連載
#8 水の事故を防ぐ
藤本美貴さん、子どもの事故へ備え 家のプールでもライフジャケット
「何かあってからでは…」
海や川で泳ぐとき、ライフジャケットを着た経験のある人は15%以下――。そんな現状のなか、子どもたちと水のレジャーを楽しむ〝ミキティ〟ことタレントの藤本美貴さんは、家族5人全員分のライフジャケットを買って着用しているといいます。水辺で遊ぶときに、子どもたちに伝えているルールとは……。話を聞きました。
6月に開かれた「海のそなえシンポジウム」。4歳、9歳、12歳の子どもを育てる藤本さんたちが登壇し、ライフジャケットなど浮遊具の着用について意見交換しました。
自身が子どもの頃はライフジャケットについて「あまり聞いたことがなかった」という藤本さんですが、いまでは家族5人全員分のライフジャケットを購入。4歳の次女には、家の庭でプール遊びをするときも着せているそうです。
シンポジウムで報告された日本財団などの調査(全国の15~70歳の男女対象、回答数1万1829人)によると、「海や川など遊泳時のライフジャケットの着用経験がある人は15%以下」。
ライフジャケットの購入経験がある人は10.3%で、購入しない理由では「使う頻度が少ない」が44.6%、「必要な時はレンタルするから」が33.0%、「危険な場所には行かないから」が20.8%と続きました。
藤本さんは「私はライフジャケットを比較的使っている方でしたが、こんなに知られていないんですね。どこに売っているか分からないというデータもあって、持とうと思っていない人が多いことにもびっくりしました」と話していました。
YouTubeでもたびたび子どもたちと水のレジャーを楽しむ動画を投稿している藤本さん。改めてインタビューすると、「子どもが生まれてから特に、対策できることはしなきゃいけないと思うようになりました」と、水の事故を防止する大切さを語ってくれました。
ライフジャケットを購入したのは4年ほど前。湖のそばでキャンプをしたり、SUP(サップ/ボードに立ち乗りしてパドルをこいで進むスポーツ)を楽しんだりするために買ったそうです。
「湖に行くシチュエーションがなかったら、浮輪は持っていてもライフジャケットまでは買っていなかったと思います。シュノーケリングのゴーグルなどと一緒に、スポーツ用品店でそろえました」
しかし、周囲でライフジャケットをそなえている家庭は少ないそうです。
「でも、ライフジャケットを着ることで命が守られるなら、こんなに安いことはありません」と藤本さん。
「子どもたちは意外とライフジャケットを着ることに抵抗がなかったんですよね。カラフルでかわいいデザインもあります。買ったときはまだ幼かったからというのもあるかもしれませんが、『着ないと行っちゃダメだよ』と言ったら着ますね」
幼い頃から「水で遊ぶときはライフジャケットを着る」という習慣づけが大切なのだと考えさせられます。
長男も長女も3歳からスイミングスクールに通わせ、水に対する恐怖はないとのことですが、それでも安心はできません。
「足場がすべったり、岩場だったりもするし、おぼれるだけでなくケガをする可能性もあります」
だからこそ、事前の準備や心構えを大切にしようと、「子どもだけで水の中に入ってはダメ」「海や川、湖ではライフジャケットを着る」というルールを、遊びに行く前・現地に到着したときに子どもたちへ伝えているそうです。
「今年も海やプールに行きたいねと話しています。怖がってばかりだと楽しめませんが、何かあってからでは取り返しがつきません。そうならないように最善を尽くしたいと思っています」
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