佐々田絵美16歳。学校に、気を許せる友達はまだいません――。スタニング沢村さんの漫画『佐々田は友達』では、人との関わりの過程で時にヒリヒリする心の内が丁寧に掘り下げられ、ネット上で共感を集めています。茶畑高校2年に進級した佐々田は、新学年が始まって1週間、クラスいち派手な女子生徒・高橋優希に予想外の提案をされ……。
新学年で迎えた体力測定、佐々田のペアはクラスの“陽キャ”高橋優希でした。「嫌われたらクラスに居づらくなる」「共通点が見つかって仲良くなれちゃったりするかも」と複雑な思いを抱く佐々田。
しかし、そんな優希からは「ペア替えしちゃわない?」「ナイショで!」と屈託なく言われてしまいます。優希は自分の元々の友達とペアを組みたいようです。
こっそりペアを組むことになった前川アミと「体育の評価2の民」同士として仲良くなる佐々田。アミは佐々田に「いやぁ正直 あのひとらみたいなタイプ ボク苦手なんで」と打ち明けるのでした。
そんな優希と、佐々田はひょんなことから、互いを知ることになっていき――。
作者のスタニング沢村さんはこのエピソードについて「人間同士が知り合う、関係性のはじまりの瞬間を描きたかった感じです」と説明します。
「自分のとてもしんどかった高校時代に漫画の中でリベンジしたい、という思いでした」
体力測定の“ペア替え”に、胸がざわついた人もいるはずです。佐々田は優希を「宇宙人のようなかんじ」と思っているようですが、そんな相手とどのようにコミュニケーションすればいいのでしょうか。
「そこにお互いリスペクトがありさえすれば、まずはただ楽しめばいいのではないかなと。相手の行動や人格を白か黒かのみで考えない」