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「将来に不安がある人は選挙に行こう」 ポスターで呼びかけた理由は
40人以上のクリエイタ-が参加
「今なんとなく将来に不安がある人は選挙に行こう」
10月27日投開票の衆院選。その投票を呼びかけるポスターが10月中旬、SNSに投稿されました。これは、クリエイターたちが「投票へ行こう」とポスターで呼びかける企画に参加したもの。参加したイラストレーターは「投票へのかたいイメージを、少しでも身近に感じてほしい」と話します。
ポスターをつくったのは、イラストレーターのミヤザキさん。普段は、人や動植物をモチーフにしたイラストを描き、本の表紙やイベントポスターなどを制作しています。
ミヤザキさんが投票を呼びかけたポスターは、全体がほぼ青一色。その青の中を、スコップを持った人が「青」を掘り進めるイラストが描かれています。
キャッチコピーは「今なんとなく将来に不安がある人は選挙に行こう」。
政治とカネの問題や物価高対策、安全保障など、特定のテーマを思い起こすような文言は入れず、受け手にゆだねる呼びかけが印象的です。
今なんとなく将来に不安がある人は全員選挙に行きましょう〜
— ミヤザキ (@mmzaki_3) October 15, 2024
その不安に寄り添ってくれそうな人、政党に入れよう
いろいろな投票ポスターがこちらから見れますhttps://t.co/voMkvjT56q pic.twitter.com/5jYAVIQu2n
ミヤザキさんは「いまの生活に不満があったり将来に不安があったりする人はたくさんいると思います。でも、『それはあなたのせいじゃなくて今のシステムや社会のせいかもしれないですよ』『投票で変わる未来があるかもしれないですよ』ということを伝えたかったです」と語ります。
「自分がいま、何にモヤモヤしているのか、その気持ちに向き合ってみると、実はそれが社会の問題と繋がっていたりします。このポスターを見た人が自分の抱えている不安や不満と向き合うきっかけになれば、そして投票に行ってもらえたらいいなと思っています」
今回、ミヤザキさんがこのポスターを描いたのは、2021年の衆議院議員選挙から始まり、今回4回目となった「#投票ポスター2024」という企画の一貫。
イラストレーター・グラフィックデザイナーの惣田紗希さん、グラフィックデザイナーの平山みな美さん、編集者の岡あゆみさんが中心のプロジェクト「表現と政治」から派生し生まれたもので、イラストレーターや写真家、漫画家など表現を生業とする人たちが、投票や選挙でポスターを制作し、それを貼ったりSNSで拡散したりする企画です。
シンプルなイラスト上に、「VOTE」と選挙の日付だけが描かれたものや、和服の女性のイラストと共に「生活のために未来のために変えるために投票」と描かれたもの、クリエーターの「政治」に対する思いが綴られたもの、「接戦選挙の例」とデータを羅列したデザイン――。
10月22日時点で、ホームページ上には42人のクリエイタ-のポスターが発表されており、それぞれのポスターをクリックすると、クリエイタ-の思いを読むこともできます。
ポスターは印刷用PDFとしてダウンロードでき、企画者は「SNSでの拡散はもちろん、ポスターを貼れるスペースがある人はぜひお気に入りのポスターを印刷してさまざまな場所に貼ってください」と呼びかけています。
ミヤザキさんは企画に参加してみて「ポップなデザインのポスターがたくさん制作されているのを見ていると楽しいです。投票へのかたいイメージを少しでもカジュアルにというか、身近に感じてもらえたらいいですね」と語ります。
「イラストレーションがどのように社会と関わっていけるか、イラストやデザインや言葉が持つ力がどう影響するのか、ということに興味があるので、ポスターの制作は続けていきたいです」
さらに、選挙に足が向かない人にもこんな風に呼びかけました。
「もし『自分の1票に意味はない』と思うなら、なおさら最初は気楽にいけばいいんじゃないでしょうか。まずはそれぞれの公約を読んでみてください。不安かもしれないけど、自分のものさしで決めたら良いんですよ〜と伝えたいです」
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