉛筆には見えない!」
あまりにも本物すぎて、色鉛筆で描いた絵だと気づかれなかったーー。X(旧Twitter)に投稿されたトリケラトプスのぬいぐるみの画像が話題です。先立ってメイキング動画を投稿したときは、本物のぬいぐるみだと思われたのか、一部のユーザーにしか「絵」だと気づかれない事態に。色鉛筆でリアリティーを追求する作者に話を聞きました。
話題になったのは、色鉛筆アーティストの慧人(けいと)さん(@Yassun0222K)が描いたトリケラトプスのぬいぐるみのイラストです。
10月上旬、「トリケラトプスの人形を色鉛筆で描きました!! むちむち感を感じて欲しい〜!!!」というコメントとともにXに画像を投稿すると、3万を超える「いいね」が寄せられ、100万件近く表示されました。
トリケラトプスの人形を色鉛筆で描きました!!
— 慧人 (@Yassun0222K) October 8, 2024
むちむち感を感じて欲しい〜!!! pic.twitter.com/24rEQYhrxL
ユーザーからは、「質感がやばい」「ムチムチとモフモフが共存してる」「拡大しても色鉛筆には見えない!」と驚きの声が集まっています。
慧人さんはこれまでに、「ニンテンドー3DS」やファンタの缶、コカ・コーラの瓶、メガネ、コップなど、本物そっくりの立体画を数多く描いてきました。
ぬいぐるみに挑戦するのは今回が初めて。「以前から、ふわふわな毛の質感のものを描きたいという気持ちがありました。知人の4歳の息子さんに絵を描く機会に恵まれたので、このタイミングでやってみようと思いました」
ネットで見て一目ぼれしたトリケラトプスのぬいぐるみを買い、手元に置いて見ながら描いたといいます。制作にかかった時間は約80時間。40色ほど使ったそうです。
慧人さんは猫やフクロウなど生き物を描いたことはありますが、「ぬいぐるみは毛が短く毛束が太いので、動物の毛並みとは全然違います」と話します。
描く上では、ぬいぐるみをじっくり観察し、「毛流れを意識しながら立体感が生まれるように調節した」そうです。
「すべてを描くことは不可能なので、毛の質感など省略できる部分を考えながら色選びをしました。遠くから見たときには違和感なく、近くで見ると色鉛筆の線でしかない部分がたくさんあります」
光の当たり方を表現することが大変だったという慧人さん。上下・左右から当たっていることを意識しながら、白い空間に浮いているように見せることにこだわったそうです。
実は、慧人さんは画像を投稿する前日にも、トリケラトプスのぬいぐるみの絵を描いているメイキング動画を投稿していました。
色鉛筆で描いた部分を電動消しゴムで消す様子でしたが、あまりのリアルさに本物のぬいぐるみだと思われたのか、一部のユーザーにしか「絵」だと気づかれていなかったといいます。
こーれ、エグい pic.twitter.com/3IbBeqc4uN
— 慧人 (@Yassun0222K) October 7, 2024
慧人さんは、「ふだん絵を投稿している身なので、当然気づかれるだろうと思っていました。だから『あれ?』となりましたね」と笑います。
画像を投稿したことで「絵」だと気づいてもらえ、「気合いを入れた作品だったのでうれしいです。驚いてくださっているコメントを読んでニヤニヤしてしまいます」。
リアルな色鉛筆画を追及している慧人さんですが、時折SNSなどで「写真でいいのでは?」「絵にする必要があるのか?」という意見も寄せられます。
「賛否両論があるのは当たり前」と受け止めつつも、「誰かに喜んでもらえたらいいなと思っている作品を否定された気分になって、少し悲しい気持ちになります」と話す慧人さん。
「私が好きなモチーフ、今まで思い出に残ったものや、誰かの大好きだったものなど、心に残るものを描いています。それらを一番伝えやすく、私が得意としていたものが『写実』だっただけ。作品全てにおいて愛を込めて描いているつもりです」
今後については、「モチーフへの愛情や思い出、制作中の空気感などを作品に込めて、これからもいい意味で『気持ち悪い』と思われるほど作品の解像度を上げていきたいです。布などの色鉛筆で表現しづらいものにあえて挑戦していきたい」と話しています。
◇ ◇ ◇
慧人さんの初の個展「慧人 色鉛筆で生み出すリアル」が11月2日から静岡県浜松市の平野美術館で開かれます。詳細は慧人さんのSNSから。
https://x.com/Yassun0222K/status/1833457664984289482
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