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#92 夜廻り猫

「お金を貸して」夫の会社の資金に 友人の依頼、答えは… 夜廻り猫

「夫の会社の運転資金のため」と、お金を貸してほしいと友人から頼まれた女性。その答えは…
「夫の会社の運転資金のため」と、お金を貸してほしいと友人から頼まれた女性。その答えは… 出典: 夜廻り猫

友人から「頼みがある」と言われて会った女性。夫の会社の運転資金として「300万円貸してもらえない?」と頼まれて――。「ハガネの女」「カンナさーん!」などで知られる漫画家の深谷かほるさんが、SNSで発表してきた「夜廻り猫」。今回は、お金の貸し借りのエピソードです。

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「今友達に借りたら、頼る先がなくなる」

久しぶりに会った友人に、女性が「なぁに?頼みって」と尋ねると、友人は「300万、貸してもらえない?2年でお返しします」と意を決したように告げました。

思わず言葉を失う女性。友人は夫の会社の運転資金だと説明し、「大丈夫、最悪私が返せるから」とフォローします。

女性が「うん……貸さない」とつぶやくと、友人が「わかった」とうなずきます。

女性は「運転資金は貸金業者に借りるべきだよ」「今、友達に借りたら、あなたがいつか離婚して子どもと再出発するときに頼る先がなくなる」と伝えます。

「私に頼るのはその時にして」。その言葉に、友人は言葉少なに「わかった ありがとう」と応じたのでした。

そんな女性の心の涙の匂いに気づいた、猫の遠藤平蔵。女性に声をかけると、女性は「すごく傷つけた 彼女が大事にしている夫さんを私が認めていないのがバレちゃった」と心情を吐露します。

「彼女のためなら何でもできると思ってたけど、そんな立派な人間じゃなかった」とこぼす女性に、遠藤はただ「そうか」「そうか……」と寄り添うのでした。

「貸してくれ」で壊れる人間関係

今回は、友人とのお金の貸し借りを描いた作者の深谷さん。

「よく『借りても貸しても人間関係が壊れる』と言われますが、私は『貸してくれと言い出しただけで人間関係は壊れる』のではないかと思います。なので私なんかは、『お金は借りないと決めてしまおう』と思っています」と話します。

その上で、深谷さんは「お金について知るべき知識を頭に入れたい時には青木雄二さんの『ナニワ金融道』(講談社)という漫画がおすすめです」とすすめます。

「長いですが面白いので、楽しみながら大事なことを理解できます。なんとか、お金につまずかずにやっていきたいものですね」と話しています。

【マンガ「夜廻り猫」】
猫の遠藤平蔵が、心で泣いている人や動物たちの匂いをキャッチし、話を聞くマンガ「夜廻(まわ)り猫」。
泣いているひとたちは、病気を抱えていたり、離婚したばかりだったり、新しい家族にどう溶け込んでいいか分からなかったり、幸せを分けてあげられないと悩んでいたり…。
そんな悩みに、遠藤たちはそっと寄り添います。遠藤とともに夜廻りするのは、片目の子猫「重郎」。ツイッター上では、「遠藤、自分のところにも来てほしい」といった声が寄せられ、人気が広がっています。

     ◇

深谷かほる(ふかや・かおる) 漫画家。1962年、福島生まれ。代表作に「ハガネの女」「エデンの東北」など。2015年10月から、ツイッター(@fukaya91)で漫画「夜廻り猫」を発表し始めた。第21回手塚治虫文化賞・短編賞を受賞、単行本10巻(講談社)が2023年11月22日に発売。講談社「コミックDAYS 編集部ブログ」で月・金曜夜に連載中。アニメ化し、NHK総合で再放送中。スピンオフ「居酒屋ワカル」は講談社「コクリコ」で連載した単行本が11月22日に発売。

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