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フリーレン、推しの子…200作分析、アニメ好きがハマった作品は
GWは「家でのんびりテレビ」という人もいるのではないでしょうか? ケーブルテレビ大手のJCOMがアニメの視聴時間帯を分析したところ、アニメ好きの大人が見る作品の傾向が明らかになりました。昨年に放送された約200作品中、〝アニメ好きの大人〟がハマっていた作品とは――。(朝日新聞デジタル企画報道部・篠健一郎)
JCOMは、視聴データ取得の許諾を得た見放題サービスの加入者を対象に、2023年に地上波・BS・CSで放送された約200作品の録画および配信での視聴が、どの時間帯に見られたかを調べました。
JCOM以外のサービスでも見逃し配信されている作品を対象とし、独占作品や見逃し配信をしていない作品は調査対象から外しました。
その上で、視聴時間帯から見ている人を類推できるのではないかとの仮説を立て、以下の4つのクラスター(まとまり)を作りました。
①「家族みんなでそろって見る」(午後8時~9時ごろにピーク)
②「大人のファンが多いが家族でも見られる」(昼ごろに見られるがやや分散)
③「メインが子ども」(朝と午後7時ごろにピーク)
④「アニメ好きの大人が見る」(午後9時ごろがピークだがやや分散)
人気の高い「SPY×FAMILY」、「薬屋のひとりごと」、「葬送のフリーレン」、「進撃の巨人」、「【推しの子】」などは、いずれも「大人のファンが多いが家族でも見られる」に分類されました。
「家族みんなでそろって見る」に分けられたのは『「鬼滅の刃」 刀鍛冶の里編』と「呪術廻戦」などで、1990年代後半にもテレビ放送された「るろうに剣心 ―明治剣客浪漫譚―」もこちらの分類に入りました。
「アニメ好きの大人が見る作品」に分類されたアニメの中で、視聴世帯数が特に多かったのは、以下の6タイトルでした。
「絆のアリル」
「とあるおっさんのVRMMO活動記」
「彼女、お借りします」
「TRIGUN STAMPEDE」
「アークナイツ」
「この素晴らしい世界に爆焔を!」
「アニメ好きの大人が見る」作品は、原作が、バーチャルユーチューバーや小説・週刊漫画誌・ゲームなどと、他のクラスターに比べて多種多様でした。
分析をした「J:COM あしたへつなぐ研究所」は、「話題になっているから見るというよりは、作品ごとの熱いファンが、好きだからという自発的な動機で見ていたと考えられる」としています。また上記の6作品では「絆のアリル」と「アークナイツ」の録画視聴が8割を超えていました。
動画配信サービスには、膨大な視聴データを分析し、利用者が見たいと思う作品を「おすすめ」する機能があります。そのための手法として、作品のジャンルや内容などを元にしたタグ付けがよく知られていました。
JCOMもそうしたタグ付けを行っていますが、分析したデータアナリストの児玉祐実さんは「今回取り組んだ、視聴時間帯から作品のカテゴリーを予測する分析は、新しい方法だと考えており、アニメ以外のジャンルにも応用できると期待しています。タグを充実させることで、お客様の好みをより深く理解し、サービス作りにいかしたいと考えています」と話しています。
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