MENU CLOSE

マンガ

クラス内で無視、でも「仲良いし」とウソ 笑っていれば…切ない決意

山内尚さんが描く中学生の「しんどいとき」。「私がいつも笑っていれば」と登場人物のあんず。
山内尚さんが描く中学生の「しんどいとき」。「私がいつも笑っていれば」と登場人物のあんず。 出典: Souffle(スーフル)©秋田書店

目次

「毎日手足がずうんと重たいんです」――学校に行くのが苦手な女子中学生「おくら」が過ごす何気ない日々を描く山内尚さん( @yamauchinao )の漫画『しんどいときはこんなかんじ』が、ネット上で共感を集めています。今回はおくらよりも「生きやすそう」に見える友達のあんずが抱える問題と、その思いが明かされます。
【PR】「あの時、学校でR-1飲んでたね」

「いまの私をポイっとして新しいのを作れば」

漫画『しんどいときはこんなかんじ』の主人公は女子中学生・おくら。学校に行くのが苦手ですが、お母さんや友達などからは暖かく見守られています。この漫画では、そんなおくらが日々の生活の中で感じた「しんどいとき」が描かれます。今回は、前回「渡したプレゼントがゴミ箱に捨てられていた」ことを告白したあんずの視点で話が進みます。
山内尚さんの漫画『しんどいときはこんなかんじ』©秋田書店
山内尚さんの漫画『しんどいときはこんなかんじ』©秋田書店 出典:Souffle(スーフル)
「私は教室がぴかぴかしてるほうが好き」というあんずのモノローグ。教室にはほこりがたくさん落ちています。でも、掃除係の他のクラスメイトの反応は「もう掃除終わったな」「きれいっしょ」「うんうん」「よしよし帰ろ帰ろ」。あんずが「まだほこりいっぱい残ってるよ!」「きれいにしないと」と言っても、無視されてしまいます。教室に一人、残されるあんず。
山内尚さんの漫画『しんどいときはこんなかんじ』©秋田書店
山内尚さんの漫画『しんどいときはこんなかんじ』©秋田書店 出典:Souffle(スーフル)
山内尚さんの漫画『しんどいときはこんなかんじ』©秋田書店
山内尚さんの漫画『しんどいときはこんなかんじ』©秋田書店 出典:Souffle(スーフル)
帰り道、あんずは大きい書店の前で立ち止まります。気になるのはファッション誌や小説、占いの本ではなく『周りから好かれる10の方法』。思わず中身を確認してみると……。

「この本によるとね 自分が変われば世界のほうも変わるんだって」「いまの私をポイっとして こねこね新しいのを作ればいいわけだ」本に書かれていることを真に受け、うずうずするあんず。「クラスの子から無視されたりしない私ってどんなのだろう」――1850円の本を買うことにしたようです。
山内尚さんの漫画『しんどいときはこんなかんじ』©秋田書店
山内尚さんの漫画『しんどいときはこんなかんじ』©秋田書店 出典:Souffle(スーフル)
山内尚さんの漫画『しんどいときはこんなかんじ』©秋田書店
山内尚さんの漫画『しんどいときはこんなかんじ』©秋田書店 出典:Souffle(スーフル)
家に帰ると、ちょっとやんちゃな風貌のあんずの姉・みょうがが先に着いていました。「みょうがお姉ちゃんいつ帰ってきたの」「ほんとついさっき」「いつまでいるの」「今週いっぱい」みょうがとあんずの会話から、普段みょうがはこの家で暮らしていないことがわかります。

そんなみょうがはあんずが買ってきた本『周りから好かれる10の方法』を見つけ、驚いた顔で「ぴた」と動きを止めます。そして「あんずの学校の方はどうだ?」と尋ねました。

「えーーー楽しいよ クラスの子とも仲良いし」と、髪をいじりながら目を合わせず、ウソをつくあんず。みょうがはそれを「ふうん」と聞きながら「あんずの親友のおくらちゃんは元気なのかよ」とさらに尋ねます。

「おくらは充電中なんだって でも学校にいないのさみしくて…」思わずこぼれた本音。学校に来なかったり、来ても遅刻したりするおくらを優しく迎えていた裏側では、こんな思いを抱えていたんですね。

ここまで話してハッとし、(しょぼしょぼしてちゃだめだ 笑わなくちゃ)と思い直して「でもね おくらたまーに 学校来るよ!!」と笑顔を作るあんず。「にこー」と笑うその顔は、でも、どこか不自然なものでした。
山内尚さんの漫画『しんどいときはこんなかんじ』©秋田書店
山内尚さんの漫画『しんどいときはこんなかんじ』©秋田書店 出典:Souffle(スーフル)
自分の部屋で『周りから好かれる10の方法』を読み、手鏡を持ちながら笑顔の練習をするあんず。その本には「いつも笑顔を忘れない!!」と書かれていました。「私がいつも笑っていれば 皆が私のこと無視しないようになるんだから」とモノローグが。でも、本当にこのままでいいのでしょうか……?

人生をどう生きるべきなのかわからず…

作者の山内尚さんはこの漫画について「中学生の頃、人生をどう生きるべきなのかわからず、帰り道に本屋さんでいろいろな本を手に取ったことがあります」と説明します。

“その中にはキャッチーさが売りの、言っていることはむちゃくちゃな本もたくさんありました。

それに影響された自分の昔の言動を思い返して頭を抱えることもしばしばです。
あんずさんはどうなるのでしょう。私もどきどきしながら見守っています。”


第一回:友達の一言に「なりたくてなったわけじゃ…」寝る前の“微妙な後味”
第二回:生活の中の“苦手な音” 怒られてるみたい、心臓ばくばく…正体は?
第三回:渡したプレゼントがゴミ箱に…人それぞれの“こんなこと”伝えた結果

withnewsでは、山内尚さんの漫画『しんどいときはこんなかんじ』(秋田書店)を原則隔週水曜日に配信していきます。

関連記事

PR記事

新着記事

CLOSE

Q 取材リクエストする

取材にご協力頂ける場合はメールアドレスをご記入ください
編集部からご連絡させていただくことがございます